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6年ぶりの発達検査で、私が測られていたもの

これは
子どもを「困らせないために」と、頑張ってきた私が、少しだけ肩の力を抜けた日の話です。


6年ぶりに次男の発達検査へに行ってきました。
あの場所は、いつも少しだけ胸がざわつく。


無機質な部屋が並ぶ施設は、
おもちゃなど置いてあって

いっけん、楽しそうに見えるのに、
私はどうも苦手だった。

ここへ来ると、必ず思い出す。

「何とかこの子が上手く生きていけるような道筋を見つけてあげなくては」
「大きくなった時にこの子が困らないように、出来ることを増やさなくては」

そう、あの頃の意気込みが一瞬よみがえる。

来所する事さえも、しんどい時期もあった。

不思議と今回、そのような古い体験に支配されることもなく淡々と検査が進んだ。


「お母さん、お箸は上手に使えます?」
「さきほど、ケンケンが出来ないみたいだったんですけど、お家でも出来ないですか?」

そんなふうな質問が続く。

出来る能力があるのかどうかを検査するというなら、
本人に届く伝え方を、先に試してほしい。
理解が届いていないまま、身体能力を測る意味はあるのだろうか

そう思う私は、きっと「正確な評価」よりも、
この子の可能性を見出したい母だったのだと思う。


年齢よりもはるか年下に診断されて、
「このままではいけない」と、
これまでもたくさん挑戦してきた。

あちこちに通って発達年齢を上げることを頑張ってきた。

でも、達しない。

それは不幸な事なのか?

あの頃の私はまだ気づいていなかった。


最近の様子を聞かれた時のこと。

「危険察知はどうですか?
 道路とか飛び出してしまったりありますか?」
などと聞かれた。

話しながら、どこかで私は、
「何かヒントがもらえるかもしれない」
と、無意識に期待してしまっていた。

気づかないまま、最近の困りごとをたくさん話してしまう。

だから、
「そうですか、なるほど」

その確認の言葉だけで会話が終わり
もちろん、解決策も示されないことに、
ほんの少し、心が落胆の色に染まる。

もちろん、その人を悪く言いたい訳ではない。

ここは、聞き取りをして適正年齢を判断する場だということを
つい、忘れてしまっていたのは私の方だった。

そうだった。
いつもここに来た私は落胆していたな……
同じ間違いを繰り返している自分に、苦笑いした。


これまで、
色々試して、行動してきたことに後悔はないし
むしろ、納得している。

伴走してくれる人を見極めるのは難しく、
そして意外と少なかった。

そんな中で私1人が勢いだけで「なんとかしよう」とするのをやめて
世界を信頼することに決めた時があった。

支援の環境を整備して、本人が世界と直接関わる。
私1人の力より、理解ある環境に身を置き、
自分の力で伸びた方が何倍も大きいと気づいたのだ。

その未来が見え始めたのは、1年ほど前から。


人はこれから起こる事に対して

「こうなりたくない」
「こうなったら嫌だから今はやめておく」

大人になる過程で、そんな選択をしていくのかもしれない。

不幸になったら嫌だから、やりたくなくても
ちょっとだけ嫌なことを先にやっておく。

回避しているように見せかけて、
それは回避ではなく、嫌の先取りではないだろうか。

そんな不安からの選択をしているとき、
本当に幸せと呼べるのだろうかと
いつも思う。

まだ来ていない未来を予測して
今を不十分に生きるばかりを選択していた頃、
私は幸せだったのか?と問われると、

「だから上手くいっていなかったのか」

という自分の声が聞こえてくるような気がする。


親であれば「困らないように」と、たくさんの道具を持たせてあげたい。

そう思うのは当然だけど、
その荷物の重さで、笑顔を奪ってしまっていたのではないだろうかと過去の自分を振り返る。

困らないようにとやってきたことは、
何を守ろうとしていたのだろう。

もしかしたら、

「この子が困らないために」

と言いながら、私が困らないための行動だったのかもしれない。


そうやって
過去を思い出しているのに
過去にのめりこまない私がいる。

困らない未来のために、ちゃんとした母でいようとするのをやめるということは、背負う必要がなくなった軽さを生んだ。

私がなんとかしてあげないといけないのではなく、
ただ、息子は自然にそこにいる存在。

未来を整えることより、隣を歩くことを選びはじめている。

そんなことを考えながら帰り道、
6年前には選べなかった自動販売機の前で、
息子が「クーピシュ(カルピス)」みたいな音を出した。

その響きが、
これまでの時間を静かに連れてきた気がした。

#コトノハものがたり #ダウン症育児  #手放す子育て #ナラティブ #物語として生きる #不安との向き合い方

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燈子|トウコ ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 よかったらスキで応援してもらえたら嬉しいです。 これからも続けて書いていくので、 また読みに来てもらえたらうれしいです(^o^)