モンゴルの空は果てしなく広かった ➉
2024/Jul./15 MON.
亀の形をした巨石・亀石の登頂にチャレンジ
夜中、雨が降った。ゲルの屋根を叩く雨粒の音は結構響くものだ。
再び寝たが、天窓が明るくなったため、まだ眠いのに6:00に起きてしまった。そこでトイレに向かう。レストラン棟までの半分の距離の所にトイレ棟があるのだが、予想どおりここにはトイレットペーパーは置いてないので、マイ・ペーパーを持って来て正解。一応、便座付きの洋式トイレではあるが、洗面台の蛇口をひねっても水が出ない。見た感じ水道が通っているわけではなく、上部にタンクがあり水を溜めて使う方式で、それが切れているだけなのだろう。仕方なく、これまた持ってきているウェットティシュで手を拭く。

ベッドの上でダラダラ過ごしていたが、7:30に行動開始。着替えをし、ちょっと散歩。上空には青空の欠片はあるがほとんどが曇り空である。このキャンプには泊まっている人は少ない様で、隣のゲル以外に客らしき人は見かけない。ゲルの周りには小道が張り巡らされているが、その間の緑地には、カラフルな高山植物がいっぱい咲いていて、まるでお花畑の様。
この辺りには岩山の岩肌が至る所に見えるが、やはり特異なのはこのキャンプの目の前にある亀石。辺りが広大過ぎてサイズ感を見失うが、これはものすごく大きい。ここは現地でも神聖な場所とされているのだが、かつてのエアーズロック同様、登る事もできるというのでチャレンジする。

裏側からまわりこむが、裏側はぜんぜん亀感がない形である。特に道が整備されているわけでもないので足場を確認しながら瓦礫を登っていくが、かなり急な岩場をよじ登ったりする必要がある。そして、ちょうど亀の首に当たる所の手前まで来たが、ここからが足を滑らせたら十分死ねる高さで、岩には傾斜があり、かなり危ない。去年のスリランカでの滑落事故を思い出してしまい、無理と判断。勇気ある撤退をする。もう歳だしね。怪我したら元も子もない。ここからでも十分テレルジの雄大な風景を一望できるのでここで十分としよう。この辺りは草原地帯というより丘陵地帯であり辺りは岩山ばかり。このためか岩ツバメが行き交う。
下りの方が危ないので慎重に降りきて、キャンプに戻る。さて、このキャンプだが、夕食だけでなく朝食も付いてない。ここのレストラン棟は普段10:30にオープンするらしいが、宿泊者は事前に頼んでおけばそれより先に食べれるらしい。しかし、昨晩、その時間を決めるのも面倒だったし、普段あまり朝食は食べない性質なので、今朝はお願いしておらず、朝食抜きでイイや。
岩山の中腹にあるアリヤバル寺院までハイキング
さて、本日はここテレルジで草原の休日を満喫する日。ではまず午前中はハイキングだ。9:00にキャンプを出る。この亀石辺りから更に山の方に行くとアリヤバル寺院とやらがあるらしいので、そこを目指そう。

そこまでの距離は2km程というので大した事ないと思っていたが、ゆるい坂道が続くのでゆっくり進む。道端にキレイな高山植物が咲いているので写真に撮りながら。
道の突き当りまで行くとチベット寺院風の門があり、ここで2000Tgの入場料を払う。ここからが大変。山の斜面に設けられた寺院のため、そこへと向かう坂を登って行くが、息が切れ、軽く頭も痛い。ここも標高が高いからだ。
上がって行く途中に、寺院への参道だからか、やたら短い間隔で仏教のお教えが書かれた看板が立っている。それはモンゴル語だけでなく英語でも書かれているので読めるのだが、いちいち立ち止まって読むには枚数が多過ぎであり、且つ書いてある内容は難しく理解するのは簡単ではない。このため大体は冒頭だけを読み、通り過ぎる感じにする。

坂道を真っ直ぐに登っていくと、大きなマニ車があった。そのマニ車の上には針が付いていて、1から150までの数字を指し示すようになっている。おみくじチックな事だろうと、私も回してみると、止まった針が示した数字は24。この先にある看板にその数字毎にありがたいお話が書いてあるのだが、たくさん看板があるから、肝心の24番を読み飛ばしてしまった。残念。
ここからは渓流にかかる吊り橋を渡り、ようやく目指す寺院が見えて来たが、この最後の最後に階段がある。しかもご丁寧に煩悩の数と同じ108段もあるそうだ。煩悩だらけの私は登り切れるのか??しかもここは標高2000mもあり、高地に滅法弱い私は息絶え絶え。そこで、休憩しながらも頑って、なんとかアリヤバル寺院まで登り切った。が、さすが、この寺院のテラスからの眺めは素晴らしい。

本堂の中はチベット寺院らしく綺羅やかだが、それもそのはず、この寺院はそれほど古い物ではなく、20〜25年程前に建てられた物なのだそう。このため極彩色で彩られた内部は色鮮やか。一方で静謐そのもので厳かであった。
このお堂の左側にミラレパ洞窟という祠があるので、そちらの方にも行ってみる。こちらも、さながらチベット仏教の聖地を連想させる。あとは、お堂の周りにマニ車がたくさん設置されているので、これをグルグルと回し功徳を積む。
さあ、それが終われば、引き返そう。行きは車道を通ったが、帰りはわざと車道から逸れた野原を歩いて下っていく。草原の中を通って行くので、日本ではなかなかお目にかかれない、高山にしか生えていない愛らしい草花を見ることができる。紫、黄、白、ピンク、青などホントカラフルな花たちだが、名前はほとんど知らず、知っているのはエーデルワイスとナデシコくらい。このハイキングでキレイな空気を吸えただけでなく、こういった高山植物を見る事が出来たのも良かった。

随分、ゆっくりハイキングに行っていたので、キャンプに戻ってきたらもう12:45。では、キャンプのレストラン棟でランチを摂ろうと覗くと結構混んでいる。そして、オーダーしようとすると、マネージャーに"20分くらいかかると思うから、ゲルまで運んであげる"って言われたので、自分のゲルに戻ってしばらく待機。
昼食に頼んだツォイワンという物は、簡単に言えばモンゴル式の焼きうどんで、牛肉と野菜を麺といっしょに蒸しあげた料理。肉中心のモンゴル料理の中で、珍しく肉よりも炭水化物がメインな料理だ。ただ、モンゴル料理らしく調味料は塩のみ。麺はモチモチで美味しいのだが、とにかく量が多く、朝食抜きだったが、全部は食べ切れなかった。

テレルジで自分で手綱を握って乗馬
ここ数日の天気の傾向とは真逆で、午前中は雲が多かったが、午後は晴れてきた。では、この晴天下、午後は乗馬にチャレンジしてみよう。この亀石周辺は観光地だから乗馬や乗駱駝を楽しむ人たちがいるが、その料金は乗馬が時間あたり30,000Tgに対してラクダが50,000Tg。では、ホスタイ国立公園で味をしめた乗馬にしよう。ただ、よくよく聞くと乗馬代は30,000Tgだが、ガイドは別で更に30,000Tgとの事。話が違う。じゃあ、ガイド無しでお願いする。すると"大丈夫か?一人で乗れるのか?モンゴルの馬は気性が荒いぞ"とかなり心配されたが、一応、これでも何回か乗馬経験はある。必ず馬は左側から乗らなきゃいけないとか、馬の後ろに回るなとか、基本的操作方法とかは知っている。

それでも心配な様で、車道は危ないので馬子に引かれて安全な所まで出て、そこから私と馬が放牧された。手綱をしっかり持ち進む。どちらかと言うと老馬なのか、かなりのんびり系で荒々しさは全く無く、初心者に毛が生えた程度の私にとっては都合が良い。以外とサクサク進むし、手綱を左右に少し引くだけで、方向も素直に変えてくれる。モンゴルの馬は小柄でサラブレッドよりも随分小ぶりのため、高さの恐怖も全くない。
ここは大草原というより、道の横の草っ原といった場所だが、お花がたくさん咲いており、こういった所での乗馬はとても気持ちが良い。ただ、馬にとっては周りに餌がたくさんある環境な訳で、文字通り道草をしだした。こうなると、こちらのいう事は聞いてくれない。"チョ"と声を掛け脇腹を蹴るが、もう道端の草を食べるのに夢中。完全に馬になめられてる。ちょっと歩いては食べるの繰り返しで、乗馬というより、完全に放牧だな。

これだと元の場所へ戻るのにも時間がかかり、約束の1時間という時間をオーバーしてしまうかもしれないので、早めに引き返す。すると、草の上でないと馬はサクサク進み、結局15分以上も余らせて、戻って来てしまった。ただし、引馬ではなく、久しぶりに手綱を持ち、馬をコントロールしたので、これはこれで楽しかった。
ジェラシックパークの様なパルク・ジノザヴロフ
さて、まだまだ時間がある。歩くと少し距離があるが、幹線道路から少し北に行った所にパルク・ジノザヴロフという場所があるのでそこまで歩いて行ってみよう。週末しか開いていないという情報もあったが、まだナーダム期間の影響もあるのだろうか、平日の今日も入口におじさんがおり、2000Tg徴収されたものの無事、入場できた。
ここは元々この辺りに点在するツーリストキャンプの1つだった場所で、今は廃業しているらしいのだが、当時のキャンプの売りの1つとしてこの草原の丘に実物大の恐竜の塑像が何基も設置された。今はその恐竜像のみがこの草原に残って点在しており、不思議なことに、この地形の風景とマッチしていて、まるでジェラシックパークの世界の景観を造りあげているのである。そこで、張り切って、写真を撮りまくる。

ここから亀石までの帰りはまた微妙な距離を歩かねばならないのだが、このパークに一緒にいた家族が声を掛けてくれ、ついでだからと亀石まで車に乗っけてってくれた。楽でき、助かった。
土産物屋とスーパーマーケットでお土産を物色
さて、これで観光は終了。そろそろ帰りの事を考えねばならない。亀石から少し下がった所に土産物屋とスーパーマーケットがあるので、帰国前の土産物探しだ。まず覗いた土産物屋には結構豊富に物が売っているが、典型的な土産物ばかりで、私が欲しいと思ったのはTシャツくらい。が、それも思ったより高かったので購入はやめておく。

続いて寄ったスーパーマーケット。輸入品が多いここモンゴルでは、Made in Mongoliaの土産物が少なく苦労するが、定番はゴールデンゴビのチョコレートなので、それを会社用、家用にそれぞれ購入しておく。
そして、18:00、ゲルに帰着。南京錠かけて閉めっぱなしだったゲル内は蒸し風呂状態。ゲルっていうのはあまり夏用には作られてないのだな。このため、ドアを開けっ放しにして、外の空気を取り入れつつ、少し休憩。
モンゴル最後の晩餐とシャワー
昼が遅く且つ量が多かったから、あまりお腹が減っていないが、また、遅くなると迷惑になるので、19:20にレストラン棟へ行く。最後の晩餐である。が、聞いたところ、昨晩と同じで今から用意できるものは限られていると言う。チョイスは、今日の昼と同じ物か昨晩と同じ物の2択だ。麺とライスなら後者を選ぶ。最後も塩味のお肉だ。飲み物は、さすがにコーラばっか飲んでるのはヤバいので、モンゴリアン・ミルクティーをいただく。ここのは先日飲んだやつより、かなり塩辛い。

そして、ここでこの宿の精算。明日の空港までのタクシー代を除いて、現地通貨をできるだけ使い切りたいので、手持ちの100,000Tgをまず払い、残金はUSドルの現金で75ドルを払う。これでほとんどの現地通貨を使い切った。これまで支払いを待ってもらって助かった。
ここのキャンプはWi-Fiがないのがイタイ。ゲルの中は無理だとしても、せめて、レストラン棟では使えるようにして欲しい。が、私が困っていたのを見兼ねたのか、マネージャーがテザリングをさせてくれた。ありがとう。助かった。
さぁ、昨日より少し早いがシャワーを浴びよう。今日は、"昨日といっしょの場所だから"と言われただけで案内もなし。が、もう勝手はわかっているので、レストラン棟2階の一室に入って鍵をかけ、そこのバスルームでシャワーを浴びる。けど、昨日、今日とここの宿泊者が少ないからいいけど、宿泊者が多かったらこれは破綻するシステムだと思う。
テレルジの夜空に広がる満天の星空
さて、ゲルでしばらく休憩したが、気になるのは上空。今日は雨はないものの、雲が多い時間帯もあれば青空が多い時間帯もあった。結局、ここモンゴルで星を観れる機会はウランバートル以外で泊まった計5日間あったのだが、天気の関係で今までに実際に観れたのは2日目の夜のみ。しかも、その時も薄雲のせいで凄い星空を観れたという訳ではなかった。そこで、今晩が星を見るラストチャンス。期待しつつ暗くなるのを待つ。
22:00、ゲルを出て、一縷の希望をかけて空を見上げる。月が西の空に浮かんでいて絶好の星空日和とは言えないものの、星はある程度見える。そこでまずはゲルといっしょに写真に写す。ただ、やはり薄雲が出ているのか方向によっては難しい。また、ここのキャンプ内にある照明が邪魔。なかなかベストな所が無い。ただ空を見ていると流れ星でも飛行機でもなく規則的に動いている小さな輝点があるが、あれはISSなのだろうか。とにかく、持ってきた三脚に備えたカメラで星空を撮りまくるが、なかなかイイのは難しい。

では、折角なので亀石といっしょに写そうと、この敷地を出ようとすると、なんと敷地の出入口がロックされており外に出れない。あら残念。では、引き続き敷地内で写真撮影に勤しむ。
今度は岩山をバックに星を狙う。空気が澄んでいる分、星が輝いて見える。しかも標高が高いこともあってか、星が近く感じ、まるで手が届きそうなくらい。ただ、月が明る過ぎて、星の数は思っていたより多くはなく、念願の天の川は見られず、ハッキリわかったのは北斗七星くらい。空のコンディションは徐々に良くなっているようだが、1時間程撮影して少し冷えてきたので、そろそろゲルに戻る。そして、部屋に戻ったらもう23:30なので、消灯。
