コーラの瓶とラムネの瓶、そして波の音。|シロクマ文芸部🐻❄️エッセイ
波の音と、心地よい揺れで目が覚める。
そうだ……ここは海の上。
コーラルシー(Coral Sea)のホルムズリーフ(Holmes Reef)へ向かうダイビングトリップ船、「TAKAⅢ」の中だった。
1995年、私はワーキングホリデーでオーストラリアに1年滞在をしていて、その間に、ケアンズから3泊4日のトリップ船に一人で乗った。
初めてのダイビングトリップ船で、初めての外洋、しかも一人。
現地で申し込んだので説明は全部英語だったけど、オーストラリアでの滞在も既に8ヶ月目に入っていたので、特に不自由はなかった。
恥ずかしさを捨てれば、単語を並べるだけで会話は通じるし、あとは勢いでどうにかなる。
トリップ初日の夕方。
ケアンズの桟橋からTAKAⅢに乗船して、夜の海へと出港した。ホルムズリーフまでは、夜通し進んで10~12時間ほどだという。
一晩中続いた、今まで経験したことのないような、上がってはドスンと落ちる船の揺れ。盛大にリバース(笑)
あまりの揺れに「無事に着くのかな」と、少し不安になる。
それでも、いつしか眠りに落ちていたらしく、目覚めたら船はポイントに到着していて、アンカーが下ろされていた。
食事とブリーフィングを終える。
デッキに出ると、180度見渡す限りの海。
あらためて、ここは海のど真ん中なんだと実感する。
ドロップオフに潜れば、初めて体験する40mの透明度。
ドリフトダイビングで流れていくその先はどこまでも青く、そして、足元もどこまでも青く、暗い。
オープンウォーターのライセンスは伊豆の海洋公園で取ったので、日本では海洋公園付近を中心に潜っていた。唯一経験したドリフトダイビングは、伊豆の神子元島。
どちらもダイナミックではあるけれど、海の青さが全く違う。
神子元島の、海の中から見上げた海の色は、昔のコカ・コーラの瓶から覗いたような、少しグリーンがかったような色。
ホルムズリーフの海の中は、ラムネの瓶から覗いたような薄いブルー、そして濃いブルーへのグラデーション。
映像でしか見たことのないような青い海の色に、私は圧倒された。
今はダイビングから遠のいてしまって、もう潜ることはないと思うけれど……あれから30年以上経っても、あの海の美しさは今でも忘れない。
そして、1日4本潜るというダイビング三昧のスケジュールと、悪夢のような船の揺れも、忘れていない(笑)
ホルムズリーフ(Holmes Reef)は、オーストラリア・ケアンズの東約280kmの外洋(珊瑚海)に浮かぶ、手付かずの自然が残るダイビングの秘境です。
透明度抜群のドロップオフや巨大な根、回遊魚やサメとの遭遇が楽しめる、上級者向けの遠征クルーズ限定スポットとなっています。


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