悪女から学ぶ恋愛講座 🖤 愛される女が知っている7つの教え

追記
高評価、2人の方からいただきました。
残り1部になりました。完売後リライトしていきます。
興味がある方どうぞ💜

初版限定
全7章予定。
現在、第一の教えまで公開しています。
ご購入いただいた方は、完成までの更新を追加料金なしで読むことができます。
完成後は価格を改定します。
ようこそ。
🖤『悪女の経典』の入口へ。
🖤「悪女になりたい。」
「悪女になりたい。」
そう言って、
私のところへ来る女は多い。
今日来た女も、
最初は同じだった。
「本気?」
私が聞くと、
彼女は少し迷ってから頷いた。
「はい。」
「もう、恋愛で苦しみたくないんです。」
「男に振り回されたくない。」
「今度こそ、私が選ぶ側になりたい。」
私は、
湯呑みを持ち上げた。
「へえ。」
「じゃあ、悪女になりたいんだ。」
「はい。」
「どうして?」
「……どうしてって。」
彼女は少し困った顔をした。
「愛されたいからです。」
私は、
思わず笑った。
「え?」
彼女が眉を寄せる。
「何か、おかしいですか?」
「ううん。」
「かわいいなと思って。」
「……?」
私は、
もう一口お茶を飲んだ。
それから、
彼女の目を見た。
「じゃあ、無理だね。」
「え?」
「悪女。」
「あなたには、まだ無理。」
彼女の顔から、
少しだけ笑顔が消えた。
「……なんでですか?」
私は答えなかった。
代わりに、
湯呑みを置いた。
「あなた。」
「さっきからずっと、同じことを言ってる。」
「え?」
「愛されたい。」
「選ばれたい。」
「振り回されたくない。」
「幸せになりたい。」
彼女は黙った。
私は、
少しだけ笑う。
「ねえ。」
「それって……」
「悪女になりたい人の言葉だと思う?」
彼女の表情が止まった。
私は、
その顔を見ながら思った。
この人も、
まだ知らない。
悪女という言葉を、
たぶん、
少し勘違いしている。
男を夢中にさせる。
追いかけさせる。
嫉妬させる。
連絡を焦らす。
他の女とは違うと思わせる。
そういうものを、
「悪女」だと思っている。
でも、
もしそれが全部できるようになったとして。
もし、
男があなたを追いかけるようになったとして。
もし、
何人もの男から愛されるようになったとして。
それでも、
たった一人の男に捨てられるのが怖くて、
自分を変えてしまうなら。
それは、
本当に「悪女」なんだろうか。
私は、
そこで一度言葉を止めた。
彼女は、
黙って私を見ている。
「……じゃあ。」
小さな声がした。
「悪女って、何なんですか?」
私は笑った。
やっと、
そこまで来た。
「それを知りたい?」
彼女は頷いた。
私は、
本棚へ目を向けた。
黒い革表紙の本が、
一冊だけ置かれている。
古い本だった。
誰が書いたのかも分からない。
いつからそこにあるのかも、
私は知らない。
私は立ち上がった。
本棚へ歩いていく。
そして、
その本に指を触れた。
「この本にはね。」
彼女が息を呑む。
「悪女になるための方法が書いてある。」
「……本当に?」
「うん。」
「じゃあ、教えてください。」
私は振り返った。
「でも。」
「一つだけ条件がある。」
「条件?」
「この先を読むなら。」
私は、
彼女をまっすぐ見た。
「昔のあなたには、戻れなくなるかもしれない。」
彼女の顔から、
また笑顔が消えた。
「それでも?」
私は聞いた。
長い沈黙。
窓の外で、
風が鳴った。
彼女は、
しばらく俯いていた。
そして、
ゆっくり顔を上げた。
「……それでも。」
私は、
小さく笑った。
「そう。」
本を開く。
黒い革表紙の内側には、
一行だけ書かれていた。
第一の教え。
私は、
その続きを見せなかった。
「ここから先は――」
私は言った。
「本気の人だけ。」

第一の教え
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