初の単独来日ツアーを行ったJack Gardinerが語る:SNS時代のギタリストの生き方 — インタビュー、ライブ&ギタークリニック レポート
2026年4月、Jack Gardiner (ジャック・ガーディナー)が初の単独来日ツアーを行った。
我々 Prog Project は、ツアー最終日となった東京公演、そしてその翌週の単独インタビュー、さらにはイケシブLIVESで行われたギタークリニックの様子を取材した。
本記事を通じて、インターネット時代における「等身大のギターヒーロー」としてのキャリアを体現するJack のリアルな姿が伝われば幸いだ。
※企画・インタビュー・編集・撮影:Tate
※撮影・協力:Izumi
🎶4/17(金) 東京公演
今回の会場(六本木SCHOOL LIVE & BAR)は、筆者(Tate)も初めて足を運んだが、その名の通り、ライブハウスというより「ライブもできるバー」に近い空間だった。ステージとフロアの段差はほぼ無く、後方からは、ほぼメンバーの姿は見えなかったかもしれない。
しかし、そんな環境をものともせず、極上のサウンドを聴かせてくれたのが今回のツアーメンバーだった。

オーストラリアを回り、日本が最終公演となった
Dirty Loops の Henrik Linder (Ba.)、Rob Araujo (Key)、Porter Bliquez (Dr) という布陣が生み出すアンサンブルは、テクニカルでありながらポップでメロディック、そして踊り出したくなるほどグルーヴィー。
フュージョンをベースとしたインストのライブで、こんなに「楽しい」と感じることは、なかなか無い。
特に印象的だったのが、Jack の笑顔だ。正確無比なプレイを続けながらも、常に嬉しそうに弾いている。その多幸感がそのままフロアに伝染していくようなライブだった。
この日は、ギタリスト Li-sa-X、そしてサックス奏者 ewik の飛び入り参加もあり、豪華なサプライズに、会場の熱量はより一層、跳ね上がった。

Rob Araujo のソロ楽曲タイムも挟み、2時間弱、
至高のアンサンブルを満喫できた
当日の様子は、Prog Project の YouTube 、X、Instagram にも動画をアップしているので、ぜひチェックしてほしい。
Jack Gardiner🎸東京公演の様子
— 【Prog Project】 (@prog_project) April 17, 2026
動画UPもOKとのことなので、おすそわけ⬇️
彼の渋すぎる良い声での日本語MC、
そしてアンコールにプレイされた、日本が誇るフュージョン・バンド、カシオペアの”朝焼け”のカバーです✨
(ステージが低い会場だったので、人の頭の間から何とか撮った感じです…😣) pic.twitter.com/EcsXE89X5r
🎤4/20(月) 単独インタビュー
無事、ツアーも終了した翌週、滞在先のホテルで会った Jack は少し疲れている様子だった。インタビュー後もすぐに移動予定とのことで、やや駆け足での取材となった。
🔸理想のラインナップはどう実現したか
Tate:素晴らしいショウをありがとうございました!
Jack:こちらこそ、本当にありがとう。本当に、本当に楽しかったよ。
Tate:あなたのプレイは非常に正確でテクニカルですが、楽曲がとてもポップでメロディックで、踊り出したくなるほどでした。あなたは演奏中も本当に幸せそうで、こちらまで笑顔になりましたよ。
Jack:それはまさに僕が目指していたことのすべてだよ!本当にありがとう!ミッション完了だね!
Tate:バンドメンバーにも非常に感銘を受けました。今回のラインナップはどのように実現したのですか?あなたは以前「ドリーム・ラインナップ」とおっしゃっていましたが、スケジュールの調整など、大変だったのではないでしょうか。
Jack:そこが難しかったところだよ。世界中で心から愛しているベーシストが2人いることはずっとわかっていて。もちろん他にも素晴らしいベーシストはたくさんいるけど、親友の一人であり、ずっと僕のヒーローであり続けているのが Henrik Linder なんだ。数年前に僕を Dirty Loops に夢中にさせ、ベース・プレイ、スラップ・テクニック、そして即興演奏の能力…。彼はまさに理想だった。そしてもう一人は弟分のような Riccardo(前回、Jack & Owane として来日時に帯同していた Riccardo Oliva のこと)。Henrik がイエスと言ってくれた瞬間、「よし、彼を中心にすべてを組み立てなければ。彼が一番重要なメンバーだ」って確信したんだ。

今回の一番の見どころだったと言える
Jack:キーボード奏者とドラマーを見つけるのは、さらに難しかった。スケジュールの問題もあって、ツアーのブッキング自体、開始直前まで決まっていなかったしね。
グルーヴ感があって、必要に応じて即興もできる人は誰か?って、文字通り、何十人もの候補を検討したんだ。その中で Porter の名前が出たとき、「待てよ、彼は若い。高校生の頃に僕の曲のカバーを弾いていたじゃないか」って思い出した。彼はツアー経験がないので「もしかしたらリスクかもしれない」と言っていたけど、ロサンゼルスで実際に演奏を聴いて、「いや、この人はいける。素晴らしい若手ミュージシャンだ」って確信したよ。
※筆者注:Porter はまだ21歳で、今回が彼にとって人生初のツアー参加だと知り、かなり驚いた。その一端は、↓の動画からも伝わるはずだ。
Jack:キーボード奏者は、スケジュールの問題で、何人か試みたものの、タイミングが合わなくてね。すると Porter が「Rob Araujo を知ってる?」って言ったんだ。「彼は僕の大好きなミュージシャンの一人だよ、いつも音楽を聴いているくらい。本当に彼が興味を持ってくれると思う?」って聞いたら、1日もしないうちに Rob から連絡が来て、「やろう」って。
そこで Rob にはキーボード奏者としてだけでなく、ミュージック・ディレクターとしても参加してもらったんだ。彼がすべてを仕切ってくれた。

など、盛り上げ役を担っていた Rob
Jack:これ以上のラインナップは望めなかったよ。全員が非常に高いレベルにあって、それぞれ固有の個性を持っている。
でも、うまく噛み合うかどうかは、やってみなければわからないじゃない?スタイルも、バックグラウンドも、文化も、まったく違うから。
Henrik はとても物静かだけど、Rob はとても、とても賑やかなんだよね。
Tate:それはステージを見ていても伝わってきましたよ。彼の日本語も最高でした!
Jack:彼が言っていること、ちゃんとわかった?大丈夫だった?(笑)
Tate:はい(笑)
Jack:それは良かった!僕と Henrik はとても静かで控えめだから、Rob がいてくれると、エネルギーが下がりそうになっても、いつも全体を引き上げてくれるんだ。特に過酷なスケジュールの中ではね。
初めて全員で集まったとき、みんな笑顔だった。「よし、いける、これは楽しいギグになる」って感じたよ。
Tate:今回は Owane が日本に来ませんでしたが、あなたのPVを見ると、いつもどこかに彼が登場していますよね。
Jack:最初の数本のPVをリリースした頃、「Owane はどこ?」っていうコメントをずっと目にしていてね。"Taxman" のビデオを作るとき、彼もゲスト参加したがっていたから、PVに出ることは決まっていた。それで「他のPVにも彼を登場させるにはどうすれば?」って考えたんだ。
Jack:"Fanboy" では Owane がキーボードを弾くフリをして座っていたり、"The Snow Job" にも登場するよ。「遊びに来てよ、何とかして君を出演させる方法を見つけるから」って言ったんだ。
彼は僕の兄弟のような存在で、親友なんだよね。プロダクション、ミキシング、マスタリングなど、非常に大きな役割を果たしていて、サウンドの鍵を握っている。僕にとって Owane と Dirty Loops は、絶対的に愛している存在だよ。Owane がいなかったら、最終的な作品は今のようにはならなかった。だから、彼が単なる裏方ではないことを皆に見せたかったんだ。
ただ、彼は必ずしもツアーが好きというわけではなくてね。彼はもちろん今も音楽を愛しているよ。将来、単発のギグがあればやりたいとは言ってくれているけど、今はツアーに出たくないというだけなんだ。
🔸SNSとコラボレーションについて
Tate:あなたは世界中の素晴らしいミュージシャンと繋がっていますが、そうした関係はどのように始まるのですか?やはりSNSでしょうか?
Jack:それが一番大きい部分だね。Henrik との出会いもそうで、ある日 Instagram でメッセージを送って "U.T.F.F" で弾いてくれないかと頼んだら、「やろう」って返事が来た。Neural DSP(※筆者注:実機のアンプと遜色ないリアルな質感を再現し、現代のギターサウンドに革命を起こしたフィンランド発のソフトウェア・メーカー)のような企業を通じた繋がりもあって、Henrik と Cory Wong と一緒に "Matterhorn" という曲を実現させてもらったんだ。それで Cory とも親しくなった。
Jack:Matteo Mancuso とも、何年も Instagram で、ときどきやりとりする関係だったけど、Riccardo と Owane のヨーロッパ・ツアーで演奏していたとき、Matteo がライブに来てくれて、Gianluca(Matteo のバンドのドラマーを務める Gianluca Pellerito のこと)にも会えた。
SNSの存在が非常に大きいのは確かだけど、やはり直接会うことも大事だと思う。演奏だけでなく、人柄も愛せるような人と一緒にやりたいと、いつも思っているから。
Tate:実は私、ハンス・ジマーの来日公演 を観るまで、村中麻里子 さんのことも知らなかったんですよ。ewik さんのこともまったく知りませんでした。
Jack:Mariko は素晴らしいよ。ewik もね。彼は巧すぎる。Brecker Brothers を思い出させるような、狂気的なレベルのフレージングを持っているんだ。東京公演でゲストを考えていたとき、Li-sa-X のような素晴らしいギタリストもいるけど、何か違うものを、と思って彼が完璧だと思ったんだよね。将来、ewik と一緒に曲を作るかもしれない。
Tate:日本のミュージシャンは、まだ多くの人が日本語だけで発信していて、英語でのコミュニケーションがあまり得意ではありません。やはり英語でのコミュニケーションは、コラボレーションにおいて大きな違いを生むのでしょうか?
Jack:そう思うよ。一緒に何かやりたいと思う日本のミュージシャンはたくさんいるんだけど、コミュニケーションの問題があって、通訳が必要なこともある。Li-sa-X も以前は通訳が必要だったけど、今は英語が格段に上手くなった。これはむしろ、僕が日本語を学ばなければならないというサインかもしれないね。将来のために勉強しないと。
Tate:SNSで、英語で発信することも重要ですよね?
Jack:国際的な観客のためには、そうだね。ただ、多くの西洋のミュージシャンは、日本のミュージシャンに対して深い敬意を持っているよ。たとえ共通言語がなくても、音楽を通じて会話しているんだ。それがすべてで、言葉が通じなくても、笑顔で通じ合えるのがわかるから。
🔸ギタリストのキャリア、収入ポートフォリオと「リスク」
Tate:最近、新しいタイプのギターヒーローが現れていると感じます。あなたや Cory Wong のように、テクニカルで、頻繁にコラボレーションし、インターネットで繋がっている。以前はバンドのメンバーであることが普通でしたが、最近はソロで活動する人が増えていますよね。
Jack:そこが面白いところだと思う。インターネットのおかげで、ソロ・ギタリストが自分自身のオーディエンスを作れるようになったんだよね。
以前は、オーディエンスを獲得するにはバンドに入る必要があった。インストゥルメンタル・ミュージックを聴いてもらうには、レコード会社や大規模なプロモーションが必要だったけど、今は自分たちでそれができる。
これは諸刃の剣でもあるんだ。バンドに入りたいと思うこともあるけど、そうすると自分が本当に愛していることをやる時間がなくなってしまう。
インターネットのおかげで実験ができるし、リスクも取れる。一つ失敗しても、次にまた別のことをやればいい。

次回はぜひお願いしたい
Jack:ただ、ビデオを作ってオンラインに上げて、コメントを見て感謝していても、実際にライブに出て「そこに本物の人間がいる」とわかったときの衝撃はすごいよね。SNSで見ているだけでは測りきれないものがある。
以前の世代は、まるでロックスターみたいに距離があったけど、僕たちの世代はファンと直接話して、意見や提案に耳を傾けることができる。そうした深い繋がりを築けることが、僕は大好きなんだ。
Tate:ストリーミング時代、バンドよりもソロで活動する方が効率的な面もありますよね。セッション・ワークや誰かのための作曲の方が経済的には安定しやすいとも思います。
Jack:その通りだね。
Tate:あなたは今回の単独ツアーを「リスク」と表現されていましたが、今日のギタリストにとって、収入の健全なポートフォリオはどう設計すべきだと思いますか?
Jack:経済的に安定するためには、英語で言う「finger in so many pies」、つまり無数の異なる収入源を持って、それが積み重なって安定した収入になるようにする必要があるんだ。一つだけに頼ることはできないし、状況はすぐに変わるから。
僕の場合は、Neural DSP や Ibanez といった企業のためのビデオ制作、機材のデモ、クリニック、マスタークラス、オンラインでのレッスン販売が主な柱だね。動画でマスタークラスを制作して、自分のWebサイトから購入できるようにしている。今回のツアーを機にグッズ販売も始めたし、セッション・ワーク、ビデオゲームの仕事、ゲスト・ソロ、作曲やアレンジ、プロデュースの補助など…、これらすべてを組み合わせて、最終的に収入になることを願うしかない。
ギグやツアーは完全なリスクだよ。今回は経費が非常に多くかかったけど、黒字になったのは幸運だった。もっと早くからプロモーションをしていれば…という学びもあったけどね。こうしたすべての収入源がなかったら、生き残れなかったと思う。
Jack:これからこの世界に入りたい人へのアドバイスは、今は「マルチタスカー」である必要があるということ。自分のビデオを自分で作れるようになり、ある程度、自分でプロデュースでき、映像編集の仕組みを理解する必要がある。演奏する時間が減ってしまうのは悲しいことだけど、それが現代のやり方なんだよね。自分のキャリアを作れる反面、実際に演奏する時間は減ってしまう…、まさに諸刃の剣だよ。
Tate:あなたは、ほとんどすべてのタスクを自分でこなしているんですね。
Jack:そうだよ。
Tate:多くのギタリストがそこで苦労していると思います…。
Jack:僕もメールの対応は本当に苦手で、時間が全然足りなくて。何にでも「イエス」と言ってしまう癖があって、後から「これを全部1週間で、どうやってこなせばいいんだ?」ってなってしまう。でも、常に忙しくしているのも楽しいんだよね。休みがあると、かえって落ち着かなくて「何かやらなきゃ」って思ってしまう。それが現代のスタイルだね。
Tate:ビジネス面も、ご自身でコントロールされているんですね。
Jack:そうだね。大変だけど、学ばせてもらっているよ。初めて単独ツアーをやって、物事がどう機能しているかを学んでいる。以前はただのセッション・ギタリストだったから、報酬をもらって帰るだけで、他のことを考える必要がなかった。でも今は、舞台裏に非常に多くのビジネス的なレイヤーが存在していることがわかるんだよね。
🔸初の単独ツアーを終えて
Tate:このツアーを終えて、学んだことや発見したことを教えてください。
Jack:「6週間にわたって毎晩4時間睡眠という生活は二度としたくない」、それが学んだことだよ。楽しかったけど、身体はボロボロだ。メンバー全員が同じことを言っていた。
タイムゾーンが常に変わって、会場を出るのが午前1時、ロビー集合が午前4時ということもあって。3時間睡眠で翌日も同じことが続く。7週間で休みが2日しかないときもあった。次は同じことはやりたくないな。
週に一度でいいから、移動も長距離フライトもない、ゆっくり身体を休めて次のショウに備えられる日が欲しい。
疲れ果てて、ファンのためにエネルギーを出し切るのが「戦い」のような日もあった。Rob がいつもエネルギーを引き上げてくれたから助かったけど、本当にきつかったよ。その土地や場所を楽しみたくても時間がない、と皆で悲しくなることも何度もあったし。
あとはロジスティクスの学びもあった。グッズを各地でどう調達するか、とかね。日本ではうまくいったけど、他の場所では、持ち運びがカオスになってしまってね。

熱心に語ってくれた Jack。
彼の「経営目線」は、すべての DIY ミュージシャンの参考になりそうだ
🔸J-フュージョンと観客層
Tate:最近、日本のシティポップやフュージョンが世界的に再評価されていますよね。高中 正義が若い世代に非常に人気があることに驚きました。日本では、フュージョンは、年配の世代のための音楽というイメージがありますが、アジア各国で、客層や反応に違いはありましたか?
Jack:今回のツアーで気づいたのは、観客の大部分が24歳~35歳ぐらいだったということ。年配の方ももちろんいたけど、主に若い人たちで、男女両方いたのが印象的だったよ。「ギターを弾く男たち」だけじゃなかった。Dirty Loops が好きな人や Rob の音楽が好きな人がいたからかもしれないね。
インドでは450人ほど集まったけど、40歳以上は3人ぐらいしかいなくて、あとは20代前半から35歳ぐらいの若者だった。本当にクールだよ。
日本でもこうなってほしいと思う。東京公演でも、前の方は年配の方が多かったような気がするけど、後ろの方には若いプレイヤーもたくさんいて、嬉しかったな。そうやって盛り上がってくれるといいよね。
Tate:聞きたいことはまだたくさんあるのですが、時間が限られてきました。最後に、次回、日本でやりたいことを教えてください。会場、共演者、音楽的な方向性など。
Jack:次はもっと大きな会場で演奏したいね。BLUE NOTE や Billboard のような会場も好きだけど、僕の中ではとても「ジャズ」なイメージで。皆がスタンディングでパーティーのように楽しめる会場の方が好きかな。BLUE NOTE やBillboard なら、それ用のセットを別に作る必要があるよね。
Jack:あとは Henrik たちをまた連れてきたい。もし都合がつかなければ、Riccardo と Gianluca Pellerito、僕の2人のイタリア人の兄弟を連れてきたいな。彼らのことが大好きなんだ。
コラボレーションとしては、親友の一人であるギタリストの Yas Nomura もいるし、Juna Serita も素晴らしいと思う。
そして夢を言うなら… CASIOPEA のメンバーの誰かと。神保 彰 さんや 櫻井 哲夫 さんとプレイできたら、天国のような気分だろうね。夢が大きすぎるかもしれないけど。
Tate:ぜひ実現させましょう!
Jack:ぜひお願いしたいよ、本当に!
Taxman live in Roppongi 🇯🇵
— Jack Gardiner (@Jack_G_Guitar) May 3, 2026
日本、本当にありがとう。地球上で私の大好きな国でのライブで、こんなにたくさんの皆さんにお会いできて本当に嬉しかったです! 💙
Jack Gardiner - Guitar
Henrik Linder - Bass
Rob Araujo - Keys
Porter Bliquez - Drums pic.twitter.com/K5RUTDnkxS
🎸4/26(日) ギタークリニック
ツアー終了後、2週間ほど日本に滞在していた彼だが、音楽専門学校でのレクチャー、ビデオ撮影、ファンミーティング等々、さまざまな場所に顔を出し、連日、精力的に仕事をこなしていたようだ。
そして 渋谷イケシブLIVES にて行われた IKEBE×Ibanez presents “Jack Gardiner Guitar Clinic & Demonstration”。

男性ばかりで、女性はほぼ見かけなかった
異なる価格帯の Ibanez AZシリーズ を、メーカー担当者による仕様・特徴の解説付きで、次々と弾き比べていく Jack。筆者はギターや機材のことはまったく詳しくないが、どのギターを弾いても、即座に「彼の音」が奏でられるのは流石だなと唸ってしまった。
新作『Kintsugi』からの楽曲を中心に、バッキングトラックと共に6曲も披露し、参加者から事前に寄せられた質問にも丁寧に答えていく Jack。その中でも語られたのが、インタビューでは深く掘り下げられなかった、日本の音楽への深い造詣だ。「"朝焼け" のフレーズをリファレンスにして "Shibuya Meltdown" を作った」という発言には、CASIOPEA への愛が改めて感じられた。
「西洋の音楽がハーモニーを基盤とするのに対し、日本のメロディは独特で、冒険している感じがする」と語っていた Jack。やはり、このあたり、次に彼に話を訊く機会があれば、もっと深く掘り下げたい。
そうして充実した内容が2時間にわたって続き、しかも無料。最後は来場者全員に彼のギターピックを一人ずつ配ってまわる Jack の姿を見つめながら、次回はもっと大きな会場で、ぜひ J-フュージョンの元祖となった大御所たちとも共演してほしいと強く思った。

📝最後に
かつて「ギターヒーロー」は、遠い存在だった。
だが今は SNS でミュージシャン同士が繋がり、DM をキッカケにコラボが実現してしまう時代。
インタビューでも、次々とさまざまなミュージシャンの名前が挙がっていたが、Jack の行動力とコミュニケーションスキルの高さには改めて感心した。
ファンとも積極的に交流し、直接、彼らの声に耳を傾け、活動の進捗も、随時 SNS で発信する。
経営的な目線を持ち、ビジネスも自分で担う。
この現実感こそが、現代を生きるギタリストの魅力なのかもしれない。
だからこそ若い世代が共鳴しているのだろう。
ギタークリニック会場にはミュージシャンの姿もあり、Jack を取り巻く、企業(Ibanez、Neural DSP)、楽器店(IKEBE)、ミュージシャン、そしてファンという四者が循環するエコシステムも間近で見ることができた。Jack がインタビューで語っていた、「ロックスター」ではない「等身大のギターヒーロー」の姿を実感した気がした。
Jack のインタビューは動画でも公開予定のため、編集が終わるまで、もうしばらくお待ちいただきたい。
文中にも彼の新作『Kintsugi』からのPVをたくさん貼っておいたが、本当に素晴らしい作品なので、まだの方はぜひ一聴してみてほしい。
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