見出し画像

過去の思い出にしたくて、手放した

Nintendo Switchを売った。

購入したのは、おそらく4年前。

体調崩して、休職してすぐのこと。
当時のわたしは、ひとりで家で過ごすことも
難しかった。

父は一日中仕事、母は午後から仕事。
母が仕事へ行ってから、帰ってくるまでは
どうしてもひとりで過ごさなければいけなかった。

ひとりで過ごす時間はわたしにとって
怖くてたまらなかった。

いつくるかわからない発作に、怯える。

ボーっとしてると、自分を責めたり、情けなくなったり。そんなことばかりが頭をぐるぐる。

別のことを考えようと思っても、できなくて。
無理やり眠ろうとしても、眠れなくて。

自分でも情けないと思いながら、何度も何度も
「お母さん早く帰って来て」って心の中で叫んだ。

ひとりになると、漠然とした不安をなんとなく誤魔化すみたいなことができなくて。
でも、真正面からそれと向き合う余裕なんてなくて。

とにかくひとりが嫌で
シーンとした静かな家がひとりぼっちなことを
より実感させた。
もし今発作がおきたらどうする?
誰も助けてくれないよ。
そうやって自分を追い込んで、頭はどんどんパニックに。

母が仕事へ行ったら、まずTVの音量を上げる。
そしてひたすらミニオンの映画を見た。
気がまぎれるように、でも心が乱れすぎない、
内容を知っている作品を見ることで少し安心できた。
そのほかにも、簡単なヨガもやった。

ただただ、気を紛らわすことに必死だった。

そんな時、購入したのがSwitchだった。

発作のこと、仕事のこと、体調のこと
全て忘れたくて、夢中になれるものが欲しかった。
もしかしたら、ゲームなら楽しんでできるかもしれない。
そう考えて、藁をもすがる思いで買った。

ゲーム初心者。
なのに、早く欲しくて、ちゃんと調べもせず、検索して上の方のページに出てきた、
本体とソフト2つがセットになっているものを選んだ。

本体と、ゲームソフト2つ。
合わせて五万円近くした。

高かった。とっても高かったよ。

決して多くない貯金を切り崩す。
休職してすぐ、給料だって入らなくなるのにね。

それでも欲しかった。

それでも夢中になれることが当時のわたしには必要だった。

その後、ミニオンの映画、ヨガのルーティンの中に、Switchが加わった。

マリオカートとスマッシュブラザーズ。
マリオカートは小学生時代やっていたので
楽しめた。
スマッシュブラザーズは結局ハマらなかった。

それでも、発作が起きそうになった時の
気を紛らわす選択肢が増えた。

発作が来そうと思ったら、とりあえずSwitchの電源を付ける。
ルールを理解していないスマッシュブラザーズをなんとなくでやってみたりしたこともあった。
そうやって、ひとり時間をなんとかしのいだ。

時間が経つにつれ、体調が少しずつ落ち着く。
本を読む余裕のある日が増えて、散歩に行けるようになると、自然とSwitchを手に取ることは減っていった。


そして、つい最近。
恐らく、3年ぶりにSwitchを引っ張り出した。埃かぶっていた。 

いろいろなことがあったよね。本当に。
それでもなんとか、ここまで来れたね。
そんなことをふと思った。

そう。ここまで来れたの。

だから、Switchを手放すことにした。

充電して、電源を付ける。
スマホで操作方法を調べて、手こずりながらも、なんとか操作する。
初期化して、本体を布で拭いて、綺麗に箱にしまう。
感謝の気持ちを伝えながら。
辛かった日々を思い出しながら。

買い取ってもらったあとは、寂しさもあり
ちょっぴり強くなれたような気もした。

あんなに、藁をもすがる思いで買ったのにね。
でも、今はあの時よりは、自由がきくようになったよ。

ひとりで留守番もできるし、映画にだって夢中になれる。
散歩もできるし、カメラという相棒もできた。noteも続けてるよ。
真っ暗なトンネルの中にいた過去のわたしは想像できないだろうな。

まだまだ、体調とは仲良くやっていけない日も多いけれど。

きっと、もがいている今を、懐かしく思う日がいつかくる。

何が何だかわからない日でも、
何が何だかわからないまま過ごしていたら、
気づいた時には過去になってる。

大丈夫じゃないって気持ちが落ちてる日も、
大丈夫じゃないまま過ごしていたら、
気づいた時には過去になってる。

今が辛いんだよ。
そう弱音を吐きたくなる時もあるけれど、
必ずいつかは全て思い出になる。過去になる。

だから大丈夫。
大丈夫じゃなくても大丈夫。

うん。大丈夫だよ。

いいなと思ったら応援しよう!