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【ばけばけ第75話】秘密の「山橋西洋料理店」。気づいてあげられなかった妻、隠れていた夫、料理を作った店主

山橋薬舗の別室で、ついに見つけた夫は西洋料理を味わっていた。嘘をつかれ、自分の料理は食べてもらえず、怒り心頭の妻。しかし夫は「もう嘘つかない、疲れました」と告白し、妻は「気づいてあげれなくて、ごめんなさい」と謝る──

第75話の15分は、山橋薬舗の別室という隠れた空間が舞台でした。
トキちゃんの探す足音から始まり、ヘブン先生の発見、そして本音のやり取りで締めくくられます。
そこにいた3人が、互いの想いを優しく、時には痛く触れ合う時間でした。

おトキ
彼女は、まさに感情のジェットコースターに乗っていました。自分の手料理を差し置いて、嘘までついて西洋料理を食べていた夫に最初は怒り心頭。しかし、ヘブンが無理をして日本に馴染もうとし、故郷を懐かしむ心を押し殺していたことに気づいた瞬間、彼女の心は「自責」へと変わります。
「気づいてあげれなくて、ごめんなさい」
この言葉には、ただの妻としての役割を超えた、一人の人間を丸ごと受け入れようとする深い慈愛が込められていました。

ヘブン
これまでスマートで紳士的だったヘブンの、「弱さ」が露呈した回でもありました。日本を愛し、日本人として生きようと背伸びをしすぎた彼の、
「もう嘘つかない、疲れました」
という吐露。この言葉は、異国の地で孤軍奮闘してきた彼が、ようやくおトキの前で「ありのままの自分」をさらけ出せた瞬間を象徴しています。

山橋(柄本時生)
今話のキーマンであり、物語を大きく動かすトリガーを担いました。薬屋の主人でありながら、実は西洋料理の腕を振るう「山橋西洋料理店」のシェフ。
「ケチャップという西洋の調味料です」
と解説する彼のどこか飄々とした佇まいは、重くなりかねない夫婦の衝突に「文明開化」の風を吹き込むと同時に、ヘブンにとって唯一の「息抜きができる避難所」を提供していたことになります。

嘘の終わりと新しい始まり
嘘が明らかになることで、逆に関係性が深まる過程でした。
ヘブンが隠れていたこと、西洋料理を味わっていたこと、それをトキが見つけたこと──これらの出来事は、トキの怒りを引き起こしました。しかし、ヘブンの「もう嘘つかない、疲れました」という告白は、嘘の裏にあった彼の苦しさを明らかにしました。
そして、トキの「気づいてあげれなくて、ごめんなさい」という言葉は、怒りを超えた理解と寄り添いを示しました。夫が嘘をついていたことを責めるのではなく、その嘘をつかせてしまった状況に思いを馳せる──トキの成長と、夫婦としての成熟が、この言葉に表れていました。
山橋の存在は、二人の間に起きていた問題を可視化する触媒として機能しました。彼が西洋料理を提供する場を作っていたからこそ、ヘブンの欲求と葛藤が明らかになり、トキとヘブンは正直に向き合うことができたのです。
いってらっしゃいのキスという行動は、嘘の終わりと、正直な関係の始まりを象徴していました。もう嘘をつかない、気づいてあげる──そんな二人の新しい約束が、この15分の中に込められていたのです。

まとめ
第75話の15分は、別室で3人が夫婦の秘密と優しさを分かち合った時間でした。
おときとヘブンの怒りと本音を、山橋さんが静かに繋げています。
ヘブンの「日本人になろうとする努力」の限界と、それを包み込むトキの深い愛が描かれていました。
最後におトキからの、いってらっしゃいのキスを許すところ、ほんとよかったですね。

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