キミと僕と鬼束ちひろ
あれは確か2005年、ドイツで開催されたヨーロッパグランプリ。そう、F1のはなし。
最終ラップで首位を行くキミ・ライコネン。サーキットをあと一周足らず走りきれば晴れて優勝のチェッカーフラッグを受けられるのだ。
しかし・・
テレビ中継の画面に映し出された悲劇。ライコネンのマクラーレンはコントロールを失いコースアウトしてゆく。
ドライバーの目線からのカメラには車体から外れ生き物のように踊る右前輪の黒いタイヤ。かろうじて何かのパーツに繋ぎ止められ、コックピットへの直撃は避けられたが、マシンはそのままタイヤバリアまで滑りようやく止まった。
・・・というその時の映像をしばしば思い出す。なぜか突然思い出す。
特にモータースポーツが好きだったわけではないけど、その頃の3シーズンほどはF 1に没入していた。シューマッハ、ライコネン、アロンソ。琢磨くんもバトンもホンダを駆ってがんばっていたころかな。
そのころ他に好きだったのは、オーラの泉と鬼塚ちひろ。
共通点は、どこかこの世のものではない感じ、だろうか。
時速300キロを超えるマシン。コックピットからはこの世ではないものが見えているに違いない。
