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第9話|長い停滞のあとに届いた、一通の連絡

エージェントと音信不通になり、
別のエージェントからも遠回しに仕事探しを断られた。

自分で送った履歴書にも、返事はない。

「このまま何年もかかるかもしれない」

当時の自分は、
そう覚悟し始めていた。

努力が足りないとか、
やり方が悪いとか、
そういう話以前に、
海外就職というもの自体が、そもそも簡単じゃない。

それが、現実だった。


突然届いた、思いがけない連絡

そんなある日。

以前一度、
「紹介できる企業はあまりないかもしれません」
と遠回しに断られていた移民エージェントから、
突然メッセージが届いた。


「2社ほど、ご紹介できそうな会社があります。
そのうち1社について、
近日中にオンライン面接を設定できそうですが、いかがですか?」

思いがけない連絡だった。

胸が高鳴る一方で、
期待しすぎないように自分を抑えた。

この時点では、
・会社名も
・条件も
・ビザの確約も
何ひとつ決まっていない。

それでも、
「面接を受けられる」
という事実だけで、気持ちは大きく揺れた。

これまでの仕事探しの中で、
初めて
「次のステップに進んだ感覚」
があったからだ。


一次面接は、日本語で

数日後、
現地の会社の料理長から、
面接日時の調整について直接メールが届いた。

料理長は日本人で、
オーナーは外国人。

一次面接は日本人の料理長、
そこを通過すれば、
最終的にオーナーとの面接になる、
という流れだった。

面接はオンラインで行われた。

寿司学校で学んだこと。
これまでの経歴。
なぜニュージーランドで働きたいのか。
そして、会社の説明と業務内容。

日本語での面接だったこともあり、
「失敗した」という感覚はなかった。

数日後、
エージェントから連絡が来た。

「一次面接、無事通過したようです。
次は二次面接に進みましょう。」

ここで、ようやく
「話が前に進んでいる」
と実感した。


二次面接までの時間


ただ同時に、
気持ちは一気に引き締まった。

二次面接は、
現地オーナーとの英語面接。

英語が拙い自分にとって、
これは明らかにハードルが高かった。

自分の経験や思いを英語で伝え、
質問にもその場で答えなければならない。

しかも、
海外から人を採用するには、
企業側にもそれなりの費用と手間がかかる。

「本当に、この人を海外から呼ぶ価値があるのか」

そこを見られる場だ。

ニュージーランドに行くと決めてから半年ほどで、
TOEICのスコアは300点台から700点近くまで伸びていた。

それでも、
英語が少し聞き取れる程度で、
反射的に言葉が出てくるレベルではない。

二次面接までに、
少しでも英語で話せる状態に近づく必要があった。

英会話アプリを使い、
ChatGPTで想定問答を作り、
空いた時間はとにかく口を動かした。

そしてついに、
現地オーナーから直接メールが届き、
二次面接の日時が確定した。


次は、
この二次面接で何が起きたのか。
その先の話についても書いていこうと思う。

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