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水始涸 10/3-7

水始涸(みずはじめてかるる)
-第四十八候/七十二候
-秋分-末候/二十四節気
-水始涸/宣明暦
-2025年10月3日~10月7日
 
水始涸(みずはじめてかるる)は、稲穂が黄金に色づき、田んぼの水を抜いて収穫の支度を始める頃を指す。稲刈りは農耕暦における大きな節目であり、里の景色は一気に晩秋の趣を帯びる。

籾全体の8~9割が黄色く色づき稲穂が出てから積算温度がおよそ1000℃に達すると、稲は成熟し刈り時だとされる。長い季節をかけて育んできた稲、その実りをようやく手にする。

刈り取られた稲は、はざかけして天日干しする。支柱に竿を渡して稲束を二股にして掛ける形がもっとも一般的だが、二段三段と積み上げる形や、円錐型に組んで立てる形など、地域によって工夫はさまざまである。土地の湿り気や風の通り方に合わせ、最適な形が選ばれてきた。

はざかけの期間は2~3週間。時には雨を避けるためにビニールで覆うこともある。その光景からは、農家の細やかな労苦が伝わってくる。佐渡ではガードレールに稲束を掛けた風景を見たことがある。それも1か所だけではない。布団まで干してあるのを見かけたときには、思わず笑ってしまったが、それもまた土地の人々の暮らしぶりを映し出していた。

はざかけにはいくつもの利点がある。逆さに吊るすことで茎や葉に残る養分が籾へと移り、甘味を増す。さらに天日干しはアミノ酸や糖を増やし、乾燥機で仕上げた米よりも香りが広がり旨味のある味わいになるという。また、自然乾燥のため米が割れにくいのも利点だ。昔は稲の背丈が今より高く、人々の体格は小さかったから、はざかけ作業は今以上に重労働であったに違いない。

作業効率を高めるため農機具は進化し、コンバイン一台で刈り取りから脱穀・選別までをこなせる。そのため、はざかけの風景は少なくなったが、秋晴れの下、黄金に輝く一面の稲穂には、農家でなくとも幸せがこみあげてくる。

新米をほおばれば、これぞ秋の味覚と誰しも実感するのではないだろうか。水始涸の景色は、日本に住む人の心をふるわせる。


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