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[02]「あのー」と「えーと」の違い

あのー」と「えーと」の違い。
このテーマといえば, ゆる言語学ラジオではないだろうか。


エンディングで, 水野さんが堀元さんにこの2つの違いを尋ねる, 『言語沼』の宣伝でよく耳にする。

遅ばせながら, 現在, 水野さんの単著『会話の0.2秒を言語学する』を読んでいる最中だ。
『言語沼』は以前に読了していたが, 「あのー」と「えーと」の違いに関して, 完全に頭から抜けてしまっていたので, 今回記事にしてみたい。

まず, 「あのー」や「えーと」という, 一見発話内容に意味を足したりすることのないこれらの言葉は「フィラー」と呼ばれる。
フィラーが発話内容に意味的な関与をしないことは以下の引用からも明らかであろう。

相方の堀元さんは「こなれていない印象を与えるので, 一時期練習してフィラーを完全に消した」と言っていたし, たいていのPodcast番組は編集でフィラーを消している。

(水野, 2025, pp.142-143)

そんなPodcast番組等で存在を消去されてしまうフィラーは「単なるつなぎとして使用されるのではない」というのが, 水野さんの主張であろう。
消されてしまう「あのー」「えーと」だが, 以下の文を参照したい。

( 1 ) (「6×8は?」という問いに対して)えーと, 48
( 2 )*(「6×8は?」という問いに対して)あのー, 48
( 3 ) おい, あのプロジェクトの進捗はどうなったんだ?
  あのー, 申し上げにくいんですが, おくれております。
(水野, 2025, pp.144-145)

(2)のアスタリスクは文としてなりたたない, つまり非文であることを示している。

これらを基に水野さんは以下の主張をまとめている。

「えーと」は「そもそと伝える内容を処理している段階」, 「あのー」は「その伝え方を考えている段階」

(水野, 2025, p.146)

私の解釈としては, 「えーと」→what, 「あのー」→howという印象だ。
これでかなり覚えやすくなった。

最後に本書の終末に以下のような言及があった。

言語学とは, 言語化に対する過剰な信頼を相対化できる学問なのである。

(水野, 2025, p.207)

この文を読み, 私はかなり痺れた。
皆さんはどのように感じただろうか。

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