パソコンゲーム回顧録 第7回〜「DOME」に見たAVGの未来。
1988年。念願のX68000を手に入れアーケードゲームの移植作品を堪能した後、いよいよ憧れでもあったパソコンオリジナルゲームをプレイするかと思い発売されていた中から選んだのがシステムサコムの「DOME」だった。

選んだ理由はオトナ向けでファミコンではまずない実写取り込み。他機種版ではかなり粗いグラフィックがX68000では写真クォリティ。そして何よりAVG(アドベンチャーゲーム)が好きということに尽きた。

堀井雄二サンは当時AVGは謎に詰まると無駄な時間だけになると否定的で前年に発売された「オホーツクに消ゆ」もヒントを搭載することを条件に渋々移植OKを出したと雑誌で目にしたが自分はなんだかんだ言ってもAVGは好きだった。
いざプレイしてみると主人公は広告代理店の社員。核戦争を想定して人類が生き残る為の「ザ・ドーム」計画の立ち上げに(無理矢理?)参加。巨額の寄付金集めを成功させる為に奔走する、というストーリー。
今思うと莫大な金額全てを寄付金で、しかも「ザ・ドーム」に入れるのは1000人限定。1億寄付したからといって入れる保証もないものに集まるわけが…と説得力に欠けるストーリーではある。
システムはシステムサコム製作のノベルウェア。ナレーション、各登場人物のセリフがそれぞれ個別ウィンドウに表示される。
かなり専門的な内容でまず広告代理店という職業をある程度理解していないといけないし登場人物が総勢70人超え、1日あたり4つの時間帯(朝一番、昼前、午後1時、午後3時)に情報収集と行動しなくてはいけない超高難易度。時間に決められたフラグを立てれないとバッドエンド。
頑張って有名人数人にドームを被らせることに成功するのが精一杯。マニュアルに何枚かヒント券があったけどそれでクリアできるとも思えないくらい難しすぎた。

しぶとくプレイしたものの攻略本もなく今のようにネットに解法もない時代。システムは面白いんだけどなぁ…と泣く泣く終了。今なら解法も探せばあるだろうし数十年ぶりにやってみるのもいいかもしれない。ストーリーがどうなるのかは興味があったので。

ただこの当時は高難易度はパソコンゲームでは普通だった。そこに簡単でユーザーライクな「イース」が登場し支持された。
せっかくの作品を隅々まで楽しんでもらえないことは制作側にとっても本意ではないはず。
といったことで不本意ながらプレイを終了せざるを得ない状況(何回やっても同じバッドエンドにしかならなくなった)になってしまったもののAVGの未来は見えた気がした。
当時の雑誌でノベルウェアのプレゼント企画があったと記憶してるけどエディタとして当時販売してほしかった。
サウンドノベルの前にあったAVGの一つの進化系だったし、もっと広がっていってほしかった。
