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ストリートアートって何?! 「ストリートアートの進化と革命」展に行ってきました!!

こんにちは。
先日、渋谷ストリームへ「ストリートアートの進化と革命」という一風変わった美術展に行ってきました。

日本では「ストリートアート」は殆どアートとして位置付けられていないような気がします。実際、よく目につくストリートアートに近いものといったら陸橋や道路の壁、そして民家のシャッターなどにスプレーで描かれた暴走族のロゴ?ぐらいです。
ちなみに、こうした落書きは日本でも明らかな犯罪行為であり、法律上、建造物損壊罪(懲役5年以下)、迷惑防止条例違反(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)となります。

それでは、こうした法令違反をしてまでも描かれてきたストリートアートとは一体何なのか。


1. ストリートアートとは、と本展覧会の概要

まずは本展のガイドブックをベースにストリートアートの定義を説明すると以下のようになります。

ストリートアートの起源は1960年代後半のニューヨークと言われており、貧困や治安の悪化など社会不安のなかにあった若者たちが、地下鉄車両や駅構内、ビルの壁などに書き込んだ、「タグ」と呼ばれる自身のサインを記したグラフィティ(落書き)アートが発端となっています。
当初これらの「タグ」は、芸術的な要素は乏しかったものの、彼らの強い願いや反抗心、自己表現を反映していました。その後「タグ」は単純な文字の羅列から複雑な形へと次第に進化し、ライター(タグの描き手)たちはレタリング技術や色の明暗、サイズで個性を競い合うようになりました。
これがグラフィティの誕生であり、落書きという行為から芸術的な表現へと発展する第一歩となりました。

この説明を見ると、ニューヨークやロンドンなどで発生したストリートアートは元々、日本と同じような落書きだったのですね。それがグラフィックの技術を競うようになってアートとして発展してきたということのようです。

さて、本展覧会は、ストリートアートシーンに革命を起こしたバンクシーを中心に、ストリートアートの初期に活躍したアーティストから始まり、コマーシャルギャラリーへと進出したキース・ヘリング、ジャン=ミシェル・バスキア、そして日本人アーティストなど国内外のアーティスト約50名による約100作品を展示しており、国内最大規模のストリートアート展だそうです。

ちなみに、ストリートアートはあくまで都市や街中での壁などに描かれるものですが、本展覧会は室内であるため、何をどうやって展示しているのですか?と展示会関係者に尋ねてみましたところ、以下の答えが返ってきました。

もともとストリートアートを描いてきたストリートアーティストたちが(キャンバスなど通常の形で描いた)アート作品の展覧会です。ということでした。

2. 展示内容の紹介

それでは、実際の展示を順を追っててみましょう。

【ROOM-01 ストリートアートの進化と革命-その原点はグラフィティー】

まず最初のフロアROOM-01を進むと、右側に実際の地下鉄のストリートアートの写真を壁一面に拡大したものがあり、その反対側にアート作品が展示されていました。どの作品も鮮やかな配色で、抽象画のようなものからカトゥーンぽいものまで色々です。また題材もキャンバス以外にポスターやパネル、またスティールを使ったものなど様々なもので描かれ、ダイナミックさと自由を感じさせてくれました。


【ROOM-02 ストリートからアートギャラリーへ】

ROOM2に入ると、有名なジャン=ミシェル・バスキアキース・ヘリングの作品も展示されていました。
このコーナーでは、ストリートアートが伝統的なアート界で認められる、重要な変遷を迎えた時代を展示しています。その現代アートを代表する2人の主要な人物がキース・ヘリングとジャン=ミシェル・バスキアなのです。
この2人についてガイドブックから紹介文があったので説明しておきます。

<キース・ヘリング>
キース・ヘリングはそれまでの自己流のグラフィティやストリートアートを、特定の意識が感じられる独自の芸術様式へと進化させた先駆者とされています。

<ジャン=ミシェル・バスキア>
バスキアは都市文化のエネルギーをカンヴァスに直接表現することで、グラフィティをストリートやその文化の枠から解放して従来の美術館やアートギャラリーでの展示へと道を切り拓きました。


特にキース・ヘリングについて、私は以前、森アーツセンターギャラリーでキース・ヘリング展をしっかりとみてきましたので、その際のレポをつけておきます。
「キース・ヘリング展を観てわかる31歳で亡くなった天才アーティスト」



【ROOM-03 ストリートアートの新世代】

このコーナーではストリートアートの新世代ということで、バンクシーと共に他の現代アーティストとなったオベイ、インベーダー、ゼウス、オスジェメオスなどの作品が展示されています。一つ一つの作品が現代アートとして素晴らしい作品です。こうした数多くのストリートアーティストによって始まったストリートアートは、広く社会に影響を与える現象となり、フェスティバルや展覧会が数多く開かれていきました。


【ROOM-04 ヨーロッパのストリートアート】

このコーナーではアメリカから起こったストリートアートが海を越えてヨーロッパを席巻したことがわかります。ベルリンやパリと行った年を中心にアーティストの作品をみることができました。
特に素晴らしかったのがスイスのアーティストNeverCrewの作品です。
普通にアート作品としても存在感があり、配色も素敵でした。


【ストリートアーティストの七つ道具】

ここで面白いことに、ストリートアーティストの7つ道具が紹介されていました。スプレー缶は最初のうちは主要なツールでしたが、その後ステンシル、ポスター、ステッカー、ペイントブラシ、ローラー、モザイク、インスタレーションなど多様なツールを使用していったことがわかります。


【ROOM-05 ストリートアートの世界に与えた影響-バンクシー効果-】

ここではストリートアーティストの天才、バンクシーの有名な作品が展示されていました。バンクシーはご存知のように、時代を代表するアイコンとなっています。彼の新作が出る(または発見される)たびにメディアを賑わせていますよね。このストリートアートシーンにおけるバンクシー革命は明確な転換点となっていて、バンクシー前とバンクシー後に時代が分かれているほどだそうです。

バンクシーの作品は、どれも独特の感性でメッセージ性も高く、見とれてしまいますが、特に今回の展覧会のタイトルポスターにも採用されているFlying Copperや、そのシリーズでのHappy ChoppersHave a Nice Dayなどの作品は反戦のメッセージもこめられていて、インパクトが大きな作品です。オークションで落札された瞬間にシュレッダーにかけられたGirl with Balloonも展示されていました。


ちなみに、このGirl with Balloonという作品と同じ構図のものがどのくらい複数作成されているのかを調べてみると、Girl with Balloon(赤い風船に手を伸ばす少女)のエディション作品は2004年から2005年の間にシルクスクリーン印刷で、サイン入りが150枚、サインなしが600枚販売されているそうです。
カタログに載っていたGirl with Balloonの写真を見てみると、右下に540/600と書かれていました。つまりサインなしの版の540番が今回の展覧会に展示されていたということですね。

バンクシーの年表は重要なので、以下に記載しておきます。

<BANKSY HISTORY>
1990代初頭、イギリス・ブリストルでグラフィティ活動開始。
1990年代後半から、消費社会、戦争、環境問題、貧困などのテーマを取り上げることが増え、自らのアートを「社会的批判」や「政治的抗議」の手段として利用するようになる。
2001年 「Banging Your Head Against a Brick Wall」を出版
2003年 ベツレヘムの分離壁に「Love is in the Air」を描く
2005年 パレスチナの分離壁に「Balloon Debate」を描く
2006年 ロサンゼルスの倉庫で「Barely Legal」展開催
2010年 ドキュメンタリー映画「Exit Through the Gift Shop」公開
2015年 期間限定のアートインスタレーション「Dismaland」開園
2017年 パレスチナ西岸地区に「The Walled Off Hotel」をオープン
(イスラエル軍によるガザ地区侵攻を受け2023年10月からクローズ)
2018年 サザビーズのオークションで、「Girl with Balloon」が落札された直後にシュレッダーで切り刻まれる。この作品は、「Love is in the Bin」と改題され、2021年に再びサザビーズに出品され、落札額1850万ポンドという新記録を打ち立てた。

【ストリートアートと音楽の強い結びつき】
このバンクシー特集の後に展示されていたのが、音楽との結びつきとして、レコードやCDのジャケットにストリートアートを使ったものです。
ヒップホップのミュージシャンがCDジャケットをストリートアーティストに多く頼んでいるようです。
ブラーのThink Tankというアルバムのジャケットは、なんとバンクシーなんですね。


【ROOM-06 日本への波及】

そして、最後のコーナーが日本人のストリートアート作品の展示でした。
アイト・キタザキ、ジッケンラット、ロームカウチ、スイコなどが日本のストリートアートシーンで活躍しているようです。ここでは、日本人アーティストの作品を私としては初めて見ることができます。



さて、ストリートアートの歴史から始まり、有名なアーティストと作品について見てきましたが、最後にストリートアートに関連するニュースと動向について調べてみました。
こちらは展覧会とは関係ない情報となります。

3. ストリートアートについてのその他の情報

<ストリートアートに関する国内のニュース>

2014年 ストリートアーティストInvaderの描いた鉄腕アトムの壁画がタワレコ近くの渋谷高架下に登場しました。しばらくそのままにされていましたが、2022年渋谷区によってなんと突然撤去(消去)されたそうです。

2019年 ゆりかもめ日の出駅前の防潮堤でバンクシー作品らしきネズミの絵が発見されました。東京都は区民から保存を願う声があったため、その場から絵の部分が取り外され、今は日の出埠頭の船客待合せ所に展示されているそうです。

本展は室内でのストリートアーティストの作品を展示したものでした。
それでは、世界でこのようにストリートアートを常設で展示していたり、施設に描かれたストリートアートを閲覧できるところがないか調べてみました。
すると以下のようでした。

<ストリートアートをアートとして見ることができる場所>
・ オーストラリア メルボルンのレーンウェイ
ホイザー・レーンなど、ストリートアートの聖地と呼ばれるエリアが観光名所

・ オランダ アムステルダムのSTRAAT美術館
ストリートアートとグラフィティ専門の美術館。ベルリンの壁崩壊後はアートが描かれ、ギャラリーとして有名な観光地

・ イギリス ロンドンのリーク・ストリートにあるトンネル
バンクシー・トンネルとして有名なスポット

・ 台湾台中市のレンボービレッジ
グラフィックアートで有名なエリア

・ コロンビアの首都ボゴタ
壁、通り、建物の至る所でグラフィックアートを見ることができる。ここでは自治体からグラフィックアートが認められている。

・ ハワイ、オアフ島
毎年、カカアコ地区で開催されていたウォールアートのイベント、POW! WOW!HAWAIIがWorld Wide Wallsに改称され、カリヒ地区で開催されている。
日本でも以下の地域で町おこしにストリートアートを積極的に誘致?しています。
東京都杉並区高円寺、足立区北千住、千代田区神田
大阪、鳥取県の大山町御来屋
宮崎県石巻市
いずれも商店街などのシャッターや壁、空家などに許可を得たグラフィティを描き、町おこしをしているようです。

今回の展覧会では、室内で楽しむストリートアーティストによるアート作品が展示されていましたが、本来のストリートアートは街自体に描かれるものかと思います。
その意味で、私も行ったことがあるオアフ島のウォールアートのような、本来のストリートアートが合法的に増えてくると、今後、面白いとは思います。どうでしょうか。

それでは。

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