親友は宇宙人!?

「実は私、宇宙人なんだ。」
 お昼休みの屋上で、親友の一ノ星綺羅々とご飯を食べていたら世間話のテンションくらいで告げられた。食べようとしてた卵焼きが弁当箱へ帰って行く。
「え?まじ?」
「うん。でね、明日帰らないといけなくなって、親友のみーこだけには、言わなきゃと思ったの。」
 私の頭は、宇宙みたいにいっぱいいっぱいで完結しない。
(でも、そっか。帰っちゃうのか。)
「何か・・・・お土産買う?」
「そうだね。ママとパパに買おうかな。」
「じゃあ、一緒に探してもいい?」
「もちろん!みーこありがとう!」
 そう言って綺羅々は、私に抱き付く。
(そっか。綺羅々に会えなくなるのか。)
「寂しいなぁ。」
「私も寂しい。でも、ごめんね。星の事情が変わっちゃって・・・・。」
「うん。」
 私は抱きつかれながら、卵焼きを持ち直して食べる。
「まぁ、とりあえず、もうそろチャイム鳴るし、教室に戻るか。」
「そうだね。てか、みーこ全然驚かなかったね。」
「確かに。なんでだろう?」
 いつの間にか当たり前のように、すとんと受け入れていたことに気づいた。
「まぁ、人間と姿が全然違う訳じゃないし、転校するんだみたいな感覚だよね。」
「そっか!でも、みーこ以外には秘密だよ!」
「はーい。私と綺羅々の約束ね。」
 綺羅々に私の小指を出す。2人の指が絡む。
「「指切りげんまん。嘘ついたら針千本飲ーます。指切った!」」
 どちらともなく立ち上がる。
「じゃ、行こっか。」
「そうしよー。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

キーンコーンカーンコーン。
終業のチャイムが鳴り、帰りホームルームが始まる。
「えー。突然のことだが、一ノ星綺羅々さんが転校することになった。一ノ星さん、挨拶して。」
「今までありがとうございました。」
 綺羅々は立ち上がり、深々とお辞儀する。パチパチと拍手されて再び座る。その後、少し連絡事項があってから解散となった。綺羅々の周りにあっという間にクラスの女子が集まる。
「綺羅々ちゃーん!どこに転校するのー?」
「寂しいよー!」
「突然すぎてびっくり!」
 綺羅々は困ったように笑っている。事実は言えないし、かと言ってパッと嘘もつけないのだろう。
「綺羅々、帰るよ!」
 私はいつもより声を張って、綺羅々を引っ張る。
「うん!みんな、じゃあね!」
 クラスメイト達は名残惜しそうに、別れの言葉を告げる。
「みーこ、ありがとう。」
「いいよ、全然。お土産選びに行こ。」
 私達は駅の近くでお店を見て回って、日持ちするお菓子を何個かチョイスした。
「じゃあ、帰ろっか。」
「みーこ!UFO乗らない?」
「え!?いいの!?」
 思わずでかい声が出て、慌てて手で口を塞ぐ。
「うん!みーこだけね!」
 駅から離れた人通りの少ない公園に綺羅々と連れ立って来た。綺羅々はスマホを取り出し、電話をかける。
「もしもーし、こちら綺羅々!迎えのUFOお願いしまーす!」
「そんなタクシーみたいな感じ!?」
「うん!宇宙のタクシーだもん!」
 そうなんだと相槌を打つ暇もなく、頭上にピロピロと音を立てて、UFOがあっという間に到着していた。
「え、早。」
「みーこ!」
 綺羅々が私の手を取ると、瞬く間にUFOに吸い込まれた。船内は、よくわからないパネルと大きな窓があり、私達以外いないみたいだ。
「あれ?運転手は?」
「ん?自動運転だよ。」
「すご!」
「みーこのお家近くまで送るね。」
「え、いいの?」
「うん!」
 綺羅々は、パネルをテキパキと操作するとUFOは出発した。
「やば!めっちゃ街ちっさ!綺麗ー!」
 今まさに夕焼けが夜に落ちる頃。世界が茜色から深い青へ染まっていく、
「私、地球に来て良かった。」
「そう?てか何で地球に?」
「観光!あと社会勉強に。地球でいうところの留学みたいな感じ。」
「そうなんだ。」
 私と綺羅々は、大きな窓から優しい明かり達が灯っていく街を見下ろす。
「そろそろ着くよ。」
「まじか、UFO速いな。」
 人気のない場所へ綺羅々と着地する。
「私ももう帰らなくちゃ。」
「綺羅々!」
 綺羅々がスマホから顔を上げる。
「私、綺羅々のこと生涯忘れない!だって大好きだもん!」
 そう私は叫んだ後、微笑みながら一筋の涙を零す。
「みーこ!ありがとう!私も絶対忘れない!宇宙一大好き!」
 綺羅々は、快活にニカッと笑う。
「じゃあ元気で!」
「うん!またいつか!」
 そして綺羅々はUFOに吸い込まれていった。UFOがウィンウィンと別れの音を響かせながら発つ。私はそれが、流れ星になるまでずっと見ていた。

いいなと思ったら応援しよう!

ぽぽるん よろしければ応援お願いします!