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【創作怪談】ショッピングセンターの夜間警備

T也  30歳  会社員

大学生の頃、夜間警備のバイトをしていた。
ショッピングセンター閉店後の巡回。

22時を回ると全ての明かりが消えた。

非常口の緑の明かりだけが
暗闇に浮かび上がっている。

静まり返り、自分の足音だけが響く中
決まったルートを懐中電灯を照らして歩く。

最後は、西側1階のトイレ。
すべての扉を開け、確認すれば
今夜も何事も無く終わる……はずだった。

カラカラ……

ふいにトイレットペーパーを使う音が聞こえた。

一番奥のトイレからか?

ノックをして呼びかけると中から声がした。

すみません……お腹が痛くて……
出られなくなりました……

か細い男性の声が聞こえてくる。

慌てて社員の人に連絡すると
どこのトイレかと聞かれた。

すると、そこは無視していいと即答で指示があり
よく分からないまま巡回続けた。

詰所に戻ると古株の社員がニヤけた顔で言う。

今夜、出たらしいね。
トイレの太郎……

あのトイレで時々あることらしい。

具合が悪そうな男の声が聞こえて
慌てて行くと何も声がしなくなり
上からのぞいても誰もいない。

本社からは
今後、同じようなことがあったとしても
取り合わず日誌にも記録はするな
との指示だと言う。

さらに小声で楽しげに付け加える。

こんなことで、ビビってないよね。
意外と退屈しないんだよ、ここ。


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