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「alien」に表れた時代の空気ーーOpenAIの二人が使った「alien」という言葉

最近、OpenAIの二人の文章で、偶然にも同じ「alien」という言葉が使われていることが気になりました。

一人はチーフサイエンティストのJakub Pachockiで、AIを「An Alien Mind」と呼んでいます。
September 6, 2026
An Alien Mind | OpenAI
https://openai.com/index/an-alien-mind/

もう一人は、AI政策や将来の制度について考えるDean Ballです。人間がAI時代にも主導権を保つためには、制度そのものが「even if they have to evolve in ways that may seem alien to us today」(今の私たちにはalienに見えるような方向に進化するとしても)変わる必要があるかもしれない、と書いています。
August 20, 2026
Introducing AI Futures | By Dean Ball
https://openai.com/index/introducing-ai-futures/


もちろん、二人が示し合わせてこの言葉を使ったわけではないでしょう。ただ、片方はAIそのものをalienと呼び、もう片方は、AIに対応するために変わる人間の制度が、現在の私たちにはalienに見えるかもしれないと言う。この符合は興味深いと思います。

AIが人間とは異質な知性として現れる。そのAIに対して人間の主権や主体性を保とうとすれば、人間の制度の方も、今の私たちから見れば異質に感じられるほど変わらざるを得ないかもしれない。

そう考えると、「alien」という言葉は単なるSF的な比喩ではなく、今のAI研究や政策に関わる人たちが、従来の語彙だけでは表現しにくい変化を前にしていることの表れなのかもしれません。

技術の変化だけでなく、それを記述する言葉の変化も、あとから振り返ると時代の空気をよく示していることがあります。

この二人の文章は、結論だけを見れば、それぞれAIの危険性への警鐘と、人間が主導権を保つことへの信頼に着地しています。ただ、その途中でOpenAIの二人のスタッフが、異なる立場から同じ「alien」という言葉にたどり着いた。
Pachocki=「alien mind」
Ball=「alien institutions」


Anthropicは以前から、比較的こうした問題意識を持つ会社という印象があります。5月には、ローマ教皇を前にしたスピーチでChris Olah氏が、「AIモデルの内部に人間の神経科学に似た構造や、人間の内省に類似する痕跡が見つかっており、これらが何を意味しているのか、まだわからない」と語っていました。
一方、これまではAIが何をできるかに注力してきたという印象の強いOpenAIで、ここに来て二人のスタッフが「alien」という語彙を選んでいる。これは無意識のうちにも、時代の空気を象徴しているのではないでしょうか。






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