銀紙頭に巻くの夜その13byクソカワクズピコ
キントーンに暴力を振るっているのを市民に110番通報されて即座にキントーンに乗って逃げたジョバンネルラ。
「かなり遠くに逃げ延びたなあ。ここは南の地域だ。キントーン、おりてくれ。」
さっきまでボコボコに殴られていたキントーンだったが、ジョバンネルラの言うことをきく脳みそと身体しかなく、元は雲であり、今も本当は雲だ。
「承知しました。」
キントーンは空き地にジョバンネルラを下ろした。もう昼になっていた。ジョバンネルラは移動中キントーンの中で熟睡し小便もした。
キントーンはそんなジョバンネルラに抵抗一つしなかった。
「ここどこだ?」
とある都市の駅前のようだ
駅舎の建物にペテン駅と書かれている。
「ペテン市か」ジョバンネルラは呟いた。
駅前で騒がしい光景に出くわす。
頭にバンダナを巻いた老人が拡声器で「日本は危ないんだ!」と叫んでいる。
「今の現行政府では戦争がおきる!」
「そうだ!そうだ!」
周りで叫んでいる、ジョバンネルラと同じ世代の中年の女性がいた。
彼女は奇妙な格好をして踊りを踊りながら老人と一緒になって街宣をしているようだった。
アフリカの部族のような、布を体に巻き付けただけの格好をしている。木の実で作られたアクセサリーを身に着けており、踊りを踊るとそれがカチャカチャ鳴った。
しかし髪型は普通にセミロングの、ジョバンネルラよりもやや背が高い細身の女性だった。
奇妙なので通りすがりの人々は、一旦足を止めるも内容を聞くと、また忙しなく歩き去るのであった。
そんな中でも熱心に聞いている左翼集団が数人いた。皆高齢者だった。
「戦争反対ー!武器に税金を使うな!九条守れー!」
女は叫んで、踊った。
女の踊りは適当に体を動かしているだけのように見えた。
ジョバンネルラは女の尻ばかり見ていた。
キントーンはのどが渇いたと行って、公園の水飲み場で水を飲むといい、ジョバンネルラと別れ、歩き出そうとしたその時。
ジョバンネルラはキントーンを呼び止め、200円渡してこう言った。
「行く前に俺にエナドリ買ってきてくれよ。絶対領収書もらってきてくれ。貰わないと殺す。」
ジョバンネルラは現在無職だ。領収書を提出するところはない。しかしいつかなにかに利用するために領収書を受け取っている、それだけなのだ。
次章に、つづく。
