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コトノハものがたり|物語を動かさず、置き場所だけを変えてみる

見かけるたびに、
胸の奥がチクっとする人がいる。

無視されると分かっていても、
つい
「こんにちは」と声をかけてしまったこともあった。

返事はない。

空気だけが、少し固くなる。

子どもの関係で知り合った人。
お互いに相談し合って
それなりに、近い距離にいたと思う。

たぶん、
気にしすぎてしまうあの人と、
近づきすぎるとしんどくなる私。

その組み合わせが、
どこかで噛み合わなくなった。

どちらが悪かったのかは、
もう分からないし、
今となっては、
そこをはっきりさせたいとも思っていない。

――――だけど、
 ひっかかりがあることは事実。

そして新年度から、
また付き合いが再開されるのも事実。


よく聴いているYouTubeの中で、
こんな言葉に出会った。

怒りや悲しみ、落ち込みは、 なくそうとしなくていい。

それらは空に浮かぶ雲のようなもので、
現れたり、形を変えたり、やがて流れていく。

だけどその奥には、
ずっと変わらず存在している「空」がある。

泣くことは、
体は自分を落ち着かせ、
回復させる仕組みを持ってる証。

感情が荒れているときほど、
命は静かに、確実に働いている。

曇りの日や雨の日に、
「雲の奥にも空がある」と思い出してみる。
目には見えなくても、 空はいつもそこにある。

www.youtube.com/@Felixfabric


この言葉を聞いたとき、
意識がすっと、自分の内側に戻ってきた。

そして少しだけ、
無責任なくらいに
「もう、どうでもいいな」って
感じている私がいた。

投げ出したわけでもない。
諦めたわけでもない。

ただ、気づいた。

私の中で、
呼吸が行われていて、
血が巡っていて、
生命維持活動が
粛々と、でも確かに続いていることに。


心臓を動かそう、と決意しなくても
血液よ、たくさん流れたまえ、と命令しなくても。

この文章を読めているということは、
もうすでに、

心臓は動いてくれていて、
血液は流れてくれている。

そしてそれは、
あの人の中でも同じように起きている。

別々の場所で、
別々のリズムで。

「ただ、それだけなんだ」と、
腑に落ちた。



だからといって
罪悪感がきえるわけではない。

姿を見かければ、
またチクっとしてしまう日もあると思う。

「本当に4月から上手くやっていけるの?」
そんな問いを投げかけてくる私もいる。

そして
その声を聞き流している私もいる。

以前の私は、
どちらかの声を正しくしようとしていた。

でも今は、
どちらも 無理に黙らせなくなった。

追いかけもしない。
正論で自分を説得もしない。

ただ、
「そうなんだね」と、
そこに置いてみる。

それよりも今は、
自分の呼吸が戻ってきていることのほうが
ずっと大切に感じる。

関係をどうするかより先に。
うまくやれるかどうかより先に。

私はいま、
私のところに戻ってきている。

「何かあったらどうしよう?」と先を案ずるより、

何かあったときは、
何かあったときの私が考えればいい。

今日も呼吸が、
ちゃんと続いている。

雲の上には、
空が待ってくれている。

#コトノハものがたり #ナラティブ思考 #自分との対話 #人間関係の距離感 #物語の書き換え #解釈をほどく



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燈子|トウコ ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 よかったらスキで応援してもらえたら嬉しいです。 これからも続けて書いていくので、 また読みに来てもらえたらうれしいです(^o^)