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素人がショートショートを50本投稿してみた結果〜②上達しない原因を探る〜

 みなさん、こんにちは。
 先日、投稿したショートショートがついに50本を超えました。
 振り返り記事を書くにあたって、過去の作品を読み返していたら、反省点がいくつも浮かび上がってきました。

↓ 前回の記事

 どうせ書くなら少しでも上達したいもの。
 同じ失敗を繰り返さないためにも、記事にまとめておきます。

 小説の書き方は、以下の本で勉強させていただきました。
 基本中の基本をわかりやすく説明してくれるので、初心者の方にオススメです。

 著者のわかつきひかる先生は、キャリア26年のプロの作家で、創作教室でも長年教えてらっしゃる先生です。
 ちなみに、noteやYoutubeでも活動されているので、ぜひチェックしてみてください。

 上記の本では、「描写・人称・視点」が小説の基礎である、と解説されています。
 その観点から私の過去の作品を読み直してみます。


①描写不足で「棒人間」になる


 まず、描写とは何か? 私の51作目を取り上げて考えてみます。

 こちらは、毎週ショートショートnoteを主催されているたらはかに様のお題で書かせていただきました。

 チョークで床に魔法陣を描き終えた。パンパンと白い粉を落として、よしっと気合いをいれた。呪文を詠唱する。
 幼い頃から重度の花粉症で、どんな病院に行っても治らなかった。私は、来年受験を控えた女子高生の身である。もはや手段を選んではいられない。古本屋で怪しげな魔術書を買って、悪魔を召喚しようと試みた。
「エロイムエッサイム」

恋花粉【ショートショート#51】

 この冒頭を読んで、主人公がどんな姿をしているか、イメージできるでしょうか?
 一応、女子高生だと書いてありますが、具体的にどんな外見なのか、どんな服装をしているのか、まったく分かりません。「棒人間」になっています。

 わかつき先生によれば、「描写は小説の基礎」だそうです。
描写は主に「外見描写」「情景描写」「心理描写」に分かれます。

 主人公がどんな見た目をしているのか、イメージを浮かべてもらうために書くのが「外見描写」です。

 さきほどの冒頭部分には、この「外見描写」が不足しているため、読者がキャラをイメージできないのです。

②情景描写がないと作品世界に入り込めない

 
 また、この主人公の女子高生が、どこにいるのか、イメージできるでしょうか?
 一応、作者としては「主人公の部屋の中」のつもりで書いたのですが、文章を読むかぎり、どこにいるのか、はっきりと書かれていません。昼なのか夜なのかも不明です。

 こういった、キャラクターがどこにいるのかどんな状況なのかを伝えるのが「情景描写」です。
 この「情景描写」が不足していると、読者は舞台をイメージできません。

 つまり、上記の作品は「主人公がどんな姿をしていて、どこにいるのか」が書かれていない、ということになります。
 書き手の頭の中にイメージがあっても、それをきちんと書かないと伝わらないのですね。


③「神の視点」は禁じ手

 
 次は、人称です。
 人称といえば、「一人称(僕は、私は)」「二人称(君は、あなたは)」「三人称(佐藤は、田中は、ケンジは)」があります。
 皆さん知っての通り、小説は一人称か三人称で書かれています。二人称はほとんど使われません。

 ここで問題なのは、三人称で書くとき、「視点」をどうするか? ということです。

 小説の視点には「神の視点」と「一元視点」があります。
 例として、サザエさんのある一場面を取り上げます。

三人称・神の視点

 磯野カツオは、野球のバットを肩にのせて帰り道を急いでいた。ふと、猫の鳴き声が聞こえた。見ると、サンマをくわえた猫が走ってくる。
「待て~! 泥棒~!」
 そう叫びながら、サザエが猫を追いかけてきた。また、夕飯の魚を盗まれたのか。カツオは苦笑した。

三人称・一元視点

 磯野カツオは、野球のバットを肩にのせて帰り道を急いでいた。ふと、猫の鳴き声が聞こえた。見ると、サンマをくわえた猫が走ってくる。
「待て~! 泥棒~!」
 そう叫びながら、姉さんが猫を追いかけてきた。また、夕飯の魚を盗まれたのか。カツオは苦笑した。

 
 
 神の視点では、新聞記事のように客観的に「カツオはどうした」「サザエはどうした」と書かれています。
 一元視点では、カツオの視点で語られているので、サザエさんを「姉さん」と呼んでいます。波平が出たら「父さん」と書くでしょう。
 上記のわかつき先生の著書によれば、小説を「神の視点」で書くのはNGだそうです。
 理由は、読者が誰にも感情移入できないから。

 星新一など、昔の小説は神の視点で書かれているケースもありますが、現代の小説では「神の視点」はやってはいけないこと、なのだそうです。



 ここまでを踏まえて、50作目を取り上げます。前掲の「恋花粉」の裏お題「濃い古墳」です。

 白熱した議論が夜更けまで続く。各地の豪族たちが館に集まって、口角泡を飛ばしている。
「墳墓のデザインは今日中に決めねばならん。円形か、長方形か。それが問題だ」 
 議長がいった。
「円に決まってら。俺らのシンボルは日の丸だ!」
「何をいう。墓といえば昔から長方形と決まっとるんじゃ!」
 丸一日、こんな調子で議論は平行線をたどっていた。議長は疲れのあまり眉間をおさえた。一体どうすればいいんだ。
 すると、今まで隅っこで静観していた若者がすっと立ち上がった。
「僕にいわせればどっちもダメだね」
 豪族たちが殺気立つ。

濃い古墳【ショートショート#50】

 これは三人称の「神の視点」「一元視点」のどちらでしょうか?
 新聞記事のような客観的な書き方をしているので、「神の視点」で書かれています。
 これでは誰にも感情移入できないので、ダメなのです。

 
 小説は「一人称」か「三人称一元視点」で書きましょう。


④結論

 
 私の作品は「描写・人称・視点」という小説の基本中の基本をまったく守っていなかった。これが結論です。

 これからは冒頭でまっさきに「登場人物の外見」と「どこにいるのか・どんな状況なのか」を必ず描写して、「一元視点」で書くことを心がけていきたいと思います。

 楽しむことを忘れずに。

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