もう10月。大学受験、まだ大丈夫だと思っていませんか?
「もう10月か……」
受験生本人よりも、保護者のほうが先に焦りを感じているかもしれません。
夏休みが終わった頃には、
「まだ時間はあるよね」
「ここから頑張れば大丈夫」
「秋から本気を出せば間に合う」
そう思っていた。
でも、気がつけば10月。
学校では模試が増え、周りの友達も受験モードになってきた。
志望校の過去問を始めている人もいる。
一方で、
「うちの子は、まだ過去問をやっていない」
「夏休みも思ったほど勉強できなかった」
「模試の判定が良くない」
「そもそも志望校がまだはっきりしていない」
そんな状況に、不安を感じていませんか?
そして、受験生本人は本人で、
「まだ10月だから大丈夫」
「これからやればいい」
と言っている。
この温度差が、親子の間で大きくなってくるのも、この時期です。
ただし、ここで大切なのは、
「10月だからもう遅い」と考えることでも、「まだ10月だから大丈夫」と安心することでもありません。
10月は、これまでの勉強を振り返り、これからの時間の使い方を大きく変えることができる時期です。
一方で、ここから先も「そのうちやる」「まだ大丈夫」と先延ばしを続けてしまうと、後になって取り戻すことが難しくなる部分もあります。
この記事では、
* なぜ10月が大学受験において重要なのか
* 「まだ大丈夫」と思ってしまうことの危険性
* ここから何を優先すればいいのか
* 成績が思うように伸びていない場合にどう考えるか
* 保護者はどこまで関わればいいのか
について、整理していきます。
「もう遅いのでは」と不安になっている方にも、
「まだ大丈夫」と思っている方にも、
一度立ち止まって考えてほしい内容です。
【1】10月の大学受験は、なぜ重要なの?
まず知っておいてほしいのは、
10月は「まだ時間がある時期」ではありますが、「時間に余裕がある時期」とは言いにくい
ということです。
大学受験では、入試本番までにやることがたくさんあります。
基礎事項の確認。
苦手分野の克服。
問題演習。
共通テスト対策。
記述対策。
過去問演習。
志望校ごとの対策。
そして、学校の授業や定期試験、模試などもあります。
さらに、受験方式によっては、出願や試験日程の確認、必要書類の準備なども必要になります。
つまり、
「勉強時間があと何か月もある」
と考えるだけでは不十分です。
その数か月の中に、受験に必要な作業がぎっしり詰まっているからです。
たとえば、夏の時点で、
「英単語がまだ十分に覚えられていない」
「数学の基礎問題で間違える」
「古文単語があやふや」
「理科の一分野がほとんど手つかず」
という状態だった場合。
10月になったからといって、突然その問題が消えるわけではありません。
むしろ、
基礎を固めながら応用問題にも取り組む。
苦手分野を復習する。
模試の復習をする。
過去問にも取り組む。
というように、やることは増えていきます。
だからこそ、10月に必要なのは、
「まだ間に合うかどうか」を考え続けることではなく、「残りの時間で何をするか」を具体的にすること
です。
「まだ大丈夫」が危険になる理由
「まだ大丈夫」という言葉そのものが悪いわけではありません。
むしろ、受験生が必要以上に焦ってしまうこともあります。
問題なのは、
「大丈夫」という言葉が、行動を先延ばしする理由になってしまうこと。
です。
「10月だから、まだ大丈夫」
↓
「11月から過去問をやればいい」
↓
「12月になったら本気を出そう」
↓
「冬休みに集中してやればいい」
このように、少しずつ先送りしてしまう。
すると、ある時点で、
「基礎が終わっていないのに過去問をやらなければならない」
という状況になってしまいます。
受験勉強には、それぞれに積み重ねがあります。
英語なら、単語や文法などの基礎が不十分なまま長文問題だけを大量に解いても、思うように伸びないことがあります。
数学でも、公式や典型問題の理解が曖昧なまま、難しい問題ばかりに取り組んでも効率が良くありません。
つまり、
「後でまとめてやればいい」が通用しにくいものがある
のです。
だから10月は、
「もう遅い」
ではなく、
「これ以上、先送りしないためのタイミング」
と考えてみてください。
【2】ここから最初にやること①
「今の位置」を正確に確認する
10月にまずやってほしいのは、
勉強時間を増やすことではありません。
最初に、
「今、自分はどこにいるのか」
を確認することです。
ここが曖昧なまま、
「毎日10時間勉強する!」
と決めても、うまくいかないことがあります。
確認するのは、この5つです。
① 志望校
② 現在の模試・成績
③ 得意科目
④ 苦手科目
⑤ 基礎・標準・応用のどこでつまずいているか
特に重要なのは、
「成績が悪い」という大きなくくりで考えないこと。
たとえば、
「英語が苦手」
だけでは、何をすればいいのか分かりません。
しかし、
「英単語の知識が不足している」
「文法問題で失点している」
「長文を読むスピードが遅い」
「読めるけれど設問で間違える」
まで細かくすると、対策が変わります。
数学も、
「数学が苦手」
ではなく、
「計算ミスが多い」
「二次関数が弱い」
「確率が苦手」
「解法が思いつかない」
など、原因を分けて考えます。
ポイントは「点数」だけを見ないこと
模試の判定を見ると、
「E判定だった」
「偏差値が下がった」
というところだけに目が行ってしまいます。
もちろん、現在の位置を把握するためには大切な情報です。
ただ、
判定=合否そのもの
ではありません。
模試は、その時点での学力を一定の条件で測ったものです。
重要なのは、その結果から、
「何が足りないのか」
を見つけること。
そして、
「次の模試までに何を改善するか」
を決めることです。
【3】ここから具体的にやること②
「全部やる」をやめて、優先順位をつける
10月になると、
「やらなきゃいけないことが多すぎる」
という状態になりやすくなります。
英語もやらなければいけない。
数学もやらなければいけない。
国語も。
理科も。
社会も。
過去問も。
模試の復習も。
そうすると、
「結局、何からやればいいの?」
となります。
ここで必要なのが、優先順位です。
おすすめは、勉強内容を3つに分けること。
A:今すぐやる
合否に大きく影響するのに、明らかに弱い分野。
例:
* 英単語
* 基本文法
* 計算
* 基本公式
* 頻出分野
* 志望校で頻出する単元
B:継続する
ある程度できているけれど、維持・強化が必要なもの。
C:後回しにする
今の段階では時間に対する効果が低いもの。
ここで大切なのは、
「全部やらない」という決断も受験勉強の一部
だということです。
限られた時間の中では、何をやるかだけではなく、
「今は何をやらないか」
を決める必要があります。
【4】ここから具体的にやること③
過去問は「解くだけ」にしない
「10月だから過去問を始めなきゃ」
と焦る人もいるでしょう。
しかし、過去問は、
解いた数を競うものではありません。
大切なのは、
「なぜ間違えたのか」
を分析することです。
たとえば英語の長文で10問中4問間違えたとします。
そこで、
「4問も間違えた」
で終わってしまうと、次につながりません。
それより、
* 単語が分からなかった
* 文法知識が足りなかった
* 本文の読み取りを間違えた
* 設問の意味を取り違えた
* 時間が足りなかった
などに分けてみます。
すると、
「長文が苦手」
だと思っていたものが、
実は、
「単語不足が原因だった」
ということもあります。
逆に、知識はあるのに時間が足りないのであれば、必要なのは単語暗記ではなく、時間配分や読解練習かもしれません。
過去問は、
現在の自分と志望校との距離を確認するための教材
として使うことが重要です。
【5】ここから具体的にやること④
「勉強時間」ではなく「勉強の中身」を見直す
受験生からよく聞くのが、
「毎日○時間やっています」
という言葉です。
もちろん勉強時間は大切です。
しかし、
勉強時間が長い=必ず成績が伸びる
とは限りません。
たとえば、5時間机に向かっていても、
* スマートフォンを触っている
* 休憩が長い
* 分からない問題を考え続けている
* 得意な科目ばかりやっている
* 丸つけだけして復習していない
という状態なら、時間ほどの効果が出ないことがあります。
反対に、
「今日は英単語をここまで」
「数学はこの問題を解けるようにする」
「昨日間違えた問題をもう一度解く」
というように目的が明確なら、短い時間でも中身の濃い勉強になります。
1日の終わりに確認してほしいこと
「今日は何時間勉強した?」
だけではなく、
「今日、昨日よりできるようになったことは何?」
と考えてみてください。
この質問は非常に大切です。
「英単語を100個見た」
ではなく、
「昨日覚えられなかった単語30個を覚えた」
「数学の苦手な問題を自力で解けるようになった」
「長文を時間内に読み終えられた」
というように、
できるようになったこと
に注目します。
【6】ここから具体的にやること⑤
「親ができること」と「本人に任せること」を分ける
ここは、保護者の方に特に伝えたい部分です。
10月になると、親も焦ります。
「勉強したの?」
「模試どうだった?」
「いつになったら過去問やるの?」
「このままで大丈夫なの?」
「スマホばかり見てない?」
言いたくなる気持ちは、当然です。
親からすると、
「このままでは間に合わないのでは?」
という不安があります。
しかし、その不安を毎日のように言葉にしてしまうと、受験生との関係が悪くなってしまうことがあります。
では、何もしないほうがいいのでしょうか。
そうではありません。
大切なのは、
「管理すること」と「支えること」を分けること。
です。
たとえば、
「今日何時間やったの?」
よりも、
「最近、勉強していて困っていることある?」
「何か手伝えることある?」
「学校や塾で相談できている?」
という聞き方があります。
もちろん、本人が何も考えていないように見える場合には、話し合いが必要なこともあります。
ただし、
親が不安だから、子どもを急かす
のではなく、
子どもが受験に向き合えるように環境を整える
という視点を持ってみてください。
【7】よくある悩み・Q&A
Q1. 10月なのに、まだ基礎が終わっていません。もう遅いですか?
「もう遅い」と決めつける必要はありません。
ただし、
「まだ基礎だから、もう少し基礎をやってから応用へ」
と先送りを続けるのも危険です。
今の段階で何ができていて、何ができていないのかを確認し、
必要な基礎を固めながら、入試問題にも少しずつ触れていく
という考え方が大切です。
すべての基礎が完璧になるまで、次の段階に進めない必要はありません。
Q2. 模試がE判定でした。志望校を変えるべきですか?
模試の判定だけで、すぐに結論を出す必要はありません。
一方で、
「E判定だけど気にしなくていい」
と簡単に片付けるのも適切ではありません。
大切なのは、
* 現在の成績
* 志望校の合格者層との距離
* 科目ごとの状況
* 今後伸ばせる分野
* 残された時間
* 本人の希望
などを総合的に確認することです。
そして、
「このままでは厳しい部分がある」
のであれば、
「何を変える必要があるのか」
を具体的に考えます。
志望校を変えるかどうかは、判定の数字だけで決めるものではありません。
Q3. 過去問を解いたら全然できませんでした。
最初から高得点を取れなくても、それだけで悲観する必要はありません。
むしろ、
「どこができなかったのか」
を知ることができます。
過去問を解いたら、
① 点数を見る
② 間違いを分類する
③ 原因を確認する
④ 必要な勉強に戻る
⑤ もう一度確認する
という流れを作ってみてください。
「点数が低かった」で終わらせないことが大切です。
Q4. 子どもが全然焦っていません。親だけ焦っています。
この状態は、珍しいことではありません。
ただ、本人が焦っていないことだけで、
「危機感がない」
と判断するのも早いかもしれません。
受験生の中には、不安だからこそ考えたくないという場合もあります。
「大丈夫なの?」
と問い詰めるより、
「今、一番困っていることは何?」
と聞いてみる。
あるいは、
「受験について、今どんな感じで考えてる?」
と本人の認識を確認してみる。
まずは、
親が考えている「現状」と、本人が考えている「現状」が一致しているか
を確認してみてください。
Q5. 親が勉強について口を出すと喧嘩になります。
受験生本人にとっては、
「分かっているけど、できない」
ということがあります。
そこに、
「だから言ったでしょ」
「もっと勉強しなさい」
「このままだと落ちるよ」
と言われると、さらに話しにくくなることがあります。
親子で受験について話すときには、
正しいことを言うことより、話ができる状態を保つこと
も大切です。
もちろん、生活習慣や受験スケジュールなど、親が確認する必要があることもあります。
その場合も、
「勉強しなさい」
という抽象的な言葉ではなく、
「出願についてはいつ確認する?」
「学校との面談で聞きたいことある?」
など、具体的な話にすると、会話がしやすくなる場合があります。
【8】「10月だから遅い」のではなく、「10月から何をするか」が大切
大学受験では、
「今からでは遅いですか?」
という質問をよく聞きます。
でも、本当は少し違うのかもしれません。
受験において重要なのは、
今まで何をしてきたかだけではなく、ここから何をするか。
もちろん、これまでの積み重ねは重要です。
夏までに十分な勉強ができた人と、できなかった人では、スタート地点が違います。
それを無視する必要はありません。
ただ、
「もっと早くやっておけばよかった」
と後悔しているだけでは、時間は戻ってきません。
10月になった今、
「自分は遅れているかもしれない」
と気づいたのであれば、
そこから現状を整理することができます。
そして、
「何を優先するか」
を決めることができます。
「全部やらなければ」
ではなく、
「今、一番必要なことは何か」
を考える。
それだけでも、受験勉強の進み方は変わります。
10月は「安心する時期」でも「絶望する時期」でもない
もう10月。
この言葉を聞いて、
「まだ大丈夫」
と思う人もいるでしょう。
「もう遅い」
と思う人もいるでしょう。
でも、どちらか一方に決めつける必要はありません。
10月は、
これまでの勉強を一度整理して、残された時間を具体的に使っていく時期
です。
ここから意識したいのは、次の5つ。
① 今の自分の位置を確認する
模試の判定だけではなく、科目ごとの弱点まで確認する。
② 優先順位をつける
「全部やる」のではなく、今必要なものから取り組む。
③ 過去問を分析する
点数だけを見るのではなく、なぜ間違えたのかを確認する。
④ 勉強時間より中身を見る
「何時間やったか」だけではなく、「何ができるようになったか」を確認する。
⑤ 親子で役割を分ける
親が全部管理するのではなく、本人が受験に向き合えるように支える。
そして、最後に一つ。
受験生本人へ。
もし今、
「もっと早くやればよかった」
「夏休みにもっと勉強しておけばよかった」
と思っているなら、
その気持ちは分かります。
でも、過去を責め続けるために10月があるわけではありません。
今日からできることがあります。
英単語を覚える。
苦手な数学を一問解く。
模試の間違いを一つ見直す。
過去問を一度解いてみる。
先生に相談する。
勉強方法を見直す。
小さなことで構いません。
「明日から」ではなく、「今日、何を一つ変えるか」。
そこから始めてみてください。
そして保護者の方へ。
お子さんの受験が近づくほど、
「このままで大丈夫なの?」
という不安が大きくなるのは自然なことです。
でも、親御さん自身が不安になりすぎてしまうと、その不安がそのままお子さんに伝わってしまうことがあります。
必要なのは、
「もっと頑張らせること」
だけではありません。
今のお子さんが何に困っているのか。
何を一人で抱えているのか。
何なら親に相談できるのか。
そこを一緒に整理することも、受験を支える大切な方法です。
10月。
まだできることはあります。
ただし、
「まだ大丈夫だから、もう少し後でいい」ではなく、「今だからこそ、一度立ち止まって見直す」。
それが、ここからの受験勉強を考えるうえで大切なことです。
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