【体験談】世界の「寿司好き」は、ちょっとズレてる?「それ寿司じゃないよ!」と言いたかった話。
寿司好きベジタリアンの謎
ある日のこと。
インド人の同僚アマンが、こんなことを話してきました。
「俺さー、毎晩寿司食べに行ってるんだよね(ドヤ)」
へー……え? いや待てよ。
アマンって根っからのベジタリアンだったよな?
寿司といえば、生魚のオンパレード。
まさか毎晩「かっぱ巻き」だけを食べに行ってるとか…?
それは寿司と言えるのか。
僕の頭の中は「???」でいっぱいになりました。
「一番好きな寿司は?」
気になって聞いてみました。
「寿司屋で、何が一番好きなの?」
すると、返ってきた答えはかっぱ巻きではありませんでした。
「ヤムロール!最高!」
……ヤムロール!?
ヤムロールってなに?
ヤム(Yam)というのは、オレンジ色の甘い芋で、
ざっくり言えばさつまいもの仲間のような存在。
そのヤムを天ぷらにして揚げて、それを「裏巻き」と呼ばれる、
海苔が中・ご飯が外側のスタイルで巻いた寿司ロール。
しかも、甘辛ソースやマヨっぽいものがかかっているバージョンもある。
……僕の心の中ではこう叫んでいました
「いやそれ、寿司じゃねーし」
でももちろん、そんなこと言えません。
彼は僕が日本人だということを意識して、
仲良くなろうとして話してくれているのが伝わったから。
「そうなんだね、覚えておくよ」とだけ笑顔で返しました。
まさかの展開…寿司を教えることに?
数日後、アマンが言いました。
「今度僕のうちで、ヤムロールの作り方教えてよ!」
「え!?うーん」食べたことないのに。
そして結局、僕はヤム・お米・海苔を持って、アマンの家に招かれることになりました。
その日はふたりでヤムを揚げ、ご飯に酢を混ぜ、巻き簀で巻いて…。
人生で初めて「寿司とは何か」を見つめ直す日になりました(笑)
世界の「SUSHI」は、日本の寿司とは違う
この経験を通じて思ったのは、
“寿司”という言葉が世界中で独自に進化しているということ。
アボカド入り(カリフォルニアロール)
フライされた寿司ロール(巻き寿司ごと揚げる)
甘いソース(だいたい照り焼きソース)がけ
クリームチーズ入り(要するにサーモンとクリームチーズ巻き)
ベジタブルロール
これらすべて、海外では立派な「SUSHI」なんです。
一方で僕たち日本人にとっての「寿司」は、
生魚+酢飯という、もっと繊細でシンプルな食文化。
だからこそ、「それは寿司じゃない」と拒絶する(僕は一瞬拒絶しましたが)のではなく、文化の違いとして楽しむ姿勢が、海外ではとても大事なんだと思います。
「違うからこそ、おもしろい」
日本の寿司とはかけ離れているけど、
アマンにとっての寿司は、“特別で大好きな食べ物”。
そして、日本人の僕にとっては、「新しい寿司のカタチ」を知る機会でした。
文化って、こうやって交わることでまた新しくなるんですね。
アマンとヤムロールを作ったあの日、僕はそう実感しました。
