利益も大事。でも、それだけでは会社を続けられない
会社が前に進む原動力は何か
経営には、無数の選択があります。
どの事業に投資するのか。誰と組むのか。何を強みにするのか。そのたびに私たちは、「利益が出るか」「効率が良いか」「成功するか」といった基準で考えます。
もちろん、それは大切です。会社を続ける以上、利益も資金繰りも無視できません。しかし、長く経営を続けていると気づくことがあります。
本当に会社を前に進める力は、数字だけでは生まれないということです。
私は、事業の土台には「感動」が必要だと思っています。
売上は結果、感動は原点
ここでいう感動とは、大きな成功体験だけではありません。
お客様から感謝されたとき。社員の成長を感じたとき。自社の商品やサービスが誰かの役に立っていると実感したとき。
そんな心が動いた瞬間のことです。人は売上の数字は忘れても、そのとき感じた感情は意外と覚えています。
創業時のお客様との会話。初めて契約が決まった日の喜び。社員と夢を語った時間。
そうした記憶こそが、苦しい時期に経営者を支えてくれます。なぜなら感動は、「なぜこの仕事をしているのか」という原点そのものだからです。
効率だけでは、事業は続かない
経営者になると、どうしても正解を探し始めます。
失敗しない方法。成果が出る方法。他社が成功した方法。
しかし、正解ばかりを追い続けると、自社らしさは少しずつ失われていきます。感動は効率とは相性が良くありません。遠回りの中にあります。試行錯誤の中にあります。結果が見えない挑戦の中にあります。
だからこそ、感動がある会社には独自性が生まれます。
顧客のためにこだわったこと。採算だけでは説明できない取り組み。経営者自身が「どうしてもやりたい」と思った挑戦。
そうしたものが、他社には真似できない価値になっていくのです。
感動が軸をつくる
事業の方向性に迷う経営者は少なくありません。
そんなとき私は、市場分析や競合分析だけではなく、「何に感動したのか」を聞くようにしています。なぜなら感動には、その人らしさが表れるからです。
どんなお客様を見ると力になりたいと思うのか。どんな未来を実現したいのか。どんな瞬間に心が震えるのか。
そこには、その会社だけの軸があります。
理念やビジョンは、頭で考えてつくるものではありません。感動した経験を言葉にした結果、生まれるものだと思うのです。
感動が会社の未来をつくる
事業は利益のために存在します。
しかし、利益だけのために続けることはできません。最後に会社を支えるのは、「この仕事をやっていて良かった」と思える感動です。
だからこそ、事業の方向性に迷ったときは思い出してみてください。
自分は何に心を動かされたのか。
なぜこの仕事を始めたのか。
そこに、次の一歩を決めるヒントがあります。
成功を追いかける前に、感動を土台にする。そのほうが、事業も人生も、長く強く前に進めると私は思っています。
感動は大切ですが、それだけでは事業は前に進みません。感動を「会社の軸」として言葉にし、判断基準へ変えていく方法についてはこちらで詳しく解説しています。
👉次の記事:「事業の軸が見えないまま、判断だけが増えていく」
