富嶽三十六景 隅田川関屋の里を、現代のデザインで使える素材として再構築する
都市の外縁にある静かな場所
《隅田川関屋の里》は、
江戸の中心から少し離れた、
都市の外側に位置する風景だ。
川沿いに広がる土地。
低く構えた家並み。
人の気配はあるが、
賑わいは前面に出てこない。
この作品には、
都市と自然のあいだにある
穏やかな距離感が描かれている。
川がつくる余白
この絵の主役は、
建物や人物ではなく、
川そのものだ。
水面が大きく取られ、
画面に余白を生んでいる。
その余白があることで、
岸辺の生活や風景が、
無理なく受け止められている。
風景を「境目」として見る
《隅田川関屋の里》を
情景として眺めると、
のどかな川辺の集落に見える。
けれど、
構図として捉えると、
この絵はとても明確だ。
川を境に、
こちらと向こうが分けられている。
都市でもなく、
完全な自然でもない。
その中間にある場所として、
画面が組み立てられている。
再構築で整えたこと
この作品を
現代のデザイン素材として再構築する際には、
川と岸の関係が伝わりやすいよう構図を整理し、
線の情報量を抑え、
余白を活かせる形に整えた。
トリミングやレイアウト変更を行っても、
境界としての印象が
失われにくい構造を意識している。
浮世絵を、余白の素材として使う
浮世絵は、
華やかな名所だけでなく、
境目にある場所も描いてきた。
《隅田川関屋の里》は、
そのことを静かに示している。
過去の川辺の風景を、
いまの制作環境の中で
「余白を持つ素材」として使う。
そのための再構築を、
ここでも行っている。
この作品は、
葛飾北斎の《隅田川関屋の里》をもとに、
現代のデザイン実務で使いやすい素材として
再構築したものです。
▶ BASE 商品ページ
このnoteでは、カメラを持って各地を歩いた記録と、
そこで出会った風景や文化を手がかりに、
浮世絵を現代のデザイン実務で使える素材として
再構築する活動をまとめています。
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