Photo by
hakoism
「踏切オーディション」毎週ショートショートnote
「次の方、どうぞ」
面接官の声に促され、俺は踏切の前に立った。
今から決めるのは、この街のあちこちに配置される警報音。
腹の奥底に力を込める。俺の喉からはこの日のために仕上げた電子音が響く。
「カン、カン、カン、カン……」
遮断機が下り、選考員たちが音の響き、高低、リズムなどを厳しくチェックする。
「うん、悪くない。緊迫感も出ている。採用!」
明日から俺のこの声が、誰かの命を救うことになる。
いいなと思ったら応援しよう!
サポート頂けるととても嬉しいです