【創作怪談】縁の下の野良猫
S真 32歳 会社員
猫の保護団体に休日だけ参加している。
ある日、縁の下に野良猫が住み着いていると
連絡が入り仲間と出向いた。
連絡をくれた方は
古い一軒家に夫婦と子供5人で住んでいる
にぎやかな家族だった。
夜になると鳴き声で困っているとのこと。
早速、縁下に潜り込んでみる。
カビ臭とクモの巣に格闘しながら
驚かせないよう、少しづつ進んでいく。
全体を見回すが姿は見えない。
猫を保護するのは根気がいる作業だ。
家主によれば深夜から鳴き出すというので
一旦帰り、真夜中にまた訪れた。
にゃーにゃーにゃー……
確かに縁の下から、力なく鳴く声が聞こえる。
刺激しないように、薄明かりの電灯で照らす。
縁の下に入り、耳を澄ますが方向が分からない。
にゃーにゃーにゃー……
自分も猫を飼っているが……これは猫なのか?
ふぎゃーふぎゃーふぎゃー……
私の妹が抱いていた
生後間もない赤ちゃんの声。
日中に縁の下で見た
一部だけ色が変わっている地面。
頭の中で繋がり、全身が粟立った。
慌てて這い出し
仲間に猫は縁の下の入れない所にいると言い
家主には近くに仕掛けを置いて帰ると伝えた。
私以外の仲間が何度か通ったが
猫が捕まることはなかった。
