【映画融合】痴漢冤罪で人生が終わった男が、最後に知った“たった一つの真実” ──誘拐犯だけが、僕を信じていた。
【映画融合】
・八日目の蝉
・それでも僕はやっていない
のふたつを融合させた記事です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
満員電車で人生は壊れる。
たった一人の「この人です」という声で。
そして一度壊れた人生は、
ほとんどの場合、二度と元には戻らない。
僕はそれを、身をもって知った。
八日目の証言
満員電車の中で、人生は一秒で終わる。
そのことを
真壁陽太は知らなかった。
28歳。
IT会社の社員。
目立たない男。
それが彼の人生の戦略だった。
なぜなら彼は、
一度人生を壊されたことがあるからだ。
僕は誘拐された子供だった
4歳までの母親は
藤原希和子という女だった。
しかし彼女は
本当の母親ではない。
父の愛人だった。
そしてある日、
生後6ヶ月の僕を連れて逃げた。
誘拐。
新聞にも載った事件。
4年後、捕まった。
僕は実の両親の元へ戻された。
でも僕の記憶の中で
母親は一人しかいない。
海辺の町。
小さなアパート。
夏の夜。
蝉の声。
そして
希和子の笑顔。
社会はそれをこう呼ぶ。
誘拐犯。
満員電車
その日も
いつもの通勤電車だった。
揺れた。
その瞬間。
女の声。
「この人、触りました!」
世界が止まる。
「この人、痴漢です!」
視線が集まる。
駅員が来る。
「降りてください」
僕は言う。
「やってません」
駅員は言う。
「とりあえず降りてください」
これが
僕の人生が終わった瞬間だった。
裁判
証拠はない。
ただ
証言
だけ。
でもそれで十分だった。
検察は言う。
「被告人には特殊な家庭環境があります」
スクリーンに出る記事。
誘拐事件の被害児童
ざわめく法廷。
僕は理解する。
人は
ストーリーを信じる。
誘拐された子供
歪んだ人格
痴漢
それだけで
物語は完成する。
手紙
裁判中。
一通の手紙が届いた。
差出人。
藤原希和子
僕の手が震える。
陽太へ
あなたを連れて逃げたことは罪です でも
あなたを愛していたのは本当です 世界があなたを信じなくても 私は信じています
最後の一行。
八日目の蝉でも
生きていていい
僕は泣いた。
判決
「被告人を」
沈黙。
「懲役6ヶ月
執行猶予2年」
有罪。
つまり
前科者。
半年後
仕事はない。
履歴書は落ちる。
テレビでは
別の痴漢冤罪ニュース。
女性が謝罪している。
「嘘でした」
でも
それは僕の事件じゃない。
その瞬間
僕は理解した。
この社会は
真実で動いていない。
処理。
警察は逮捕する。
検察は起訴する。
裁判所は判決を出す。
それだけ。
最後
夏。
海。
蝉。
僕は海を見ている。
子供の頃の記憶。
逃亡生活。
母の笑顔。
僕はつぶやく。
「お母さん」
そして笑う。
そのとき
ポケットのスマホが震える。
通知。
ニュース速報。
「痴漢冤罪事件、真犯人が自首」
僕の事件だった。
でも
もう判決は終わっている。
再審?
弁護士は言った。
「難しい」
世界は変わらない。
蝉が鳴く。
僕は空を見上げる。
そして思う。
もし
八日目まで生きる蝉がいたら
それは
奇跡じゃない。
ただ
長く苦しむだけだ。
終。
#小説
#短編小説
#創作
#鳥肌小説
#どんでん返し
#社会派小説
#痴漢冤罪
#冤罪
#日本の司法
#ヒューマンドラマ
#読書好き
#ストーリー
#心理描写
#文学
#社会問題
#人間ドラマ
#人生
#切ない物語
#考えさせられる
#後味が悪い
#リアルな物語
#フィクション
#短編
#読み物
#心に刺さる
#社会の闇
#法廷ドラマ
#感情を揺さぶる
#文学好き
#note創作
