未来のためにできること ―知ってほしいから、私は伝える―
「盲導犬がいるので、ここには入れません」
「盲導犬って、仕事ばかりさせられてかわいそう」
盲導犬ユーザーになってから、私はこんな言葉に何度も傷ついてきました。
盲導犬と一緒だからと利用や活動への参加を断られる。それは、大切なパートナーの存在とともに、私自身まで拒まれているように感じます。
一方で、「自由がなくてかわいそう」「我慢ばかりさせられている」と、まるで私が盲導犬を酷使しているかのように思われることもあります。
私たちはこんなにも盲導犬を愛し、大切に思い、共に幸せな毎日を過ごしているのに。
「どうして分かってくれないの?」
悲しくて、悔しくて、社会が盲導犬のことを知らないからだと、周りを責める気持ちがどんどん大きくなっていきました。
でも、あるときふと気づいたのです。
「じゃあ私は、分かってもらうために何をしてきただろう?」
自分の気持ちも、どうしてほしいのかも、伝えなければ相手には分かりません。それなのに私は、伝えることもせず「分かってほしい」と求めていただけなのかもしれない。
だったら、まずは私から伝えよう。
そう思って行動を変えてみると、少しずつ周りの反応も変わっていきました。
一度は入店を断られても、何に不安や戸惑いを感じているのかを聞き、きちんと説明すると、「それなら大丈夫です」と受け入れてもらえる。
「仕事ばかりでかわいそう」と言われても、「普段はとっても甘えん坊なんですよ。遊ぶことも大好き。お仕事だって、ほら、この顔と尻尾を見てやってください」と話すと、「そうなんですね」と私たちの幸せな毎日を知ってもらえる。
伝えることで、変わることがある。
だから私は、お嬢といろいろな場所へ出かけ、いろいろなことに挑戦します。そこでたくさんの人と出会い、実際の私たちを見てもらう。noteやSNSでも、お嬢と働き、遊び、旅をし、笑って過ごすありのままの日常を発信しています。
知ってほしいなら、待っているだけではなく、まず自分から伝えてみる。
これは、きっと盲導犬だけの話ではありません。
誰かを知ろうとすること。自分のことを伝えようとすること。その小さな歩み寄りが、お互いの「知らない」を減らし、誰もが共に生きられる未来につながっていくのだと思います。
いつか、盲導犬と共に生きることが特別ではなく、当たり前の風景になるように。
今日も私は、お嬢と一緒に未来への一歩を踏み出します。

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