足の長い人はスクワットが苦手? 〜論文で明らかにするスクワットと骨格の問題〜
ケンジ「くそっ、また後ろに倒れそうになった……。毎日スクワットの動画を見て、鏡の前でフォームを練習してるのに、どうしても深くしゃがめない。俺って本当に運動神経ないのかな……」
ピヨ所長「 ケンジくん、そんなに落ち込む必要はないピヨ。君がスクワットで深くしゃがめないのは、運動神経のせいでも、努力不足のせいでもないピヨよ」
ケンジ「え? ピヨ所長! じゃあ、なんで俺は教わった通りのフォームでしゃがめないんですか? 『背筋を伸ばして、膝をつま先より前に出さないように』って意識してるのに、それだと後ろにひっくり返りそうになるし、無理にバランスをとろうとすると今度は腰が痛くなるんです」
ピヨ所長「実はそれこそが、フィットネス界の大きな『罠』なんだピヨ。
一般的なスクワットの動画で美しいフォームを見せている指導者の多くは、『胴体が長く、大腿骨(太ももの骨)が短い』という、スクワットに圧倒的に有利な骨格をしていることが多いピヨ。でもケンジくんは、それとは逆。足が長くて胴が短い『大腿骨が長い』骨格の持ち主なんだピヨ」
ケンジ「骨格……? 俺、足が長いんですか!?」
ピヨ所長「喜ぶのは早いピヨ。大腿骨が長い人が一般的なフォームを真似してしゃがむと、重心線から股関節までの距離(モーメントアーム)が物理的に長くなってしまうピヨ。だから、深くしゃがもうとすると後ろに倒れそうになるのは、物理学的に当然のことなんだピヨ 」
ケンジ「物理的に無理だったのか……。じゃあ、腰が痛くなるのはなんでですか?」
ピヨ所長「後ろに倒れるのを防ごうとして、無意識に上半身を極端に前傾させているからピヨ。さらに、大腿骨が長い人が無理に深くしゃがもうとすると、一番下で骨盤が過度に後傾する『バットウィンク』というエラー動作が起きやすいピヨ。大腿骨が長い人にとって、このバットウィンクは腰椎への負担が激増し、怪我のリスクを跳ね上げる『最悪』の動作なんだピヨ 」


ケンジ「俺が今までやってた努力は、腰の怪我に向かって一直線だったってことですか……。じゃあ、俺みたいな骨格の人は、どうやってスクワットをすればいいんですか? もう諦めるしかないのかな」
ピヨ所長「諦める必要はないピヨ! 骨格の特性を理解して、それに合わせた『攻略法』を取り入れればいいだけピヨ。具体的には以下の3つのアプローチが有効ピヨ
〜スクワットでうまくしゃがめない人の攻略法〜
1:スタンスを変える 足幅を広く取る『ワイドスタンス』にして、つま先を外側に開くピヨ。これだけで、横から見た時のモーメントアームを短くすることができ、バランスが格段に安定するピヨ 。
2:足関節・股関節の柔軟性を獲得する: 足首の可動域が制限・股関節の柔軟性が制限されていると、より後ろに倒れやすくなるピヨ。後ろに倒れることで腰の椎間板にも大きな負荷が加わり、椎間板ヘルニアなどの大きな怪我にもつながる可能性があるピヨ!!足関節の可動域が低い人に関してはプレートなどを踵に挟んでスクワットすることでやるやすくなるピヨ!!
ストレッチなどは次回以降、詳しく伝えるピヨ!!
3:種目自体を切り替える バーベルを背中に担ぐバックスクワットに固執せず、体の前で担ぐフロントスクワットに切り替えるのも一つの手ピヨ。上体の前傾を防ぎやすくなり、腰への負担が減るピヨ 」
ケンジ「なるほど! 教科書通りの『絶対的な正しいフォーム』なんて存在しなかったんですね。自分の骨格に合ったフォームを見つけて、動作を積み上げることが大事なんだ 」
ピヨ所長「その通りピヨ! ただ『正しいやり方』を真似するのではなく、人によって骨格や体型・柔軟性がそれぞれ違うのに同じやり方をしていてもうまくしゃがむことができずに股関節や腰を痛める原因となってしまうピヨ。
ケンジ「ピヨ所長、ありがとうございます!早速実践してみます!!
参考論文
1Hartmann, H., Wirth, K., & Klusemann, M. (2013). "Analysis of the load on the knee joint and vertebral column with changes in squatting depth and weight load." Sports Medicine.
2McGill, S. M. (2010). "Core Training: Evidence Translating to Better Performance and Injury Prevention." Strength & Conditioning Journal.
3Schoenfeld, B. J. (2010). "The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training." Journal of Strength and Conditioning Research.
