つい怒鳴って自己嫌悪…を救う育児書界のダイソン!『子どもとの関係が変わる、自分の親に読んでほしかった本』
本屋の育児書コーナーに行くと、
「どうやって寝かしつけるか」
「どうやって野菜を食べさせるか」
みたいな、やり方(テクニック)の本がたくさん並んでいます。
今日紹介する本は、育児書界のダイソン!
(この本は他の育児書とは違います、ってことです笑)
フィリッパ・ペリーの『子どもとの関係が変わる、自分の親に読んでほしかった本』というタイトルの本。
この本が伝えたいのは、「子どもに対して何をするか」ではなく「子どもとどんな関係を築くか」という、もっと根本的で大切なこと。
世界中で翻訳され、多くの親たちに読まれているこの本が、なぜこれほど支持されているのか、その理由を紐解いていきます。
いまの親たちは、「完璧な親でなければならない」というプレッシャーや、ネット上の膨大な情報に疲れています。
そんな中で、この本はこう語りかけます。
「完璧である必要はありません。大切なのは、失敗したあとにどうするかです」
この本は、親自身が自分の心を見つめ直すための「セラピー」のような一冊です。
「しつけ」をする前に、まずは親である私たちが楽になり、子どもと心を通わせるためのヒントが詰まっています。
フィリッパ・ペリーについて
「隣のおばさん」的専門家
著者のフィリッパ・ペリーさんは、20年以上の経験を持つベテランの心理療法士ですが、最初からエリートコースを歩んだわけではありません。
マクドナルドで働いたり、探偵のような仕事をしたり、美術を学んだりと、いろいろな人生経験を持っています。
だからこそ、彼女の言葉は上から目線ではなく、人生の酸いも甘いも知っている頼れる隣人のように温かく響きます。
彼女自身も、鼻をほじる癖があるなんて自分の欠点をあっけらかんと話すような、とても人間味のある女性です。
植物と土壌のたとえ
この本の中で一番わかりやすい例え話があります。
「もし人が植物だとしたら、関係性はその土壌である」
というもの。
これまでの育児は、植物(子ども)をどう切って形を整えるか(しつけ)ばかり気にしていました。
でも、土(親子関係)がカラカラに乾いていたり、栄養がなかったりしたら、どんなに手を加えても植物は元気に育ちません。
逆に、土さえ良ければ、植物は自然と自分らしく元気に育っていきます。
親の仕事は、子どもをコントロールすることではなく、子どもが安心して根を張れるような「良い土壌」を作ることなのです。
自分の過去と向き合う
「私、親と同じことを言ってる?」
子どもに対して、ついカッとなって怒鳴ってしまったことはありませんか?
そして後で「どうしてあんな言い方をしてしまったんだろう」と落ち込む…
ペリーさんは、それは私たちが子どもの頃に自分の親からされたことを、無意識に繰り返しているからだと言います。
これを「育児の遺産」と呼びます。
内なる批判者を追い出す
私たちの頭の中には「もっと厳しくしなきゃダメだ」「お前は悪い親だ」と囁く意地悪な声(内なる批判者)がいます。
これは昔、誰かに言われた言葉がそのまま残っているのかもしれません。
この本では、その声に気づき「これは私の本当の声じゃない」と区別する方法を教えてくれます。
自分自身に優しくなることが、子どもに優しくなるための第一歩なのです。
家族の形よりも「中身」が大事
両親が揃っているかより、喧嘩していないか
「片親だから」「離婚したから」といって、子どもに悪影響があるとは限りません。
大切なのは家族の形(構成)ではなく、その中で子どもがどう愛されているかです。
逆に、両親が揃っていても、毎日冷戦状態でピリピリしていたら、それは子どもにとって「毒を含んだ土壌」になってしまいます。
夫婦喧嘩を見せてもいい?
夫婦やパートナーと喧嘩をすること自体は問題ありません。
大切なのは「仲直りするところまで子どもに見せる」ことです。
「さっきは言いすぎてごめんね」「いいよ、わかったよ」という修復のプロセスを見せることで、子どもは「意見がぶつかっても、関係は壊れないんだ」と安心し、仲直りの方法を学ぶことができます。
感情を受け止める
親は「感情の器」になろう
(自分の子どもじゃなくても)子どもが泣き叫んだり、怒ったりしたとき、どうしますか?
多くの親は「ほら、お菓子あげるから泣き止んで」とか「あっちにワンワンがいるよ!」と気を逸らそうとします。
でもペリーさんは、それは「ごまかし」だと言います。
親がすべきなのは、子どもの感情を「器」のように受け止めることです。
× 「痛くない、痛くない!」と否定する
○ 「転んで痛かったね、びっくりしたね」と言葉にする
こうすることで、子どもは「自分の気持ちをわかってもらえた」と安心し、自分の感情と上手につきあえるようになります。
失敗しても大丈夫
今からでも遅くない
この本で一番救われるメッセージはこれです。
「関係の断絶(ケンカや誤解)は避けられない。大事なのはその後の修復(仲直り)である」
どんなに良い親でも、疲れてイライラして、子どもに当たってしまうことはあります。
それは断絶です。
でも、それで終わりではありません。
「さっきは怒鳴りすぎてごめんね。ママは疲れていてイライラしていたの。あなたのせいじゃないよ」と謝り、抱きしめること。
これが修復です。
何度も「断絶と修復」を繰り返すことで、親子の絆はむしろ強くなります。
「失敗してもやり直せる」と知ることは、子どもにとって生きる力(レジリエンス)になります。
行動には理由がある
ダリの頭突き事件
有名な画家のサルバドール・ダリは、子どもの頃、わざと柱に頭をぶつけて大怪我をしたそうです。
理由は「誰も僕を見てくれなかったから」。
子どもの困った行動(嘘をつく、乱暴する、いつまでも泣く)には、必ず理由があります。
「悪いこと」として罰するのではなく「この行動で何を伝えようとしているんだろう?」と探偵のように考えてみましょう。
それは「もっと見てほしい」「寂しい」というサインかもしれません。
社会性を育む4つのスキル
子どもが良い子に育つために必要なのは、厳しく叱ることではありません。親が手本を見せて、以下の4つの力を一緒に練習すること。
柔軟性 予定が変わってもパニックにならない力
我慢する力 すぐに思い通りにならなくても待てる力
問題解決力 困ったときにどうするか考える力
共感力 人の気持ちをわかる力
これらは、命令されて身につくものではなく、親との温かい関わりの中で自然と育つものです。
今日から始められること
子どもを変えようとしない。関係(土壌)を良くする。
イライラしてもいい。そのあとで謝って修復すればいい。
スマホを置いて、子どもの目を見て話を聞く。
過去は変えられませんが、今からの関係はいくらでも変えられます。
「もっと早く読みたかった」と思うかもしれませんが、今が一番早いタイミングです。
子どもがいないとか、関係なくて、今日から新しい関係を始めるのに素晴らしい本なので、みんなに読んでほしい。
【編集後記】
マガジンで、今まで紹介した本をジャンル分けして整理してみました。本屋とか図書館で本を選んでるみたいで楽しいので、ぜひ見てみてください!
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これからも毎日、本を紹介したいのですが、このnote、ずっと赤字状態です。もし本好きの方がいらしたら、チップを送っていただけると嬉しいです。