呼ばれる名前で戻る自分がいる
呼ばれる名前で戻る自分がいる
呼ばれる名前って
思っているより
自分の中に残っているものなのかもしれない
本名だったり
あだ名だったり
旧姓だったり
同じあたしのことを呼んでいるのに
呼ばれ方によって
なんとなく感じるものが違う
あたしは結婚して
10年くらい前に苗字が変わった
この10年で出会った人からは
今の苗字で呼ばれるか
下の名前で
ユキちゃんって呼ばれることが多い
今ではすっかり慣れて
呼ばれたらすぐに反応もできる
だけど
その前はどうだったかなって考えてみると
旧姓からついたあだ名で
呼ばれることが多かった
そのあだ名を
あたしは結構気に入っていた
小学生の頃から大人になっても
どの環境に行っても
なぜかそのあだ名かユキって
呼ばれることが多かった
両親や昔からの友達と出かけて
ごはんを食べに行った時
ウェイティングリストに名前を書くなら
今でも自然と旧姓を書く
夫と出かけたり
結婚してから出会った人と
一緒に出かけたら
今の苗字を書く
同じあたしなのに
一緒にいる人や
過ごしている場所によって
名乗る名前が変わる
なんだか少し不思議
今の苗字も
ちゃんとあたしの名前
だけど時々
苗字で呼ばれると
昔のあたしの一部まで
どこかに置いてきたような
そんな気持ちになることがある
これから出会う人に
昔のあだ名で呼ばれることは
きっとお願いしない限りはない
そう思うと
少しだけ寂しい
だけど
昔からの知り合いに会うと
今でも当たり前みたいに
昔のあだ名で呼んでくれる
その瞬間
なんだか
あたしに戻ったような気がする
昔の友だちと過ごしていた時間や
その頃の自分まで
一緒に戻ってくるような感覚
名前って
ただ誰かを呼ぶためだけのものじゃなくて
その時に過ごしていた時間や
思い出まで
一緒に残っているのかもしれない
今の名前で呼ばれるあたしも
昔のあだ名で呼ばれるあたしも
どちらも同じあたし
だけど
昔のあだ名で呼ばれた時に
ふっと戻ってくる自分がいる
だからあたしは
今でも
昔のあだ名で呼ばれるのが好き
