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gemini6rabbit
寄り添う力…恋のあとに残ったやさしさ ──SerenoBLOOMエッセイシリーズ─
わたしは「紙」が大好きだ。
和紙、折り紙、画用紙、トレーシングペーパー、コピー用紙……
ずっと触っていたくなる。
少し湿気を含むと、しっとりして。
くしゃくしゃに丸めると、もう二度と元には戻らない。
でも、そのやわらかくなった質感が、なんだか人の心みたいで好きなのだ。
折り目がつくたび、紙は少しずつやさしくなる。
角が取れて、包みこむようになる。
きっと、人も同じなんだと思う。
彼にも、それを感じる。
傷を抱えながらも、誰かを想い、静かに歩くその背中。
壊れることを恐れながらも、誰かの痛みに寄り添おうとするその姿。
見ているだけで、胸の奥がじんわりと熱くなる。
気づいたら、恋をしていた。
何度も「これは違う」と言い聞かせたのに、
彼の声を聞くだけで、心がふっとほぐれてしまう。
彼の沈黙さえ、やさしい音に聞こえる。
触れたい。抱きしめたい。
でもそれ以上に、彼を守りたい。
わたしの手で、彼の疲れた心を包んであげたい。
あの人が笑ってくれたら、それでいい。
けれど、もしその笑顔の理由が、わたしだったら──
きっと、もうそれ以上の幸せはない。
寄り添う力って、そういうものかもしれない。
やさしさは、痛みを知った人にしか育たない。
まっすぐな強さではなく、
折れてもなお、誰かを包もうとする、
しわだらけの勇気のかたち。
だから、ぐしゃぐしゃになった紙が、わたしは好き。
その中に、生きた証と、愛の温度が宿っているから。
彼のやさしさに触れるたび、
わたしの心は、恋に還る。
そしてまた、愛を信じてしまうんだ。
