【海外競馬鑑賞】英・アスコット競馬場│Ascot Racecourse
推奨度:★★★★★
今回の訪問は、ロイヤルアスコット開催という特別な週にあたり、まさに非日常が凝縮された圧巻の競馬開催であった。
その華やかで格式高い雰囲気は、一部の熱狂的な競馬ファンにとってはやや距離を感じさせるものかもしれない。しかし、英国に息づくクラシック文化を色濃く残す数少ないイベントのひとつとして、紳士淑女の一員になりきって楽しむことをぜひおすすめしたい。
また、ロイヤルアスコット開催週に限らず、アスコット競馬場は常に美しく整備されており、競馬ファンのみならず観光目的でも訪れる価値のある場所である。
🐎競馬場概要
ロンドンから西に36マイル (58 km)に位置するイングランドのバークシャー州、ウィンザー城の西南アスコットにある競馬場。イギリス王室が所有し、ロイヤルアスコット開催時には、ロイヤルファミリーがアスコット競馬場を訪れる。また、7月のダイヤモンドデーにはヨーロッパ三大レースの1つ「キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス」が行われることでも知られる。
所在地: Ascot, Berkshire, England, UK
開催日数: 26日(2025)
HP:Home | Ascot Racecourse
🚝ロンドンからのアクセス
アクセス詳細:King's Crossから約1時間20分
(Victoria:Underground Line) King's Cross St. Pancras > Vauxhall 約11分
(South Western Railway) Vauxhall > Ascot 約50分
(Walk) Ascot > Ascot Racecourse 約12分
🐎当日の感想(2025/6/17 Royal Ascot Day1)
■競馬場全体
規模感:★★★★★ JRA東京競馬場と遜色ない
雰囲気:★★★★★
Royal Ascot開催初日には、Queen Anne Stakes、King Charles III Stakes、St James's Palace Stakesという3つのG1競走が行われ、英国競馬における最も格式高い一日と言っても過言ではない雰囲気が競馬場全体を包んでいた。観客の高揚感と華やかな装いが場内を彩り、まさに王室主催にふさわしい光景が広がっていた。
一部混雑する場面はあったものの、場内の導線設計はゆったりとしており、全体として快適な観戦環境が整っていた。施設の随所にも品格が感じられ、格式あるロイヤルイベントの舞台として申し分ない競馬場である。
■各施設
パドック:★★★★★
一周が広く、美しく整備された左右対称に近い造りが印象的。大型モニターやしっかりと傾斜のある観覧スペース、丁寧に植えられた花々が彩りを添えている。競馬ファンはもちろん、ライト層まで誰もが楽しめる設計であり、視認性・雰囲気ともに非常に高水準。
スタンド:★★★★☆
スタンド棟は2つあり、その規模は英国競馬の中でも最大級を誇る。ただし、一般来場者の多くは立ち見観戦となり、エリアの傾斜が緩やかなため、特にロイヤルアスコット開催時には、女性の華やかな帽子が視界を遮る場面も見られる。
最上級の「Royal Enclosure」はゴール前に位置し、厳格なドレスコードとセキュリティによって、一般客の入場は不可能。ゴールライン直前の席は招待者専用である点は少し残念。“自分が一般市民である”ことを忘れてはいけない。
本馬場:★★★★★
直線コースと周回コースが共存しており、さまざまな距離の競走に対応できる柔軟なレイアウト。スケールの大きな競馬場でありながら、最前列で観戦すれば外ラチのすぐ近くでレースの迫力を感じられ、極めて高い臨場感を楽しめる。

📸当日の写真




















🎯最後に
英国王室主催とは何か――その真髄をあらゆる側面から体感できる、まさに圧巻の競馬開催であった。
そして、ロイヤルアスコットという特別な一日を、一般市民もできる限りの礼節をもって楽しもうとする姿勢が随所に見られた。多くの紳士淑女が誇り高くふるまう様子からは、このイベントが彼らのアイデンティティと矜持に深く根ざしていることが強く伝わってくる。
非日常の空間であるがゆえに、どこか高揚感に包まれた“浮つき”も感じられたが、それすらもこの日の魅力の一部として楽しめた。華やかなドレスコードに彩られたロイヤルアスコットは、間違いなく英国競馬における特別な存在である。
しかし、最後に伝えておきたいのは、アスコット競馬場の魅力は決してこの週だけのものではないということだ。
筆者は2023年10月、平場開催の日にも同競馬場を訪れている。以下に掲載するのは、その際に撮影した写真である。そこには、ロイヤルアスコットウィークと何ら変わらない、不変の美しさが広がっていた。
英国王室所有の競馬場とは何か――それは、特別な日であろうと、何気ない通常開催であろうと、常に変わらぬ気品と美しさを保ち続ける場所である。
その懐の深さ、そして表裏のない圧倒的な品格を、今回の再訪であらためて実感することとなった。

