陰謀論に嵌る専門家と『大衆の反逆』
100年近く前にオルテガが『大衆の反逆』で指摘していた「近代の野蛮人」そのもの。
いやこれ、本当に思いますね。ニセ科学を糾弾している元大阪大学の物理学の教授、反ワクチンの危険性を叫んでいる医師、反放射線を罵倒しているジャーナリストがどっぷり反緊縮・財務省陰謀論に嵌っている様は、まあ何というか、騙される人は何であれ騙されるんだなと、思います。 https://t.co/nV3JCRKqPO
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) May 27, 2025
近代化に伴い台頭してきたブルジョアジー(有産階級)の専門家(技師、医者、財政家、教師など)、その中でも特に、科学者こそが狭い世界に閉じこもった大衆人の典型であり、「近代の野蛮人」であると、オルテガは激しく批判しています。#大衆の反逆https://t.co/t1399tbu5R
— 日経BOOKプラス (@nikkeipub) November 26, 2022
事実、これこそが専門家の態度である。政治、芸術、社会慣習、そして自分の専門以外の学問において、彼は原始人のような完全に無知な態度をとるだろう。その際にも、他の専門家たちを認めずに――ここが逆説的なのだが――力強く自信たっぷりの態度なのだ。彼を専門家にするに当たって、文明は彼を自ら閉じこもり、自分の限界内で満足する人間に作り上げてしまった。しかしまさにその自律と自信の内的感覚そのものが、彼を自分の専門領域の外でも支配的位置に立ちたいという願望をもたらすのだ。結果として、彼は有資格の人間の最高点である専門性をもつ者として、つまり大衆化した人間の正反対を代表しながら、生活のほとんどあらゆる局面で無資格の大衆として振る舞うことになるだろう。
以上の指摘は机上の空論ではない。誰でもその気になれば、今日の政治、芸術、宗教、生や世界に関わる全般的な問題において、「科学者」を筆頭に医者、技術者、財界人、教授などがいかに愚かな考えを持ち、判断し、行動しているかをつぶさに観察することができよう。これまで私が大衆の特徴として繰り返し紹介してきたこと、すなわち上位の要請に対して「聞く耳を持たない」、従わないという条件は、まさにこうした中途半端に資格を持っている人間たちにおいて頂点に達している。彼らは現今の大衆の支配を象徴しており、かなりの部分で実際にもそれを構成しているのだ。そして、彼らの野蛮性はヨーロッパの退廃の最も直接の原因である。
強調は引用者
個人的経験から言うと、リフレ政策などmonetary economic絡みではIT系にこのような人が多かった印象がある。
【オルテガ『大衆の反逆』 我々は皆「満足しきったお坊ちゃん」】甘やかされた子供は自制心を欠くので、野蛮人の立ち居振る舞いとなる。そして未来に挑戦する気概を失うようだと、肝心の文明の足元を侵食してしまう。 https://t.co/Y32crWAb2V
— 日経BOOKプラス (@nikkeipub) December 24, 2024
『大衆の反逆』はネット時代、SNS時代の現代を論じたような内容なのが凄い。
余談だが、オルテガは西ヨーロッパ(主にイギリス、フランス)には個人主義が根付いているので赤化されないと論じていたが、これはエマニュエル・トッドの分析と同じ。
