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第12話:情報は増えた。でも、やることは同じだった

積立投資を始めて、しばらく経ちました。
よく「ほったらかしにすれば、何も考えなくていい」と言われますが、私の実感は少し違います。

正直に言えば、以前よりもお金のこと、そして世界の動きについて
考える時間は、確実に増えました。


判断の材料は、むしろ増えた

日経新聞を読み、ニュースを追い、世界情勢を自分なりに整理する。
第9話で書いた通り、私の「世界を見る窓」は、今も開いたままです。

知識が増えれば、
「今は円安だから」
「アメリカの景気がこうだから」
と、判断するための材料も自然と増えていきます。

「何も考えなくていい」というより、
いろいろなことが目に入るようになった。
そんな感覚のほうが近いかもしれません。


判断しても、動かないという選択

面白いと感じているのは、
これだけ情報を集めて判断しているのに、
投資としての行動は、ほとんど何も変わっていないことです。

・ニュースを見て「今は不安定だな」と思う
・でも、積立額は変えない

・相場の変動を見て「ここが節目かもしれない」と思う
・でも、売買はしない

以前の私は、
「知る=何か動かなければいけない」
そう思っていました。

不安になれば買い足し、
怖くなれば売る。

今は、その衝動を一度、仕組みの外に置けています。


現場で身についた「即変更しない」感覚

この感覚は、現場監督の仕事とよく似ています。

現場では日々、
図面とのズレや想定外の出来事が起こります。
そのたびに「これは問題だ」と判断はします。

けれど、だからといって
全体の設計図をすぐに書き換えることはしません。

状況を把握し、判断はする。
でも、簡単には動かない。

その「動かないことの重み」を、
私は投資を通じても学んでいる気がします。


考えても壊れない仕組み

積立投資の価値は、
「何も考えなくて済むこと」ではなく、

どれだけ考えても、揺らいでも、
簡単には壊れない仕組みを持っていること

にあるのかもしれません。

知識が増えることも、
不安になることも、
揺れること自体も、自然なことです。

大切なのは、
その揺れを、そのまま行動に持ち込まないこと。

考えた上で、
あえて「何もしない」を選べる。

そんな自由が、今の私には心地よく感じられています。


今日も、自分のペースで。

ご安全に。