ChatGPTに役割を与えるコツ|「誰か答えて」から「あなたに聞きたい」
ChatGPTに質問したり、何かをお願いしたりしたとき、返ってきた答えや結果を「なんだか、いまいちだな」と感じたことはありませんか?
ChatGPTに「あなたは○○のプロです」と役割を与えると、回答の方向性が定まりやすくなる。そんな使い方を聞いたことがある人もいるかもしれません。
僕も、最初に役割を与えることで、何も伝えないときより、目的に合う回答を得やすくなると感じています。
実際に僕も、「カリスマ編集者として」「LINEスタンプトップクリエーターとして」とお願いしていました。
ところが、それでも「少し変だな」「本当にプロの意見かな?」と感じることがありました。
僕に足りなかったのは、もっとすごそうな肩書きではありませんでした。「どんな役割で、どこを見て、何を基準に判断してほしいのか」まで伝えることでした。
100人の村で、「あなたに聞きたい」と伝える
僕はChatGPTのことを「チャッピー」と呼んでいます。
僕の中では、役割を決めずにチャッピーへ質問するのは、いろいろな職業の100人が暮らす村で、全員に向かって「誰か答えてください」と声をかけるようなイメージです。
村には、文章を見る編集者や、絵を作るデザイナー、商品について考えるクリエーターなど、いろいろな立場の人がいます。
返事は返ってきても、誰の立場から考えてほしいのかは決まっていません。そのため、答えの視点も広く、少しぼんやりしやすくなります。
そこで、「編集者のあなたに聞きたい」「LINEスタンプを作っているあなたに見てほしい」と、答えてほしい人を指名します。すると、チャッピーに、どの視点を優先して考えてほしいのかを伝えやすくなります。
もちろん、本当にChatGPTの中に100人の専門家がいて、その一人が出てくるわけではありません。役割を与えることで知識そのものを増やすのではなく、答えるときの視点や判断基準を絞る。僕はそんなイメージで使っています。
noteの記事を相談するときは、
カリスマ編集者として答えてください。
LINEスタンプについて相談するときは、
LINEスタンプトップクリエーターとして答えてください。
このように役割を伝えると、どの立場から答えてほしいのかは分かりやすくなります。僕自身も、役割を付けた方が目的に合う回答を得やすいと感じていました。
ただ、村人の中から編集者を指名しても、「この記事のどこを見てほしいのか」までは伝わっていません。チャッピーも同じでした。
「カリスマ編集者」と言っても、見てほしいことはいくつもあります。
タイトルが気になるのか。話の順番が気になるのか。初心者に伝わるかを見てほしいのか。それとも、僕が話していないことが混ざっていないかを確認してほしいのか。
肩書きを伝えただけでは、そこまでは決まりません。
チャッピーの説明が、僕の文章に入っていた
別のnote記事を作っていたときのことです。
原稿の中に、次のような文章が入っていました。
当時の正確な指示文や画面のスクリーンショットは、今回探した範囲では見つかりませんでした。
覚えていない言葉を、実際に送った指示文として作ることはしません。
内容そのものが嘘だった、という話ではありません。
問題は、それが僕の読者に伝えたい体験ではなく、チャッピーが原稿を作るときの注意書きだったことです。それが、僕が話しているような形で記事本文へ入っていました。

チャッピー側の制作方針が、僕の文章のように本文へ入っていた部分。赤印を付けて「この部分も変です」と伝えました。
「カリスマ編集者として」とお願いしていても、僕が書いていない制作上の説明を本文へ入れない、という条件までは伝えられていませんでした。
このとき僕は、直し方を細かく指定しませんでした。
「こう直して」ではなく、まず気づいてもらう
僕が送ったのは、赤印を付けたスクリーンショットと、短い一言でした。
この部分も変です。
「この2段落を削除して」と、答えを先に伝えたわけではありません。
僕は、どこが変なのか、なぜ記事に合わないのか、どう直すのかを、チャッピー自身に考えてほしかったからです。
するとチャッピーは、この部分について、読者に関係のない制作上の事情になっていること、急に検証報告のような文章になること、ほかの説明と重複していることを挙げました。そして、該当する2段落を削除し、体験の話へ自然につなぐ修正を提案しました。
もちろん、最初から「この2段落を削除して」と伝えた方が早かったかもしれません。やり取りが増える分、余計にトークンを使うこともあると思います。
それでも僕は、直し方だけを指示するより、チャッピー自身に問題の理由まで考えてもらう方が、次の依頼につながると思って、この方法を使っています。
肩書きと一緒に伝えたい4つのこと
この経験から、役割の名前に加えて、次の4つも伝えた方がよいと気づきました。
1.何のために見てほしいのか
同じ文章でも、日記として残すのか、初心者向けの記事にするのかで、見るところは変わります。
まずは「誰に、何を伝えたいのか」を短く伝えます。
2.どこを見てほしいのか
「全体を見て」だけでなく、話の順番、重複、難しい言葉など、気になるポイントを二つか三つに絞ります。
3.何を守ってほしいのか
僕が話していない体験を加えない。直す部分以外は変えない。チャッピーから僕への説明を、記事本文へ入れない。
このように、入れてはいけないことや変えてはいけないことも伝えます。
4.どのように答えてほしいのか
いきなり文章を書き直すのではなく、まず問題点と理由を教えてもらい、そのあとに修正案を出してもらう。
こう頼めば、チャッピーが何を見て、どう判断したのかも確認できます。
note記事なら、今はこう頼む
今回の経験を踏まえると、note記事の相談では次のように頼めます。
あなたはAI初心者向けnote記事の編集者です。
初めてChatGPTを使う人にも、僕の体験と伝えたいことが分かる記事にしたいです。
話の順番、同じ説明の繰り返し、難しい言葉の3点を中心に見てください。
僕が話していない体験や、チャッピーから僕への説明は、記事本文へ入れないでください。
すぐに書き直さず、まず問題点と理由を説明し、そのあとに修正案を出してください。
LINEスタンプの画像なら、「トップクリエーターとして」だけで終わらせず、小さく表示しても文字が読めるか、感情が一目で伝わるか、基準画像から顔や服装が変わっていないか、などを加えられます。
すべてを長く書く必要はありません。今回いちばん見てほしいことを、二つか三つ加えるだけでも始められます。
役割を与えれば、必ず正解になるわけではない
役割と見るポイントを伝えても、毎回思いどおりの答えになるとは限りません。
チャッピーの回答を読んで、自分が伝えたかったことと合っているか、自分が話していないことが加わっていないかを確認する必要があります。
違うと感じたときは、すぐ正解を教える方法もあります。でも、余裕があるときは「この部分、どう思う?」と聞き、理由から考えてもらう方法も使えます。
僕が学んだのは、強そうな肩書きを付けることより、その役割に何をしてほしいのかを伝えることの方が大切だ、ということでした。
次にChatGPTの答えを「なんだか、いまいちだな」と感じたときは、もっとすごそうな肩書きを考える前に、「どこを見てほしいのか」を一つ加えてみてください。
僕は、今回のようなミスを次へ生かすための設定もしています。その詳しい話は、また別の機会に書きたいと思います。
