50代、夫婦げんかを、いつものパターンにしないために
夫婦けんかを最近あまりしていませんでした。
「言っても伝わらない」
「余計に嫌な気持ちになる」
どう話しても価値観が違うから、言っても無駄と感じてしまう。
だから、ある程度距離をとって、互いに自分の領域を保った方がいい。
そう思って、向き合うことから避け、諦めてきたように感じます。
昨夜、地域のお祭りについて会話した時のこと。
「今年は手伝いからしてみようかな~」と、夫は呑気に言い出しました。
その日、私は、高校の学級委員会の日。夕方からなので、次男の帰宅時間に間に合うか微妙です。
だから私は、夫には在宅して次男を出迎えてもらうつもりでいました。
それなのに、お祭りの手伝いに行こうかなと言う。
頭の中がピキピキしてくるのが分かります。
「分かったよ。そしたら今回は行かないよ」
夫は、しゃーないなぁ、といった具合です。
ここら辺で、怒りが湧いてきているのが分かりました。
私の中では、
「働いていないからといって、私は次男の専属お手伝いさんなの?」
夫の中では、
「学校やデイに行っているんだから、四六時中見ているわけではないでしょう」
もう、この時点でかなりズレています。
夫は「お祭りに行くかどうか」を考えている。
私は「私がお祭りに行くなら、次男はどうする?」を考えている。
同じお祭りの話をしているのに、考えていることがまったく違う。
そのズレに少し頭にきて、私は物申しました。
「あなたはいいよね、身軽で。私もお祭りに行くとなったら次男はどうするの? 一緒に行っても、私に次男を任せて、自分は一人で回るんでしょう。私は行きたくない」
そう言うと、夫の顔が変わりました。
「あ、そういうことか」と思ったのも束の間、
「もう分かった。もう行かない、ふんっ」
出た。
子どもかっ(笑)
以前の私たちなら、ここから言い合いが始まります。
「あの時、こうだった」
「いや、あの時はこうだった」
どうしても過去とくっつけて、今を見る。
そして、相手を責める。
責められた夫は自分を守るために、なんとか言い返そうとする。
そこから感情論が始まって、日頃の鬱憤が爆発して、言わなくてもいいことまで、あっちこっちの引き出しから出してくる。
いつの間にか、相手を攻撃することが目的になっている。
「なるほどな」と、これまでのけんかのことを、冷静に思い出していました。
ちょっとムカついたけれど、感情的に反論したいとは思えませんでした。
心底、「なるほどな……」と思ったのです。
これまでの私は、夫に「分からせよう」としていたんだと思います。
「私はこんなに大変なのに」
「なんで分かってくれへんの?」
「あなたももっとやってよ」
そんなふうに、いかに自分が大変なのかを分からせ、相手を動かそうとしていた。
でも、もしかすると、私が本当に欲しかったのは「相手を動かすこと」ではなかったのかもしれません。
分かってもらえないと、私の大変さそのものが、なかったことになるような気がしていたのかもしれない。
自分が感じたことを、相手にも「そうだったんだ」と認めてほしい。
事実の正しさを争っていたわけではなく、
「私はそう感じていた」
そのことを認めてほしかったのだと思います。
なのに、相手から事実の話で返されると、
「そういうことを言っているんじゃない!」
となる。
そして、分かってもらおうと、さらに説明する。
それでも伝わらないと、今度は責める。
相手も自分を守ろうとする。
いつの間にか、「どちらが正しいか」の話になっていく。
今までの夫婦げんかは、そんなふうに始まっていたのかもしれません。
昨夜は、そこに入っていかなかったんです。
私は、夫を説得しようとするのではなく、自分の気持ちを伝えてみようと思いました。
「あなたの過去の行いが悪かった」と言いたいのではなく、
私はあの時、傷ついた。
頼れないと感じてしまった。
だから、また同じ場面になるのが嫌で、傷つかないように、同じ状況を作らないようにしてしまう。
その結果、家族で出かけることさえ億劫になってしまう。
私は、あなたに謝ってほしいわけでも、今すぐ何かを変えてほしいわけでもない。
ただ、
「過去、そう感じていたんだな」
と受け取ってほしい。
そんなふうに、自分の内側にあるものを、ひとつずつ言葉にしていきました。
夫がどこまで分かったのかは、分かりません。
もしかしたら、まだ分かっていないこともあると思います。
でも、それでいいのだと思いました。
私が伝えられるのは、私の気持ちまで。
その気持ちをどう受け取るかは、夫の領域です。
以前の私は、「分かってもらう」ことまで自分の仕事にしていたのかもしれません。
でも今は、自分の気持ちを伝えたところで、いったん手放せる。
それだけでも、以前の私とは違って感じました。
20年ほど前、私はコーチングを学びました。
そのときに、「相手を責めるのではなく、自分の気持ちを伝える」ということを教わったはずです。
当時は、それを知識として学んでいた。
でも、20年の中で、誰かをコーチするためだけではなく、自分自身のコミュニケーションとして、少しずつ学び直し、実践しているような気がします。
昔の自分なら、ここから大げんかになっていた。
言い合って、言い負かして、過去のことまで引っ張り出して、お互いに傷ついて終わっていた。
それをしなかった昨夜の私は、その手前で踏みとどまれた。
夫婦の関係を変えようとしたわけではありません。
ただ、自分の中で起きていることを、自分の言葉で伝えてみた。
自分とのコミュニケーションの取り方が変わってきている。
たぶん、今の私はそんな途中にいるのだと思います。
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