見出し画像

信号機ぶどう味【ショートショート#163】(460字)


帰り道、僕らはひどく腹を空かしていた。
授業中に先生を揶揄からかった罰として、僕とこうちゃんは給食を食べさせてもらえなかった。
「そうだ。あれ、食っちゃおうぜ」
僕は、通学路に立っている信号機を指した。
「おいマジかよ」
「何だよこうちゃん。もしかして食ったことないの?」
こうちゃんはこくりと頷いた。
「うまいんだぜ。何の種を植えたかどうかで味が変わるんだ」
僕らの町の信号機は地面から生えてくる。枝についた三つの実が青、黄、赤に光るのだ。
「でもさ、勝手に食べたら警察に捕まるよ」
「バレなきゃ平気さ。こうちゃん、そこで見張ってろよ」
僕はランドセルを下ろして幹に飛びついた。
猿のような身のこなしで5メートルの高さにまでよじ登る。
枝にぶらさがり、三つの実のうち、青い実をもぎとった。
「ほら、受けとれよ!」
僕が投げた実をこうちゃんがナイスキャッチ。    
「うまそうだよ。甘酸っぱい匂いがする」 
「食ってみ」
「甘い! ぶどうの味だ!」
その時、道路の先から怒鳴り声がした。
「コラ! ガキども! 何してんだ!」
駐在さんの顔を見るや、僕らは駆け出した。




ここ数回に渡って、田原にかさんの「創作のヒント」を参考にさせていただいています。

今回のテーマは、第7回「被らない方法・その2」です。
作り方の詳細については元記事を参照してください。

「信号機ぶどう味」というお題をいただいた時、最初に思いついたネタは「味覚を刺激する信号機」でした。

ですが、これでは必ず他の方と被ってしまう。

そこで頭を捻り、「ぶどうの種から信号機が生えてくるとしたら?」と考えてみました。

……ネタは決まったとして、それでも被ってしまう可能性はある。

【同じネタでもキャラクターが違えば物語が変わる】

田原にかさんのアドバイスに従って、キャラクターを変えてみます。

ぶどうの種から生えた信号機があるとしたら、信号は果実にちがいない。
その果実を勝手に食べてしまう悪ガキを主人公にしたら、どうだろう?


こちらの企画に参加させていただきます。





いいなと思ったら応援しよう!