【オルカン投資vs子孫繁栄投資】人生最強の投資先
若いうちからコツコツと資産を貯め、老後に向けて2000万円以上の金融資産を確保しておく。
果たして、そんな人生が本当に「正しい」のだろうか。
お金は使わなければ、使い方が身につかない。使い道がないまま抱え込んでも、結局は子供や孫のために残すことになる。
しかし、いざ自分が寿命を迎え相続する際、子供の年齢はおよそ50代〜60代。その年齢になれば、子供だけでなく孫も独立している頃だろう。そんな時期に、親のお金が本当に必要になるだろうか。
おまけに、多額の資産を残しても、かなりの額が相続税によって国に持っていかれる。
はっきり言って、使わないお金をただ貯め込んでおくことに大きな意味はない。
それは、画面上の数字が増えるのを見て喜ぶ「資産形成というゲームに人生をかけている廃課金者」に過ぎない。
もちろん、資産はあるに越したことはない。しかし、ただの数字の羅列よりも、はるかに価値がある「最強の投資商品」をお勧めしたい。
それは「家族」、つまり自分の子供だ。
月23万円をオルカンに突っ込むなら、子供4人育てた方がいい
「子供を産むとお金がかかる」と思い込んでいる人は多いが、本当にそうだろうか。
私立大学に通わせたり、下宿生活をさせたりしなければ、子供にかかるコストは劇的に下げられる。広めの家に住む家賃増加分を加味しても、今は国の補助金が充実しているため、実質的な子育て費用は、仮に東京23区(月30万円の4LDK賃貸)に住んだとしても、「子供1人あたり1500万円程度(家賃がなければ750万円程度)」に収まる。
これを22年間で割ってみてほしい。
1500万円 ÷(22年 × 12か月)= 子供1人あたり月額約5.7万円の「サブスクリプション」だ。
東京23区で4人育てても月に約23万円なのである。
今、世の中の多くの夫婦が、将来不安から毎月20万円以上のお金を「オルカン(全世界株式)」などのインデックスファンドに突っ込んでいるだろう。
見ず知らずの全世界の株に投資して画面の数字を増やすくらいなら、そのお金を「自分の子供を4人育てること」に投資したほうが、よほど豊かでリターンが大きいのではないか。
「質の高い教育」への執着と、兄弟という最大の資産
もちろん、「子供には高度な教育環境を用意してやりたい」という親心はわかる。自分が私立の小中学校出身だったから、子供にも自分より良い教育を受けさせたいと思うのは自然なことだ。
ただ、忘れてはならないのは、子供の教育は「学校」だけではないということだ。
子供は、年間の半分以上の時間を学校の外で過ごす。
そんなとき、子供にとって「兄弟が多い」という環境は、何物にも代えがたい強烈なアドバンテージになる。一人っ子と、4人兄弟で揉まれて育った子供。日々のコミュニケーション能力や利害の調整能力など、生きていく上で必須のスキルにおいて、後者が圧倒的に優れるのは容易に想像がつくはずだ。実際に兄弟が多い子ほど大人になった際の離婚率が低くなるという研究もある(※2)。
さらに、現在の国の制度も「3人以上」産むことを強烈にバックアップしている(扶養する子供が3人以上いれば大学等の授業料が実質無償化されるなど)。
4人の出産とキャリアのリアル
女性としては、「4人も子供を産んだら自分のキャリアが……」と不安になる方もいるだろう。
もちろん、その影響はゼロではない。
だが、残酷な現実を言えば、4人産むことによって生じる「3〜10年のキャリアのブランク」が致命傷になるのは、社長や役員など「超重役のポスト」を本気で狙っているごく一部の人だけだ。
大半の社会人にとっては、3〜10年のブランクなど長い人生で見れば単なる「誤差」に過ぎない。その期間を子供を育てることに使って「有意義だった」と心から思える人のほうが圧倒的に多いはずだ。
むしろ、「たくさんの子供を養わなければならない」という強い義務感が、仕事を続ける強力なモチベーションにもなる。現在でも第1子出産後に約3割の女性が仕事を辞めており、依然として育児とキャリアの壁に直面し、離脱を余儀なくされる現実は多い。だからこそ、守るべき子供の存在が、キャリアを諦めないための太い「芯」になり得るのだ。
そう考えれば、子供を多く産んでおくこと(多く生んでおこうと思う気持ち)自体が、自分の人生への強烈な投資になるのだ。
「孫に会えないリスク」をゼロにする
子供が多いことのメリットはそれだけではない。
それは、将来自分が「孫に出会える確率」が飛躍的に上がるということだ。
晩婚化・独身化がこれだけ進む現代、子供が1〜2人では「生涯独身を貫く」可能性もあり、孫の顔を見られずに生涯を終える人たちが今後大量に出てくるだろう。
しかし、子供が4人いれば、その確率(リスク)はかなり下がる。
豊かな老後を考えたとき、これもまた見逃せない大きなメリットだ。
結論:社会の代わりはいくらでもいるが、家族の代わりはいない
会社や社会の中で、自分の代わりなんていくらでもいる。自分が抜けても、組織は明日から普通に回る。
しかし、家族の中では、自分の代わりはいない。
「老後2000万円問題」に踊らされ、使わないお金をコツコツ貯め続けるだけのゲームに課金するのではなく、自分にしかできない「家族」という世界を広げることに投資する。それこそが、一番確実で、一番人生を豊かにする投資戦略なのだろう。
【補足】実質的な子育て費用を激減させる国の補助金(エビデンス)
出産育児一時金(子ども1人につき50万円)
厚生労働省:出産育児一時金の支給額・制度について児童手当の抜本拡充(第3子以降は月額3万円に倍増)
こども家庭庁:児童手当制度のご案内高等学校等就学支援金(高校の授業料実質無償化)
文部科学省:高校生等への修学支援多子世帯の大学無償化(令和7年度〜/3人以上扶養で授業料・入学金減免)
文部科学省:高等教育の修学支援新制度※1 第1子出産前後の女性の就業継続率(約70%へと上昇)
国立社会保障・人口問題研究所:第16回出生動向基本調査※2 兄弟の数と社会性・利害調整能力(人間関係スキル)について
社会学において「兄弟の数が多いほど、葛藤解決や交渉スキルの訓練の場になる」ことが指摘されている。例えば米オハイオ州立大学(ダグラス・ダウニー教授ら)の大規模調査では、兄弟の数が多いほど成人後の離婚率が有意に下がる(兄弟1人につき約3%低下)ことが判明しており、長期的な人間関係の維持・調整能力に好影響を与えることが示唆されている。
The Ohio State University:More Siblings Means Less Chance of Divorce as Adult
また構造的にも、2人兄弟の対人関係(組み合わせ)が「1通り」であるのに対し、4人兄弟では「6通り」に跳ね上がるため、家庭内で多角的な利害調整に揉まれる経験値には数学的にも圧倒的な差が生じる。
