非エンジニア教師、佐世保の空へGo——気球アプリを作ります。まだ気球は1ミリも浮いていません
佐世保の空を飛びたい。
急にどうした。
飛行機に乗って旅行へ行きたい、という話ではありません。アプリの中で、気球に乗った子どもが佐世保の上空を飛ぶのです。
気分はAdventure。構想は高度300メートル。本人は自宅のパソコン前。移動距離、ゼロ。
しかも私は、プログラミングを仕事にしているエンジニアではありません。
3D地図を使ったアプリを作った経験は?
ありません。
気球を動かした経験は?
現実でもアプリでも、ありません。
それでもAIと一緒なら作れるのではないかと思いました。気球より先に期待が浮きました。順番が少しおかしい。
Google Earthを見ながら、あることを思いました
Google Earthのような3D地図を見ていると、普段歩いている町が、まったく違う姿に見えます。
道路のつながり、山と海の位置、建物が集まっている場所。地上では別々に見えていたものが、空から見ると一気につながります。
佐世保には海があり、島があり、山があり、港があります。
これを上空から見ながら学べたら、教科書に載っている地図を見るだけとは違う学習ができるのではないか。
そこで思いついたのが、
「佐世保の上空を飛びながら、地域について考える教育アプリ」
です。
Movie、Story、Quiz、Adventure。
横文字だけはもう完成しています。アプリ本体はまだ玄関で靴を履いているところです。
きっかけの一つは、学校で行った「ジオゲッサー」
今回のアイデアを考える前に、学校の学習で「ジオゲッサー」を使った活動を行いました。
ジオゲッサーは、Googleストリートビューに映し出された景色を見ながら、「ここはどこだろう」と場所を推理するゲームです。
画面に映るのは、道路、建物、看板、山、海、電柱などです。
普段なら何気なく通り過ぎる景色も、「ここはどこ?」という問いが一つ加わった瞬間、すべてが手がかりに変わります。
道路が語る。
看板が名乗る。
山の形が「そろそろ私に気づいてください」と圧をかけてくる。
電柱まで重要参考人です。急に町全体が捜査会議。
画面の中から手がかりを探す。
場所を予想する。
ほかの景色と比べる。
最後に答えを確かめる。
ゲームではありますが、その中では、観察、比較、予想、判断という学習が自然に起きます。
「勉強してください」と言われて景色を見るのと、「ここがどこか当ててください」と言われて景色を見るのとでは、同じ画面でも見方が変わります。
これは面白い。
ゲームの力を使うと、ただ眺めていた景色が「考える材料」に変わる。
この体験があったからこそ、私は考えました。
Googleストリートビューで場所を当てるゲームができるなら、Google Earthのような空からの景色でも、何かゲーム的な学習ができるのではないか。
地上から見て場所を当てる。
今度は、空から見て土地の特徴を考える。
視点を上げたら、学習まで上昇するのではないか。
気球より先に、企画がTake Offしました。なお、技術開発はまだ滑走路を探しています。

ただ空を飛ぶだけのアプリにはしたくない
最初は、飛行機や鳥を操作して世界中を飛び回るアプリを想像しました。
しかし、すでに似たようなフライト体験や観光アプリはあります。世界中を自由に飛べるだけでは、私が新しく作る意味があまりありません。
私は小学校の教師です。
それなら、空を飛ぶことを「学ぶこと」につなげたい。
例えば、佐世保港の上空で気球が止まります。
そこで案内役の子どもが、こんな問いを出します。
「どうして、この場所に港ができたのだろう?」
すぐに答えを教えるのではありません。
まず上空から観察する。
海岸の形を見る。
周囲の山や町と比べる。
自分なりの予想を立てる。
その後で資料やヒントを受け取り、もう一度考える。
最後に、自分の言葉で説明する。
つまり、
見る → 気づく → 予想する → 比べる → 考え直す → 説明する
という学びの流れを、空の旅の中に入れたいのです。
ジオゲッサーでは、景色の手がかりから「ここはどこか」を考えました。
新しいアプリでは、空から土地を見ながら「なぜ、このような町になったのか」を考えます。
場所を当てて終わるのではなく、その土地の理由や歴史へ進んでいく。
ジオゲッサーから、もう一段上空へ。
気球に乗っているのに、やっていることはかなり真面目。空中で社会科の授業が始まります。黒板だけが搭乗手続きに間に合っていません。

飛行機、鳥、風船、プロペラ帽子——脳内オーディション開催
空を飛ぶ役については、かなり迷いました。
飛行機。
鳥。
風船を持った子ども。
気球に乗った子ども。
頭にプロペラのついた帽子をかぶった子ども。
候補だけを見ると、教育アプリの企画会議というより、町のイベントで誰を先頭に歩かせるか決めている雰囲気です。
審査基準は、ただ一つ。
「非エンジニアでも完成まで持っていけるか」
夢のあるオーディションに、現実が審査委員長として座っています。
検討した結果、最初は「気球に乗った子どもの視点」にしました。
3Dの子どもや気球を最初から自由に動かすのではなく、画面上に気球のかごやロープを重ね、その向こうに3Dの佐世保を映します。
これなら、気球に乗っているような雰囲気を出しながら、最初の技術的な難しさを下げられます。
鳥と飛行機とプロペラ帽子は、いったん控室です。
「私たちの出番は?」
後から交換できる設計にするので、少し待ってください。楽屋のお弁当までは用意できません。
まずは佐世保港の1地点だけ
最初から佐世保全体を作るつもりはありません。
世界一周もしません。
最初のMissionは、佐世保港周辺の1地点です。
作る機能も、まずは次の範囲に絞ります。
スタートボタンを押す
3D地図の中を気球の視点で自動移動する
佐世保港付近で止まる
案内役の子どもが話す
簡単な問題に答える
最後に振り返る
世界を救うMissionではありません。
スタートボタンを押して、佐世保港で止まる。
文章にすると簡単です。技術の世界では、この「止まる」の中に何人か住んでいる気がします。カメラ制御、読み込み速度、iPadでの動作確認。住民票まで取りそうな勢いです。
実装には、Google Earthそのものへ機能を追加するのではなく、Google Maps Platformの3D地図を利用する方法を検討しています。
技術的には実現できる見込みがあります。ただし、佐世保の3D表示がどこまできれいに見えるか、学校で使うような端末や通信環境で問題なく動くかは、実際に試さなければ分かりません。
ここは勢いで「Perfect!」とは言えません。
必要なのはImagination……そして、その3倍くらいのCheckです。
AIは魔法のボタンではなく、制作チーム
今回の挑戦では、構想、設計、プログラム、画像、クイズ、文章など、さまざまな場面でAIを使います。
ただし、AIへ「アプリを作って」と一言頼めば、翌朝、完成品が枕元に置かれているわけではありません。
アプリ完成、説明書完成、公開も完了、ついでに気球が玄関前で待機——そんなHappy Endingなら、私は今夜から早寝します。
実際には、どんな学習にするか、何を削るか、どこまでなら完成できるかを、人間が一つずつ決める必要があります。
AIにコードを書いてもらう。
動かなければ原因を調べる。
直してもらう。
また動かす。
おそらく途中で、気球より私の気持ちの方が上下します。
それも含めて、制作の過程を記録していこうと思います。
成功だけでなく、失敗も書いていきます
このnoteでは、完成した画面だけを突然見せるのではなく、作っていく途中も公開します。
最初の構成
3D地図を表示するまで
気球らしい画面の作り方
佐世保港まで自動で移動できるか
iPadなどの端末で正常に動くか
クイズをどう教育的な問いにするか
非エンジニアがどこで止まり、どう乗り越えたか
うまくいったことだけでなく、失敗したことも残します。
「ボタンを押したら気球が飛びました!」
そんな日もあれば、
「ボタンを押したら何も起きませんでした。本人だけ前のめりです」
という日もあるでしょう。
むしろ、そちらの日の方が多いかもしれません。
でも、非エンジニアがAIと一緒にどこまで作れるのか。その過程自体が、これから何かを作りたい人の参考になるのではないかと思っています。
最初のゴールは、小さくていい
最初の目標は、壮大な教育プラットフォームを完成させることではありません。
佐世保港の上空を少し移動し、1か所で止まり、一つの問いを出す。
それだけです。
でも、その小さな試作品が動けば、次の地点へ進めます。
佐世保港から別の場所へ。
社会科から総合的な学習へ。
佐世保から、ほかの地域へ。
飛ぶものも、気球から鳥や飛行機へ変えられるかもしれません。
ジオゲッサーで景色の中から手がかりを探したように、今度は空から地域の秘密を探していく。
最初から大空へ飛び出すのではなく、まずは気球を地面から少しだけ浮かせる。
構想はすでに上空300メートルですが、開発は地上10センチからStartです。
まだ気球は1ミリも浮いていません。
しかし、この記事を書いたことで、少なくとも計画は玄関を出ました。
次は、佐世保港の3D地図を画面に出すところから始めます。
気球の皆さん、Ready?
……返事はありません。まだ画像です。

