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12/30(今年良かった漫画10選+α)

年末ってこういうタイトルの記事になりがちだなあと。

この一年の「noteまとめ」のようなものを公式が集計してくれていて、改めて記事を見返しては自分の上半期カオスだなあと思ったり、そして年末にかけてこういうまとめやレビューものばっか書いてるなとか、そんな雑感。

そして今回はマンガです。あまり王道のものを読んでいない近年としては、長く読んでいた作品もチラホラと完結を迎え、はたまた連載ペースの不定期からか発刊されるものも少なくなってきており、年々単行本を購入してまで読む作品が減ってきてはおります。WEBコミックもあるし、週刊誌連載のものも後追いながら雑誌の公式ページでアップされるし、そもそも純粋に読む作品が減った。昔読んでいた連載もかなりの数追わなくなった。

理由は単純に時間や今の年齢で当時ほどキャラに感情移入できないとかはあれど「これいつ終わる気配見せるねん」な展開についていけなくなった作品も多いかなあ。いや、終わる気配が微塵もないけど全然読めるものもある。それこそHxHなんて「暗黒大陸編が完結するのが先か富樫先生の腰が終わるのが先か」くらいの連載状況だが、未だに展開が広がってるのに読める。

片やコナンは…青山先生は隣県鳥取でもイモトや平井知事を抑え『地元を代表する有名人2025年度1位』を獲得するくらい山陰に貢献されている方だが、近年の巻はぶっちゃけ惰性で読んでる。黒の組織たまに出て新キャラとか増やされても展開少ないし、もう映画とかに向けた安室や赤井やキッドやらの話がメインの回が多かったりで、肝心のコナン達周りの事件はサクッとピクニックがてらで殺人起きるくらい…まあサンデー側からしてもドル箱の長寿連載だし、映画は毎回ヒットだしで引き延ばしの事情もさもありなん。

週刊誌を買わなくなって早ウン十年だが、上記2作はまだ何とか買って読んでいる。そして昨今これだけWEB掲載がメインになりつつある手前、10年前くらいはたまに漫画喫茶~ネットカフェでドカッと読むような長期連載のものもあった。が、そこにも行かなくなりWEBでも追わなくなった…中断したままでギブアップしたものだとはじめの一歩とかワンピースとか、アルスラーン戦記、進撃の巨人、ゴールデンカムイ辺りかなあ。大奥は買ってるが途中からまだ読んでない。一歩以外は終盤こそ面白いとは言われるが。

前置きはこれくらいにして、では今年、そんな年々読む作品が減った人間が入院~療養期間なども経てどんなのを読んでいたか。んで良かったのはどの作品かをつらつらと。ちゃんと単行本を購入した作品に特化しようと思ったのですが、やはりWEBマンガでも外せないものもあり、入り混じりました。

順不同です。


1.もやしもん+

おかえりなさい沢木。かもし再開です。

まさか10年以上経てもやしもんの続編が読めるなんて思ってもいませんでした。ちゃんと続編。よくある「あれから〇年後~」な設定の別物でもなく。

のっけから自虐的に「作者はネタ切れか」「そんなに作品数ねェのに」に対し「すぐに続編やっちゃう漫画家ってなんかアレだよね」「そんなトガった事思っていた時期が私にもありましたアタックー」と菌達の代弁から始まりますが、ゆるくて表情の変わらない菌達が傍若無人に騒いでるこのノリであーもやしもんだと安心します。やっぱり巻頭カラーに主人公は出ません。

「校門の前で10年くらい時が止まっててまた動き出したような…」「気のせいやろ」と作中でも弄ってますが、過去作すっ飛ばしてこの新作から入られても全然読めると思います。愉快な農大物語。っていうかただの大学バトルロイヤル。前作でも盛り上がった「春祭」に特化した巻です。ただやっぱりキャラの関係性などは過去作を読んでいた方がより楽しめますね。
さてこの巻肝心の菌達ほとんど出ないのですが、旬のコロナさんなども復活にあたり作者がまだそこまで復習できてなくて時勢を考慮してNG。菌にも突っ込まれてましたね。でももやしもん連載終了後も医学会や様々な出版媒体とコラボされておられたり、石川先生自身も感染症について広く勉強されていらっしゃると思います。まあ漫画に書き起こすとなるとまた別のベクトルで大変だわな。なので今回はコマいっぱいに説明しては生徒にシカトされるでおなじみ、樹教授もほとんど出番なし。

これは前作の初期頃ですが、まだこの文字数はマシな方

今年は自分の療養中にもやしもんを読み返していたこともあり、書店の新刊コーナーで今作を見つけたときは飛び上がりました。「マジか!」と。前作を読んでいても思ったのですが、もやしもんは一巻ごとでその回の物語が毎回綺麗に着地されていて「あー良いもん読んだなー」と充実感に浸れます。今回もいい終わり方で、最後のコマのキャラ達の表情や仕草がそれだけでこの回のエピローグになっているかのよう。そこにこれでもかとおまけ漫画もつけてくれるからやはりサービス精神がパない。
そんなおまけ漫画でも菌達がボヤいてましたが「これって一時的な復活?」「いや(1)って書いてあるぞ!連載だ!よかった!」ということで連載再開のようです。よかった。

2.Q.E.D. UNIV.-証明終了-

こちらもお帰りなさい燈馬と可奈ですね。といってもこっちは連載自体はずっと続いておりますが。そして自身も学生時代からずっと読んでいます。

前作『Q.E.D. iff ―証明終了―』が少年マガジンRの休刊によってどうなることかと思われたのですが、WEB漫画サイト「月マガ基地」に無事移籍となり、最終エピソードでは主人公二人が長期の連載を経て(初期タイトルから通算すると実に28年!)遂に結ばれるという、長く応援していた読者としては感慨深いエンドとなりましたが、そんな二人が大学に進学し(燈馬は15歳で1回MIT卒業してるけど)アメリカを舞台に再び難事件に挑んでいきます。
これね、凄いのがね、上記にも挙げたようにもう30年近くともなる長期連載作品なんですけどね、毎巻2話をきちっと収めるスタイルをずーっと続けてらっしゃる。事件が起きて~解決、までの単発話を毎巻2話ピタッと(一部例外あり)。とても硬派というか。なのでどの巻から手に取ってもその巻単独で楽しめちゃうし、そのトリックも数学などが取り入れられており、難解な点もありながら丁寧な解説とテンポ良いセリフ回しで予備知識なしに読めちゃいます。いや、数学自体の内容はチンプンカンプンだけど。

新シリーズとなり舞台がアメリカとなった点で法律や政治情勢の話も広がりますが、スタイルは変わらず。二人の距離が近くなった描写にニヤニヤしながらも、そこはサラリと描かれており、あくまでも「いつものQ.E.D.」を展開されている加藤先生のスタイルには往年の職人のように感じてしまう。つうかこれだけの長期作家さんなんだしそもそも漫画家さんは職人だわ。でもこれだけの長期連載でコンスタントに新刊を発行されているペースにも頭が下がる。もう一作連載されているし。どうやら先生の巻頭コメントによると更に小説まで書かれており、今年に限ってはプラス新書も一冊書かれた結果さすがに記憶を飛ばされたと…ご本人もおっしゃってますが仕事のやり過ぎはお控え頂きつつ、長くの連載を祈ります。ちなみに97年の連載開始作品が他にないか調べてみたら『ONE PIECE』でした。鉄人がここにも。


3.CHANGE THE WORLD

高校生の演劇漫画です。

ひと昔前の月刊マガジンに載ってそうというか、スポーツ系統の部活ではないが熱量は前者のそれを超えてくるくらいアツい、というジャンルかな。だいぶ乱暴な説明だけど。んでそういう作品はやはり漫画という媒体であってアニメでないので、音や動きの表現はコマから感じ取るものとなる。例えば上記に挙げた月マガだと『ましろのおと』や『四月は君の嘘』『BECK』など演奏シーンで鳴っている音は、まあ曲名は出るにしてもその音像は読者の想像の中にある。『ボールルームによろしく』は社交ダンスがテーマの作品で動きを見せるものであるが、そこで鳴っている音楽とどうシンクロしているかはこれも脳内保管な訳ですね。そこで言うと後者に近いのかな。声と動き、しかして演技とはそれだけではない。表情や間、時には音のない空間での表現もある。その舞台の「場面」の切り取り方が絶妙というか、ワクワクさせてくれる。モノローグが実際の演劇を観ているかのように熱を帯びる。
キャラがいい。主人公の陽太は舞台に立つ側の人間ではなく、脚本や演出、監督などのいわば裏方側として動いていく。この設定も面白い。主人公演じへんのかい。いや演じるのだ、ホンで、セリフで、演出で、カット割りで、演者にその熱量をぶつける。一度決めると周りが見えなくなる演劇バカ。真面目が服を着たようなルックスで正反対にガンガン行く熱い男。時に空気は読めない、読まない。向井秀徳や宮本浩次のような…ごめんなさいこれは全然イメージ違いかもですが、でも通ずるところはある気がする。

そんな主人公とルックスも性格も対照的な藤沢。陽キャで文武両道、コミュ力も高くモテモテな男が「俺って凡人なんだ」と描かれるこのギャップよ。そしてこいつもアツい。才能ある秀才が自分の至らぬ点を認めてまだ努力する。性格も超良い奴。めっちゃ仲間思い。陽太はホント周りに感謝しよう。

【追記】田川とまた先生ご本人からいいねを頂きました。こんな素人の上から目線のレビューに反応して頂き感謝感激でございます。最新話涙涙です。

4.スーパースターを唄って。

ヒップホップに魅せられた男達のお話。

とはいえフリースタイルバトルの華々しい大会とかの話ではなく、大阪の路上でプッシャーやりながら裏社会に片足突っ込んで家族もおらず借金だけ残され虚無に過ごしている17歳の少年が主人公。ラップどころかまともにマイクも握ってこなかった男が唯一の親友であり幼馴染のビートメイカーにケツを叩かれそのトラックにヤられ、ずっと書き溜めていた感情(日記)をリリックに認めラッパーとして目覚めていくという、ここだけのエピソードだけ書くとさも一人の才能ある少年の成り上がりストーリーのようになりそうだが、そうは問屋が卸さないというか、現実は甘くないというか、周囲の環境やら自身の生い立ちやら、それに対するシーンのあり方やら、とかくめっちゃ障害が取り巻いている。作者の薄場先生も語っていた、漫画で避けられがちな「めちゃくちゃカッコいいことやってるのに食えてない」現実をちゃんと描かれている。『BECK』の初期~中期はそんなんかな。雪人とコユキだと置かれた状況というか底辺っぷりがかなり違うが。

アンダーグラウンドの世界観の表現が秀逸で、セリフ回しとかもわざとらしくないというか、会話のやり取りがリアリティあって引き込まれる。無駄に説明台詞にしないというか。「ちょ」「や、アレやったら」「…す」みたいなんで済ましちゃう。最近の話はちらほらとクラブも出てきて、ああこのフロアの感じとかブース裏の感じ、ちゃんと現場見てる人やねんなあと。
売人の経歴があるラッパーはそらもう売れてる人でも多々いるだろうが、大阪で近年だとJin DoggやREAL-TRed Eyeが有名でしょうか。Watson…は大阪で売人してたけど出身は徳島だしSILENT KILLA JOINTは淡路島か。話が逸れたな。作中に主人公雪人…Y-DOTのリリックが描かれることはあってもそのラップスキルがどういったものかは想像するしかありませんが、上記のようなフッドスター達のラップというよりは、THA BLUE HERBのBOSSのようなジワジワと語りかけるようなライムを想像してしまいます。俺個人の感想だけど。最近の話を読むと特に。作品のプロットではSEEDA『花と雨』がモチーフだったようなのですが、各キャラのラップやビートがどのようなものかを想像するのも楽しいですね。コージー大好き。


5.ひらやすみ

上段『スーパースターを唄って。』の薄場先生がご自身でのフルアナログ作画なのはアシスタントとして学んでいたこの真造先生の影響があるようです。そして街並みや雑踏の空気を伝えるためにキレイ過ぎた背景画では伝わらない点もあると。なるほど確かに『スーパースター』には雑居ビル群やストリートの匂い立つリアルがあるとしたら、こちらはひと夏のあの瞬間瞬間の刹那的な風景や、夕方の少し寂しくもワクワクする気配、商店街の賑わい、そういったものがこのタッチから伝わってくるようです。近巻では主人公ヒロトのバックボーンが次第に明かされていき、ただ平和に過ごしている気のいい兄ちゃんではない点が詳らかになっていきますが、だからと言って今のヒロトが何か劇的に変わるでもなく、とはいえ周りを取り巻く人達にちょっとだけ影響を与えたりと、彼も周りの登場人物もこの後どう絡んでいくんだろうとソワソワさせながら程よい距離感・空気感で進行していきます。もう一人の主人公のなつみちゃんに関しては年相応の迷いや悩み、そして成長も描かれていて、こんなにほのぼのするタッチなのに様々な人間模様が見て取れます。あと恋愛事情ね!こことここを応援したいがこっちの想いもまた…!みたいなこのモヤモヤ!何をアラフォーのおっさんが悶えとんねんと自分でちょっと冷静にもなりましたが、そうなんですよこの穏やかなタッチの世界観ながら「ここくっつけとけば分かりやすくハッピーでしょ?」になんない!だってそれが人間だもの!みつを。ごめんなさいね。そんな展開も読んでいてニヤニヤしたりハラハラさせられたりします。

先日終了した、ドラマの方も評判良かったようですね。自分はまだ未見なのですが「岡山天音くんと森七菜ちゃんがヒロトとなっちゃんにしか見えない!」と。二人の演技もさながら、こんな運命的な経緯もあることも一因なのかしらん。森七菜ちゃんはフロントラインや国宝やらで最近またいい助演をされていますね。正月にはドラマ再放送も決まったようで、これ続編やSPドラマか映画化の可能性もあるんちゃう…?時間があれば一気見したい。


6.COSMOS

"『べるぜバブ』の田村先生が描く新SFドラマ!"

これね、マンガワンかなんかのレビューで「これだけ面白い新作を描かれていてなんぼ前作がジャンプ掲載のアニメ化もした人気作だろうが、もはや『べるぜバブの~』のくだりはいらんのちゃうか」と指摘されている文を見たことがありますが、同意見です。『べるぜバブ』は全巻買ってたくらい好きな作品でしたが、全然別物。新境地といっても過言ではない。絵柄のタッチやギャグシーンのノリは通ずるものがあれど、今作はまた別のベクトルの素晴らしいヒューマンストーリーです。あ、宇宙人ストーリーか。
人間社会の中に紛れている宇宙人、ともすれば飛躍した話になりがちだったり、寄生獣のような「対パラサイト」の構図になりそうな気もしますが(寄生獣をそんな簡単にまとめちゃ駄目だけど)そうではなく、日常生活を交えた中で、「宇宙人?普通にいるし」な世界観で描かれているのもいい。
主人公、水森の「人の噓が見抜ける」能力。この設定をこんなにも上手く話に組み込むのか…!と毎回感心し、そして感動させられます。超絶能力者ばかりの調査員達の中で、比較的地味な能力に見えがちの水森ですが、やはりCOSMOSが「保険公社」という組織である点も彼が重要なキーマンになる大事なポイントですね。サンデーGXでの連載なので?辛い話や悲しい話もありますが、きっちり話の締めを泣かせるところに着地する手腕はお見事。キャラクターもまた、COSMOSの調査員や局員達が全員魅力的。局長も含め。ていうか局長が好き。味方にこういう上司がいる作品は良い漫画。
このマンガがすごい!』や『マンガ大賞』など様々な賞に軒並みノミネート・ランクインされているので方々の書店でも平積みやコーナーができているくらいだと思いますが、そうあって然るべき作品だし、これからもっと盛り上がると思う。あと黒スーツ黒ネクタイ、大好物です。


7.3月のライオン

とうとう残すところあと一巻となってしまいました。

最終巻前のこの巻では主人公桐山と、師であり理解者である島田さんの対局がついに描かれます。対局自体は過去にもあれどガチ対決はここが初めて。お互いがお互いのことを深く理解しており、尊敬しており、その上で真剣勝負という、対局前のそれぞれの葛藤から決着後の様子まで、全てが熱く、切なく、愛おしく、感慨深いものになっています。素晴らしいです。
"ラスボス前の師弟対決"ともなれば色んな描き方があれど、大方は感情に訴えるような、はたまた「この山を越えていけ」的なニュアンスで仰々しいものになると思いますが、そこはこの二人の関係性がよくわかるというか、というか島田さんが桐山を理解しまくってるのよな。そしてやはり島田さんがいい人すぎるのよな。色々な面でとっても笑える開幕です。さすがはウミノ先生。読んでる皆のハラハラを優しくいなしてくれる。
とはいえ真剣勝負です。そこからは深く暗い、深淵の中で一手ずつ進んでいきます。まさに作中でも言われる「盤の上に命を放り投げてくる」局面が描かれていき、そして決着を迎えます。その対局後のエピローグの切なさよ…
それでも二人の傍らには温かく寄り添ってくれる誰かがいるのよね。数々の出会いややり取りを経て、それぞれ誰かに救われているのが素敵(島田さんは毒吐いてたけど笑)。ひなちゃんがいて本当によかったね桐山。次巻は遂にラスト。寂しくもその終幕を見届けたい思いが早くも沸いております。

正月に浦沢先生の漫勉neoのウミノ先生ゲスト回が再放送のようで。お仕事場でのネームやペン入れなどの様子も!録画しとこ。


8.アマチュアビジランテ

マガポケで知ってすっかりハマってしまい一気読みした作品です。

いわゆるヤンマガ系統。「ザ・ファブル」「マイホームヒーロー」などにヤラれた方は絶対お好きかと思います。どちらかと言うと後者に近いか。何者でもない主人公が実は鍛え上げられた肉体と頭脳を持っており、それが別に日常では何の功績も得ておらず、社会にも適合せず、偶然巻き込まれた出来事によって奥底にあった暗殺者の才能が開花されたという。マイホームヒーローも荒事に巻き込まれたことによって普通の中年パパだった主人公が培った知識をもとに智力と戦闘力を発揮していく設定だったし(二期ではもはや哲雄の方が裏ボスのような風格すらあったが)。ファブルだとアキラが最初から無敵の殺し屋の設定だしね。でも戦闘シーンはファブル寄りかな?
ともあれ、単純に「俺TUEEE」系ではなくちゃんとピンチになるし毎回大ケガしまくるけど、それでもその辺のモブ相手には無双するところは爽快。主人公の尾城が社会を憎みまくってるのに根がいい奴ってのも憎めないところ。敵はめっちゃ殺すけど。一巻の帯に奥浩哉、南勝久、朝基まさし各先生方からのコメントが寄せられたことからも期待値が伺えますね。裏社会の話なので人身売買やら胸糞な展開もありますが…まあ昨今のドラマや映画の漫画原作ベースの流れからしてこの面白さだと、実写化しちゃうだろうなあ。


9.フェイバリッツ FAVORITES

タイプの違うイケメン高校生二人による推し推せボーイズライフ。

上記の『スーパースター』でも思いましたが、自分関西弁でのやり取り好きやわ。『セトウツミ』とかめっちゃ好きやった。映画も好き。「いや全然関西弁なってない作品めっちゃあんで」とか「大阪弁と関西弁でニュアンス結構違うねんで」とかそんなんは知らん。こちとら島根県やもん。かまいたちの山内さん(島根県出身)にでも言うといで。

脱線しました。

んで今作。「イケメン二人の推しボーイズライフ」むむむ。BLですな?と思われた方、違うんですよ。違くもないかな?まあ別にBLどうこうはさほど大きい要素ではない。というかちょっとニュアンスが違う。作中でも触れられるが「BL扱いとかどうでもいいし」「推せたらええねん」くらいに二人がナチュラル。そこ突っ込まれようが「推しの尊さの前ではみな無力」という会話のノリで突き進む。俺何言うてんのやろ。でもそうやねん。
自分は性的思考はノーマルなメンズですが、BLに対して偏見はない。偏見というとまたアレか。まあ好きな作家さんの単行本は普通に持ってるくらいの理解ですね。ちょっとないなと思う作風のものもある。それは男女のエロの描き方でもそうだし。その前提はあれど、ここには安直にBLを持ち込んでほしくないきらいもある。ただの推し同士のやり取り、でもボケに対してはツッコむ(ボケてる自覚がないのもある)そしてそれを和やかに見守り時にちょっかいをかける友人達。そんなんでいい。そういうテンポの作品。


10.SUGAR GIRL

上記に挙げた「好きな作家さんならBLだろうが何だろうが買うし読む」で言うところのお一人です。もう、ヤマシタトモコ先生は無条件で新作が出たら買います。長期連載であった『違国日記』が終了し、次の一手はと待ち望んでいたところ「今お休み中なので」的なツイートを拝見し、あらしばらくは動きがなさそうね、映画化もしたしね、ともあれ先生連載お疲れ様でした~と油断していたらば出ているじゃないですか新刊が!
なので最近買ってようやく読んだのでまだ感想がフワフワしている。

今作は短編集。ホラー成分多めでしょうか。『さんかく窓の外側は夜』などの作風が近いかな?あれも若干BL要素あるミステリーホラーよね。今回はシリアスなものもあればかなりギャグの方に振り切ったものもあったり。ともあれどの話も会話のやり取りがヤマシタ先生節です。特に表題作。怒涛の台詞回しとカット割りが中盤から後半にかけて出てきますが、これ慣れてないとどう読んでいいか分かんないんじゃないかな。何気ない日常とそうでなかった瞬間をごちゃっとしてそっと不気味さを残していく。「漫画」ならではの表現力。実写にしてもハマりそうではあるけど、この1ページでガーッと来る感じ、そして片や一言二言のみの、表情のインパクトで魅せるシーンの対比などは、やはりヤマシタ先生独自のタッチから伝わるものだと思います。今作はホラー多めだけど、コメディでもロマンスでも、はたまた前作のような人生や生活を描いた作品でも、この雰囲気は伝わりますね。でも『くいもの処 明楽』のようなおっさん達のわちゃわちゃもまた読みたいんだよぅー!『ヤマシタトモコのおまけ本』でちょびっと続編載ってましたね。

今作のレビューやヤマシタトモコ作品について宇垣美里さん×一穂ミチ先生で読書会と題して詳しくお話しされておりますが、とても的確な表現で解説されていて素晴らしいです。好きなのが伝わる。「わかるー!」みたいな。

年明けには『違国日記』のアニメ放送開始に合わせて新連載も!このカバーイラストからはまるで予想ができませんがとにかく楽しみでございます。


ながーい。
さらっと10冊並べたらいいじゃねえかよエラそうに注釈垂れてんじゃねえよともやしもんの菌達に言われそうですね。自分でも思います。まあいいじゃない。こんなん読んでたのよ。どれも面白かったのよ。お時間あれば参考になさっていただけたらと。ひらやすみと3月のライオン以外はまだ巻数も少ないしすぐに読めるかと。Q.E.D.ともやしもんは続編だけども。

他にはオノナツメ先生の『THE GAMESTERS』や甲斐谷忍先生(原案:夏原武先生)の『カモのネギには毒がある』など面白かったです。オノナツメ先生も新刊出たら無条件で買ってる。別名義の方も。いつも素敵な渋いミドル達が沢山出てきますね。甲斐谷先生の作品も過去作から色々読んでいますが、登場人物達が「えーーっ!?」みたいなリアクションするシーン結構多いのに、なんかサラッとしてるというか、ウェットになりすぎない後読感というか、この作風が一貫して好きなんですよね。加茂先生のキャラもいい。


あとちょいエロだと『撮るに足らない』が良かったです。どっちかが渋々ながら結局流されちゃう的なエロだと『ガイシューイッショク!』とかが挙げられるのかな。あそこまで露骨な描写はこっちはないです。あるかな…まあいいじゃないエロは正義よ。これもヒロインの子が関西弁で、主人公がマイペースにイタイ子なのでよくツッコまれるのですが、会話のテンポがよくてやり取りにツボっちゃう。いや、登場人物何かしら危ないのでちょいちょい主人公がまともになるところも面白い。ボケの方がツッコまれる、またはスルーされた後「いや〇〇やねんで!?」と被せて「なんでお前がキレとんねん」的なやり取りは漫才でも顕著ですが、これを漫画でとなるとあまり引っ張りすぎずしつこくないコマ割りとセリフ回しでやるのが面白いテンポだと個人的に思っています。上記の『フェイバリッツ』然り。『銀魂』だとスルーされてそのまま放置か新ぱっつぁんがちゃんとツッコんでましたね。最後全然エロと関係ない話になっちゃった。エロが苦手でない人はぜひ。


それと今年の発刊ではないですが、ようやく最終巻をゲットした岩浪れんじ先生の『コーポ・ア・コーポ』。5巻まで買って読んでたのに何故かその後買ってなかったんよな…近くの本屋さんが改装したり配置換えしたりでマンガコーナーの並びが分かんなくなったりしたからかな。検索するなりアマゾンなりで買えやなんですが、まあ気が付いてなかったんだろう。これも療養中に本棚組み立ててたら「あれ、これどこまで読んでたっけ」で無事読み終えることができたのですが、最後までずっと変わらない温度。このドライさよ。岩波先生の作品は共通してこの空気感が漂うのですが、キャラは元気。重い話でもスルっといっちゃう。このギャップが面白い。あと上段で触れた作中関西弁でやり取りされる作品で言うとこれもですが、今回取り上げた3作とはまたどれとも被らない会話のテンポです。なんつったらいいんだろう、フキダシが通り過ぎていく感じ?違うな、こう…浮いている感じかな。絶対伝わんないよな。いいや。
これも映画化しましたね。まだちゃんと観れてないが、もう東出くんは絶対ハマってる気しかしない。ただの実写版中条サンやん。


10選からさらにプラスアルファが長くなっちゃってごめんなさいね。今年最後のnoteになると思うので、つらつら付け足してったらどんどん文章が長くなっちゃった。余裕があればご参考がてら文章流し読みでもしてもらって、この紹介した各作品を読んでいただくきっかけになったら幸いですね。

今年、誰に読んでもらうわけでもなく備忘録がてらに始めたnoteですがなんやかんや続けており、次第に沢山の方々に読んでいただいております。ありがたいことです。その人のお時間を使ってね、こんな取り留めなく毎回取り上げる内容も変わる駄文をね、時にはいいねまで押していただいて本当に。

来年も合間を縫って続けられたらなと思います。よいお年をお迎え下さい。

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Q (P.V.B.) 読んでいただいたそのお気持ちに感謝いたします。