ケアマネ復帰までの現場ノート一日目④
「それは、介護と呼べるのだろうか」
15年ぶりに戻った現場で、
「効率化した結果、何を大切にする時間まで削ってしまったんだろう」
そんなことを考えていた。
そして、その答えを考えさせられるような場面に出会った。
排泄介助の場面だった。
介助の仕方が、とても雑に見えた。
衛生面でも、
「これでいいのだろうか」
と思ってしまうような状況だった。
さらに、褥瘡(床ずれ)部がガーゼ汚染いる状態になっていた。
私は、その光景を見て、言葉が出なかった。
介護の仕事をしていれば、排泄介助が大変なことも分かっている。
時間に追われることもある。
一人ひとりに十分な時間をかけられないこともある。
それでも、
「そこは、もっと大切にしてほしい」
そう思った。
そして、職員の言葉や態度にも、引っかかるものがあった。
舌打ちのような反応。
利用者さんに対する、突き放すような言葉。
ナースコールが鳴ったときにも、
「さっきお風呂に行ったばかりなのに」
という言葉が聞こえてきた。
その言葉を聞いたとき、
私は、もう一度考えた。
この人は、
「さっきお風呂に行ったから、もう呼ばなくていい人」
なのだろうか。
ナースコールを押したということは、
何か伝えたいことがあるのかもしれない。
何か不安なのかもしれない。
ただ誰かに来てほしいのかもしれない。
理由は、分からない。
だからこそ、
「何だろう?」
と見に行くことが必要なんじゃないだろうか。
15年ぶりに戻った現場。
私は、懐かしさを感じていた。
昔の仲間との再会を喜んでいた。
でも同時に、
「私は、こんな介護をしたいんだろうか」
という問いも生まれた。
誰かを批判したいわけじゃない。
今の現場を否定したいわけでもない。
ただ、
目の前にいる人にとって、
この介助はどうだったんだろう。
この言葉を聞いて、
この人はどう感じたんだろう。
私は、そんなことを考えていた。
そして、次に出会った利用者さんの姿が、
私にもう一つのことを考えさせてくれた。
その人は、
手の中に何かを大事そうに握りしめていた。
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