オイディプス王 01
原作:ソポクレス 『オイディプス王』
(Sophocles, Oedipus the King)
英訳ベース: F. Storr (1912年訳)
**英文引用元:**マサチューセッツ工科大学(MIT)
The Internet Classics Archive
日本語訳・翻案: [yosaburou]
楽曲生成: Suno AI
gemini教えて! 西欧文明における「オイディプス王」の時代ごとの評価の変遷にコメントお願いします。|yosaburou
[spoken]
登場人物(Dramatis Personae)
オイディプス:テーバイの王ゼウスの祭司:懇願者たちの代表クレオン:イオカステの弟(この場面の直後に登場)
コーラス(合唱隊):テーバイの長老たち
イレシアス:盲目の預言者
イオカステ:王妃、オイディプスの妻(かつ母)
使者:コリントスからの使者
ライオスの羊飼い
舞台(Scene)
テーバイ。オイディプスの宮殿の前。
あらゆる世代の嘆願者たちが、羊毛の飾り紐を巻いたオリーブの枝を手に、宮殿の門前にある祭壇を囲んで座っている。その先頭にはゼウスの祭司。そこへ、オイディプスが登場する。
オイディプス
[verasi]
古(いにしえ)のカドモスの血を引く、我が子どもたちよ。
なぜお前たちは、羊毛を巻いたオリーブの枝を手に、
ここに嘆願者として座っているのか?
街のいたるところに立ち込める、このお香の煙は何だ?
どこへ行っても聞こえてくる、この嘆きと祈りの声は一体何だ?
我が子どもたちよ、私はこれを他人の口から聞きたくはなかった。
だからこそ、私自身がここへ赴いたのだ。
この世界にその名を知られぬ者なき王、私、オイディプスがな。
さあ、長老よ。その気高い白髪(しらが)が、
お前がこの者たちの代弁者であることを示している。
お前たちの心境と、ここに集まった仔細を話すがよい。
恐ろしい災いへの怯えか、それとも何かを乞い願っているのか?
私が力を尽くすことに、疑いを持たないでくれ。
このようなお前たちの祈りを突き放すほど、
私は無情でも、冷酷な人間でもないのだから。
[spoken]
祭司
[verasi2
おお、私たちの主、統治者たるオイディプス王よ。
ご覧の通り、あらゆる世代の者が、あなたの宮殿の祭壇に押し寄せております。
まだ羽も生えそろわぬ雛のような幼子から、
私のように歳月で腰の曲がった、ゼウスに仕える祭司、
そして、我が国の若き精鋭たち。
一方、残る多くの民は、月桂樹の枝を身にまとい、
二つの広場を埋め尽くし、あるいはパラス(アテナ)の二つの神殿の前、
また、イスメノスの燃え盛る預言の火の前に集まっております。
あなたご自身も目にされている通り、私たちの「国家という名の船」は、
激しい嵐に翻弄され、もはや頭(こうべ)を上げることもできません。
血の色のうねる荒波の底へと、沈みかけているのです。
実りを迎えた麦穂は枯れ果て、
野に放たれた牛や羊の群れも病に倒れ、
身ごもった妻たちは、産みの苦しみの中で命を落とす。
そればかりか、燃え盛る松明を手にした「疫病の神」が、
この街へと襲いかかり、カドモスの家を空っぽにし、
冥王プルート(ハデス)の暗闇の国を、呻きと涙で満たしているのです。
ですから、王よ。私とこの子どもたちは、あなたの炉端に座っているのです。
あなたを「新たな神」と崇めているからではありません。
人間のなかで、最も優れた御方だと信じているからです。
人生に降りかかる不測の事態においても、
神々がもたらす試練の時においても、あなたこそが第一の人であると。
あなたは、カドモスの街(テーバイ)へやって来られたあの時、
あの残酷な歌い手(スフィンクス)に私たちが捧げていた、血の税金から解放してくださった。
私たちの誰かが知恵を授けたわけでも、誰かに教わったわけでもない。
ただ神の啓示によって(すべての民がそう信じ、証言しています)、
あなたは私たちの命を、再び蘇らせてくださった。
そして今、無双の王、オイディプスよ。
ここに集うすべての信徒が、あなたに懇願いたします。
どうか救いの手を見つけてください。天からの神託であれ、人間の知恵であれ。
経験豊かな賢者の助言こそが、未来を切り開く、最も実りある策となるはずです。
立ち上がってください、人間のなかの最高峰たる御方よ!
我が国を再び引き上げるのです!
あなたのこれまでの栄光を守ってください。
過去の熱意によって、あなたは「国の救世主」と讃えられた。
あなたの治世を、後世の人々にこう記録させてはなりません。
「王は私たちを引き上げたが、それはただ突き落とすためだった」と。
私たちを奮い立たせ、この街を揺るぎない岩の上に建て直してください。
かつてあなたの幸運の星が輝いた時、私たちに吉兆をもたらしてくれた。
どうかその星を、今、沈ませないでください!
もしあなたが、いま治めているように、この土地を統治し続けたいと願うなら、
荒れ果てた無人の国を支配するより、民に満ちた国を治める方が、はるかに優れているはず。
城壁も、軍艦も、何の役にも立ちはしないのです。
そこに集う人がおらず、国を護る者が一人もいないのであれば。
