余白ノート│PAUSE AND LISTENが始まる│チルアウトから生まれる、新しい音楽の場所
僕が再びレコードを聴くようになった、そのきっかけのひとつが「チルアウト」だった。
レコードから少し離れていた僕が、またジャケットを眺め、盤を手に取り、針を落とすことを面白いと思うようになった。
だから僕にとってチルアウトは、単なる音楽の店ではない。
いま続いている「レコード男子」の、かなり上流にある場所なのである。
そのチルアウトのマスターが、地元・清澄白河に新しい店をオープンするという。
店の名前は、PAUSE AND LISTEN
2026年8月16日からプレオープンする。
なんともいい名前だ。
店から漏れ聞こえてきた音楽に、思わず足を止める。
そして、ちょっと聴いてみる。
そんな偶然の出会いを大切にしたいという思いから、この名前がつけられたという。
僕は、この考え方がとても好きだ。
音楽との出会いは、たいてい予定外だった
考えてみれば、僕らが音楽を好きになった頃には、いまのようなレコメンド機能はなかった。
友人が聴いていた。
レコード屋でジャケットが気になった。
ラジオから突然流れてきた。
喫茶店で知らない曲がかかっていた。
そんな偶然から、
「これ、誰?」が始まった。
PAUSE AND LISTENという名前には、そんな昔ながらの音楽との出会い方が残っているような気がする。
検索する前に、まず耳に入ってくる。
アルゴリズムではなく、偶然。
ちょっといい。
おじさん二人のジャズにも付き合ってくれた
チルアウトへ行き始めた頃、僕はジャズ好きの友人とよく一緒に店へ行った。
友人はかなりのジャズフリーク。
そして僕もレコード好き。
つまり店から見れば、
おじさん二人のジャズ談義
である(笑)。
あれこれジャズの話をしたり、ボサノバを聴いたり。
マスターには、そんな僕らの音楽話にもずいぶん付き合ってもらった。
でも、こういう時間が大事だったのだと思う。
レコードは、一人で聴くものでもある。
同時に、人と人をつなぐものでもある。
「あのアルバムいいよ」
「この演奏聴いた?」
そんな会話から、また次の一枚へ行く。
僕のレコード熱が再び温まっていった背景にも、そんな時間があった。
清澄白河の住宅街に、新しい音楽の場所
PAUSE AND LISTENができるのは、清澄白河。
大通りから一本入った、静かな住宅街だという。
昼は焼き菓子とコーヒー。
そして将来的には、夜、お酒を飲みながら音楽に没頭できるバータイムも考えているそうだ。
これもいい。
音楽を「聴かせる店」というより、
音楽のある時間をつくる店
なのかもしれない。
まずは週末の午前から夕方まで、カフェタイム中心のプレオープン。
最初の日は8月16日、9時から17時まで。
その日はチルアウトのほうは臨時休業になる。
ひとつの店から、もうひとつの場所へ。
音楽の枝が一本伸びる。
そんな感じがする。
今度は僕が、PAUSE AND LISTENで足を止める
もちろん、新しい店にも行ってみようと思っている。コーヒーを飲みながら、どんな音楽が流れているのか。
どんなレコードがあるのか。そして、またマスターと何の話をするのか。
たぶん僕の場合、
「ちょっと聴いて帰ろう」
では済まない気もする(笑)。
でも、それでいい。
PAUSE AND LISTEN。
足を止める。
そして聴く。
僕がレコードを再び好きになった場所から生まれた、新しい音楽の場所。
まずは開店、おめでとうございます。
そして清澄白河に、またひとつ面白い場所が増える。
僕も近いうちに、足を止めに行こうと思う。
いや。
きっと足を止めたあと、かなり長居するのだろう。
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