ランバタの次はドラえもん
夫と、ニュージャージーの奥地から何時間もかけて駆けつけてくれた友人に別れを告げ、私はオペ室へ向かった。
オペレーション室に入った瞬間、私は大泣きした。
これから自分に起こる未知への不安だったのか。
ただ、涙が止まらなくなっただけなのか。
なぜ自分が今ここにいるのか、急に分からなくなったのか。
理由は自分でもよく分からない。
ただ、感情だけが溢れていた。
ナース、執刀医、助手。
気づけば、みんなに囲まれていた。
執刀医が私の手を握る。
その瞬間、妙な連帯感が生まれた。
「最強乳がんオペチーム」結成!
世界に名だたるコロンビア大学病院。
ありがとう。
そこへ、ドラえもん好きの可愛い男子ナースが、泣いている私に向かって「ドラえもん流そうか?」と提案した。
アジア系の主治医も、「アジア人みんなこれで育ってるのよ、和む曲だよ」と賛成。
白人助手は困惑しながらも、「今知ったけど、いいじゃない?」と参戦。
可笑しかった。
私は泣きながら笑い、耳元で流れるドラえもんの主題歌を歌い始めていた。
ワイワイ、ガヤガヤ。
牛乳瓶みたいな厚底レンズをかけたチャキチャキの麻酔医が、何か言ってる。
私は、どこまでドラえもんを歌ったのだろう。
ラバンバ事件については、また日を改めて書くことにしようかな。
つづく
