転職時の年収交渉①|希望年収はどうやって決める?
こんにちは、ROYAL AGENTです。
突然ですが、皆さんは転職活動をしたことがありますか?
学生時代に就職活動を経験していても、転職活動は初めてという方も多いのではないでしょうか。
普段の生活では企業の選考に触れる機会が少ないため、いざ始めてみると、分からないことや不安に感じることがたくさん出てきます。
私たちも日々、候補者の方とお話しする中で、さまざまな質問をいただきます。たとえば、こんな疑問です🤔
「希望年収は、どう伝えたらいい?」
「選考では、何を確認すればいい?」
「働き方について、どこまで質問しても大丈夫?」
こうした転職活動にまつわる疑問に少しでもお答えできるよう、私たちが普段お伝えしていることを「転職Tips」としてまとめていきます✍️
今後、テーマごとにシリーズでお届けする予定です。
第1回のテーマは「希望年収」です💡
希望年収をどのように考え、企業へどう伝えればよいのか。まずは、金額を決める前に整理しておきたいポイントから見ていきましょう。
ちなみに、約3年前には「退職交渉の進め方」を全2回でご紹介しています。これから転職活動を始める方は、よろしければこちらもあわせてご覧ください。
はじめに
「年収についてありのままの希望を伝えたら、企業からの印象は悪くなりますか?」
転職のご相談で、よくいただく質問のひとつです。
提示された条件をそのまま受け入れるべきか。それとも、希望を伝えてもよいのか。年収は大切な条件である一方、聞き方や伝え方に迷いやすいテーマでもあります。
結論から言えば、年収について確認し、希望を伝えること自体は失礼ではありません。ただし、年収交渉は「できるだけ高い金額を勝ち取る場」でもありません。
大切なのは、企業が期待する役割と、自分が提供できる価値、そして希望する条件をすり合わせることです。
今回は2回に分けて、転職時の年収交渉を考えます。第1回では、希望額を伝える前に整理しておきたいことをご紹介します。
年収の話をすることは、失礼?
企業は、採用する方の経験やスキルだけでなく、任せる役割、社内の等級や給与テーブル、既存社員とのバランスなど、複数の要素を踏まえて条件を決めます。
そのため、「経験があるから、希望した金額が必ず認められる」というものではありません。一方で、候補者が希望条件を伝えず、入社後に認識のずれが分かることも、双方にとって望ましいことではないでしょう。
年収について話す目的は、相手を説得することではなく、前提を確認することです。
どのような仕事を任されるのか。どのような成果を期待されるのか。その期待に対し、自分の経験をどう生かせるのか。ここが整理できて初めて、希望年収の話にも根拠が生まれます。
年収交渉は「お願い」ではなく、条件のすり合わせ💡
希望額を伝えるとき、「生活費が上がったから」「現職より100万円上げたいから」だけでは、企業側は金額を検討しにくいものです。
企業が知りたいのは、希望の背景にある職務上の根拠です。
役割の範囲: 今回のポジションで、どこまでの役割を担えるか
再現性: 過去の経験や成果に、再現性があるか
貢献イメージ: 入社後、どのような形で貢献できるか
市場整合性: 企業が想定する等級や年収レンジと合っているか
つまり年収交渉は、単に金額を上げてもらうお願いではありません。「この役割と期待値であれば、この条件を希望します」と、仕事の中身と条件を結びつける対話です。
まずは3つの数字を整理しよう✍️
選考に入る前に、少なくとも次の3つを整理しておくことをおすすめします。
現在の年収:基本給、賞与、固定残業代、各種手当などを分けて確認する
希望年収:仕事内容や期待役割を踏まえ、納得して入社できる水準を考える
最低希望年収:これを下回る場合は、他の条件を含めても入社が難しい水準を決める
「現在の年収」は、源泉徴収票や給与明細をもとに、事実として正確に伝えます。賞与の変動が大きい場合や、残業代によって総額が変わる場合は、その内訳も説明できるようにしておくと安心です。
希望年収と最低希望年収を同じ金額にする必要はありません。仕事内容、働き方、今後得られる経験などを含めて判断できるよう、自分の中に幅を持たせておくことも大切です。
AI・データ人材の年収は、職種名だけでは決まらない
ROYAL AGENTが支援するAI・データ領域では、同じ「データサイエンティスト」「機械学習エンジニア」という職種名でも、企業によって任される仕事が大きく異なります。
たとえば、分析やモデル開発が中心なのか、実装から運用・改善まで担うのか。技術検証にとどまるのか、事業成果まで責任を持つのか。個人で専門性を発揮するのか、チームを率いるのか。こうした違いによって、企業が期待する役割と条件は変わります。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2024」では、日本企業の85.0%が、DXを推進する人材の「量」が不足していると回答しています。のポジションで高い年収が保証されるわけではありません。
技術名や経験年数だけでなく、何を任され、どのような成果につなげてきたか。その仕事を別の環境でも再現できるか。企業はこうした点も見ています。
年収総額だけでなく、中身もチェック✅
同じ年収600万円でも、条件の中身は同じとは限りません。
月例の基本給
固定残業代の有無、時間数、超過分の扱い
賞与の算定方法と支給実績
インセンティブの条件
住宅手当やリモートワーク手当などの諸手当
ストックオプションや退職金制度の有無
試用期間中の条件
評価や昇給の時期
入社初年度の賞与が満額支給されるか
変動賞与を含む年収と、毎月の給与で大部分が保証される年収では、受け取り方が異なります。提示額だけを比較せず、自分にとって重要な条件を一つずつ確認しましょう。
厚生労働省も、労働契約を結ぶ際には、賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があると案内しています。最終的な条件は、口頭だけでなく書面で確認することが基本です。
年収が上がらなくても、よい転職はある⭐️
厚生労働省の「令和7年上半期雇用動向調査」によると、転職入職者のうち前職より賃金が増加した人は39.4%、減少した人は31.5%、変わらない人は25.5%でした。
転職すれば必ず年収が上がるわけではないことが分かります。
一方で、最初の提示年収だけでは判断できない転職もあります。希望する領域へ移ることで専門性を広げられる。より大きな裁量を持てる。働き方を改善できる。将来のキャリアにつながる経験を得られる。そうした価値も、転職条件の一部です。
もちろん、生活や家族の事情から、譲れない年収水準がある方もいます。その場合は無理に条件を下げる必要はありません。「今回は転職しない」という選択肢も含めて考えることが、納得できる意思決定につながります。
最後に
年収交渉で大切なのは、強く主張することではなく、希望の根拠を整理し、企業の期待とすり合わせることです。
自分の経験をどのように評価すればよいか。希望年収が市場や求人のレンジと合っているか。条件のどこを優先すべきか。一人で判断しにくい場合は、転職エージェントから求人の背景や企業側の考え方を聞くことも役立ちます。
次回は、年収交渉を「いつ・何を・どう伝えるか」、具体的な進め方と伝え方をご紹介します。
ROYAL AGENTでは、転職を決めている方だけでなく、今後のキャリアや年収について整理したい方からのご相談も受け付けています。まずは自分にどのような選択肢があるのか知りたい、という段階でもお気軽にご相談ください。
