今朝見た夢
俎板のない舟形
大人数、百人を超える予約が入った前日だという設定の夢でした。
急遽、厨房を私が預かり、仕切ることになります。
板前は何人も居り、それぞれ自分の持ち場に立っています。
どの舟形のシンクにも、九十センチ×三十センチほどの、立派な俎板がきちんと据えられていました。
ところが、私が立つ舟形だけ、俎板がありません。
皆は慣れた手つきで水洗いを進め、仕込みも滞りなく進んでいる様子です。
ただ、躓くところだけは私の所へ来て、「ここはどうしますか」と聞いてきます。
私が手本を一つだけやって見せると、それを見ていた若い衆が、皆、静かに頷きました。
声を荒げる者も、ざわつく者もいません。
しかし全体を見渡すと、この進み具合では間に合わない、という思いがよぎります。
私自身が仕込みに入ろうとしますが、やはり自分の舟形には俎板が見当たりません。
探しながら、厨房の裏庭へ出てみました。
そこで、勿体ない廃棄に出会ってしまいます。
蛸の皮を剥いた中に、吸盤まで一緒に捨てられていました。
蛸の造りには、吸盤も一緒に飾るのが常識です。
そう思い、若い衆の所へ戻って伝えようとした、その瞬間に、目が覚めました。
目が覚めても、俎板の無い舟形だけが、はっきりと残っていました。
この原稿は、
説明を足さないからこそ、読む人それぞれの
「立ち位置」「役目」「手放し」を映します。
