見出し画像

【極私的名盤をご紹介⑫】〜801「801Live」たった3回のステージのためのバンド!

私があまり得意でない、と言うかあからさまに不得手としているLIVEアルバムという“ジャンル”から私の大好きなアルバムをご紹介します。かなりのレアケースとなります。

ここで紹介するのは、ディープパープルの「made in Japan」でも、チープトリックの「at Budokan」でもBob Marleyの「LIVE! 」でもなく、他のメモで紹介しているSting&TheBlueTurtleBandの「Bring On The Night」でも、LouReedのものでも、EL&Pのものでも、TheWhoのものでもないですよ。


このアルバムをいったいどのくらいの人が知っているのだろう?


801「801Live」(1976年)


かなり多くの人が「知ってるよ、あったり前じゃん!」というのか、

「なんだ、ソレっ???」となるのか、

はたまた「あっ、ジャケットは見たことあるなぁ〜」となるのか・・・


バンド名は読めますか?

普通に読むと「エイトオーワン」となりますよね。正解です...笑

でもこれ、数字じゃなくて英語で綴るときは、実は「Eight Nought One」と綴るんです。

Roxyファン、というよりENOファンの方はご存知だと思いますますが、セカンド・ソロアルバム「Taking Tiger Mountain」の中の名曲「TheTrueWheel」のサビの〜We are the 801<Eight Nought One=イニシャルを並べるとENOになる>, we are the central shaft〜からとられたバンド名です。

この頃のENOの高い知能が発揮されていて、いかにも中学2年生あたりが好きそうなギミックが散りばめられていますが、

いずれにしても、これぞROCK...!...みたいなかっこいいジャケットですよね!

ジャケットにおっきく記されている(こんなこと自体がちょっと珍しいですよね...いかにもイベントぽい)ように、メンバー6人のバンドです。


◯Phil Manzanera g.:言わずと知れたRoxyMusicのギタリスト。この時は解散ほやほやの時期です。この人はどういう定義かはわかりませんが、ずぅっと“ローテクギタリスト”と呼ばれてました。ま、上手いと唸るフレーズなどはないけど、センスは抜群だと思います。

◯Brian Eno Vo.Syn.:元RoxyMusicでアンビエント(環境音楽)アーティストですね。この頃はマジなロックシンガー気取りです...笑

◯Bill MacCormick b.:PhilがRoxyに入る前にいたバンドQuiet Sunのベーシスト。この後、Quiet Sunは復活します。

◯Francis Monkman Org.Cl.:フェンダーローズという独特な音色の超有名なオルガンと管楽器クラビネット担当してます。バカテクです。

◯Simon Phillips ds.:私が最も好きなドラマーと言ってもいいかもしれない...笑

◯Lloyd Watson SlideGuitar Vo.:ずっとスライドギター弾いてます。贅沢なミュージシャンの配置はMikeOldfieldみたいですね...笑


私の最初のSimonくん体験です!

私はこのアルバムはプログレのアルバムだと思ってますが、一般的にはRoxyのスピンオフバンドみたいな感じで受けとめられていたんでしょうか? ジャケが本当にカッコいいので、見たことあるという方はけっこういらっしゃるんですが、じっくり聴いたという方はかなり少ないんです。・・・これ、もの凄いLIVEですよ!ひょっとしたら、全員、英国人で編成されたバンドとしてはクリムゾンのファースト時のLIVEと並ぶくらいの演奏力かもしれません。・・・いや、ホントですって...汗!!


Roxyが「Siren」出してB.Ferryが解散宣言したものだから、PhilとENOが短期のプロジェクトを企画したのがこのバンドです。

たった3回のLIVEのためだけに組んだバンドなんです。いわゆる“学園祭バンド”ですね〜

恐ろしいのは、このアルバム、最初から最後まで全くテンションが下がらずに一気に暴れまくってる演奏ですね!

TheStranglersかTheWhoかってぐらいです!

それもこれも、タイコのSimonPhillipsのプレイの凄まじさです!このときなんと、18歳ですよ!?しかも、この時期においてはあまり組まれないツインバスドラです。私がこのLIVEを初めて聴いたのは例によって、私にプログレを教えてくれた高校生当時のバンドメンバーのTくん家でしたが、Tくんの兄ちゃんがこのLIVEのビデオを見せてくれたんです。3曲ぐらいの短いものだったと思いますが、その時に見たSimonのプレイがあまりにも鮮烈で、その後の私のドラマーの基準を形作ってしまいました。大学の時に組んだバンドのドラマーに「16のハットの刻みは片手で演れ!ウラのウラにアクセントが置けなきゃダメ!16のノリはそうじゃなきゃ出ない!」とか言って、ついにはドンカマ(リズムボックス)使いになってしまうほど頑なになってしまったのはSimonくん、キミのせいだぞ!!!!!


気を取り直して...笑、このLIVEアルバムの収録曲をプチメモ付きでご紹介しましょう


【A面】

1.Lagrima:この2分くらいのオープニングイントロみたいなもので続けて2.が始まります

2.TNK:Tomorrow Never Knowsつまりザ・ビートルズのカバーですが、これが恐ろしくかっちょイイ!Simonくんのタイコが炸裂です!アウトロはツインバスドラの乱れ打ちです!

3.East of Asteroid:ちょっとBrand Xぽい変拍子の曲です。ツインバスドラでなんと16を踏んでます!

4.Rongwrong:フォークソングをFusionサウンドに乗せてENOが気分よく歌ってます...う〜ん、ちょっと休憩です...笑

5.Sombre Reptiles:ENOの「AnotherGreenWorld」からのインストです。ちょっと東洋ぽいメロディ

【B面】

1.Baby's On Fire:ENOのウタものの代表曲ですね。スタジオ版のクールなのもイイけど、この煮えたぎったような演奏もすごいです!

2.Diamond Head:Philのソロ作のタイトル曲ですね。ちょっとPinkFloydを彷彿させるインスト曲です。

3.Miss Shapiro:ENOがロックスターになりきって歌ってます!途中でウタのバックにキメが入る箇所があって16のハットが疾走感をグンと盛ります!この曲と次のTheKinksのカバー曲は一気に繋がれ・・・

4.You Really Got Me:オリジナルともVanHalenの出世カバー作とも違う完全なプログレバージョンのカバーです。タムのロールの代わりにベードラでロール(!?)を回します。この演奏以外で聞いたことがないです。ずっと後のStingのTheBlueTurtleBandのオマー・ハキムが魅せたベードラのシンコペと同様のものを18歳のSimonくんが演ってます...汗!

5.Third Uncle:ENOのこれも代表曲でこのアルバムを締めくくりです!実際のLIVEではB-3の前に演奏されたようです。ボウイやBauhausのカバーよりもハードさではNo.1です。このギタープレイを含むアレンジにセンスの良さが込められてます!趣の180度異なる原曲スタジオver.を別にすると、この曲のNo.1の演奏だと私は予々(かねがね)思っています!


の全10曲です。


すでにほとんどの方はお気付きだと思われますが、このLIVEアルバムは演奏、なかでもSimonくんの大活躍を聴くためのアルバムです!

Simonくんはこのアルバムの演奏シーン映像で最初に出会ったときから、独特のドラムのセッティングしてました。ハイハットがスネアの上ではなく、右横にセットされて、他のドラマーのように手を交差してリズムを刻むのではなかったです。で、16のハイハットは右手だけで刻んでいたんですよ!こんなドラマー、どっかにいないかなぁ〜と、それ以後、そんな感覚です...汗

あと、おそらくENOはこのLIVEで自分が歌うことを最後にしたのではないかと思います。そのくらいいただけません...汗

もっと早く気づけよ、とアルバムを聴いて自分で痛感したのではないかと疑っています...笑 イイんですよ、気づけば、遅くても...


どちらかと言えば私は、ROCKは英国産の方が好きなアーティストやバンドは多いのですが、演奏力というかテクニックという点では米国産のバンドの方が上位なんだろうなぁという印象もありました。ですが、このアルバムとの出会いがその先入観をキレイに拭い去ってくれました!

もちろん、カンタベリー系とかJAZZぽい演奏でとんでもないテクニックを誇るバンドはわりとたくさんいましたが本場というわけではないし、米国にはジェイムズ・ブラウン(JBですね)とかスライ&ザファミリーストーンをはじめとするFUNK軍団が分厚い層をつくっていて、これがまた本当に凄まじくすごいリズムを叩き出していたし、オールマンブラザーズとか南部系のバンドは独特のあとノリサウンド度肝抜かれることが多かったし、NYやロスあたりでは名うてのスタミュー中心のAORでいかにもな音の壁を完璧に塗り上げていたし・・・

特にリズム隊(ベース&ドラム)はやっぱり米国の音楽が手本であることが多かったですね。そんなときに、このアルバムをかけるとまず誰しもが「このドラム、誰???」となりました。Simonくんは、その後、ジェフ・ベックでもお目にかかるし、TOTOでも叩くし、ヘヴィメタルのJudusPriestにもいるし、もちろんMikeOldfieldの名曲にもクレジットされているし・・・。誰の時代のSimonくんを知ってるの?という感じで話が弾んで仕方がない・・・って経験をしてみたいものです...笑


ENOという人は、それにしても変わってますよね・・・

この人の特徴は、わりと一つのところに拘泥しないクセと言うか性格というか・・・自分の先週までやってたことを記憶ごとバッサリと忘れ去ることができるところじゃないかと思います。ボウイの片腕みたいなことをやってても決して次に活かすような真似はしないし、アンビエントやっててもちっともアートぽく聞こえないし・・・。もちろん、他の人が作る音楽とは、キャリアを通じて、似ている部分がほとんどないという点ではずっと同じということもできますが...汗


RoxyMusicのときはFerryさんより目立ってますものね↓

Roxyで世に出た若い時はもうとにかくカッコいいですね。両性具有ぽいし、ド派手ですがとても冷たい印象でアタマの良さげな雰囲気は隠しようもないといった感じですね、若ハゲですが。

40年くらい経つと、いやぁ、とても物分かりの良さそうなオジサンですね。面影が残っているのはおでこぐらいですか...

この人は、何をやっても“最終的にかる〜くなっちゃう”と私は思っていて、そこがとてつもなくスゴイ!と言うかワンアンドオンリーな魅力だと思っています。この人のソロ作4枚とシド・バレットのソロ2作は、私の中で同じカテゴリーなんです。この分類に同意してくれた人はまだいませんけど...笑


Syd Barrett 1st「TheMadCapLaughs」(1970年)


Syd Barrett 2nd「Barrett」(1970年)


Eno 1st「HereComesTheWarmJets」(1974年)


Eno 2nd「TakingTigerMountain」(1974年)


Eno 3rd「AnotherGreenWorld」(1975年)


Eno 5th「BeforeAndAfterSience」(1977年)


Sydは基本、アコギ使いがベースなんですが、ちっともフォークぽくありません。何かに似ているというものが無いです!1stソロはまだけっこう元気なサイケですが、2ndはかなり異質になってます、ところどころですが。マジで天才だと思います。音が少し現代に近寄っていったら、JeffBuckleyみたいになったかもと。

Enoはソロ3作目から、全くサウンドが変わるんですが、よりプログレっぽい方に変わるので、どんどん面白くなっていきます。(だけど、これ以降はアンビエントまっしぐらとなるので、私はちょっと距離を置いちゃいました...汗)


Roxyに関連する人たちのFerryさん以外は、「売れ線」ではまったく無いし、ちょっと一筋縄ではいかないようなイメージがまとわりついているのでなかなか聴く機会もないとは思いますが、ジャケット飾るところからでも良いので(笑)この801の超名作LIVEアルバムをお試しいただきたいです!


あと、どうでもいいことかも知れないけど、中古CD屋さんとかでときどき見かけていたこのアルバムのジャケットはなんかまったく違っていて、言葉を選んで言うと「ものすごくダサい」ものになってるんですけど、どこで変わったのかな?ちなみに冒頭のジャケットはLPのものです。LPは現代ではちょっとスペースをとるくらいの大きさはあるので、あのダサいジャケットであればそんなに好きにならなかったかも知れない...汗


そういえば昔、「オトコはパッと見よ!」と言うキャッチフレーズがあったけど、うん、やっぱし、パッと見って大事だな...みんな〜!ちゃんと、毎日、ひげ剃ってるかな?休みの日だからってサボんなよ〜・・・風呂も入れよ〜・・・ババンバ・バンバン・バン!(志村さんRIP)


いいなと思ったら応援しよう!