余白ノート|②ステージを降りた藤井風|ジュリー・ロンドン、白米10kg、そして両親
※この記事には、プロモーションが含まれています。※記事の作成・構成には生成AIを使用しています。内容は筆者が確認し、加筆・編集しています。
世界のステージで歌う藤井風さん。
大きな会場に立ち、海外でも聴かれ、何百万人という人がその音楽にアクセスする。
そんな姿を見ていると、僕らはつい「スターとしての藤井風」を想像する。
では、そのステージを降りたあと。
藤井風さんはいったい何をしているのだろう。
海外インタビューを読んでいたら、思いがけない言葉が次々と出てきた。
ジュリー・ロンドン。
チェット・ベイカー。
白米10kg。
そして、両親。
なんだ、この取り合わせは(笑)。
でも、読んでいくと、不思議なくらい一本につながってくる。
落ち着きたいときに聴くのは、ジュリー・ロンドンとチェット・ベイカー
2025年9月に公開された海外メディア「Mixed Feelings」のインタビュー。
「自分を落ち着かせたい時には何を見るか、何を聴くか」という質問に、藤井風さんは映画ではなく音楽を挙げている。
そこで出てきたのが、
ジュリー・ロンドン。
チェット・ベイカー。
さらに90年代R&Bでは、トニ・ブラクストン、アリーヤ、Boyz II Men、マライア・キャリーなど。
これを読んで、ちょっと嬉しくなった。
ジュリー・ロンドン。
チェット・ベイカー。
どちらも「音を詰め込む」というより、余白を聴かせる人たちだ。
ジュリー・ロンドンの歌には、夜の部屋にひとつだけ灯りをつけたような静けさがある。
チェット・ベイカーのトランペットにも、吹いていない時間まで音楽になってしまうようなところがある。
藤井風さんの音楽を聴いていて感じる、あの独特の間。
もしかすると、こういう音楽を普段から身体に入れていることとも、どこかでつながっているのかもしれない。
世界的アーティストが「かなり調べて買ったもの」
インタビューは、さらに妙な方向へ進む。
「最近、かなり調べてから買ったものは?」
この質問。
音響機材かな。
ピアノかな。
服かな。
海外アーティストだから、何かとんでもないものが出てくるのかと思った。
答えは、
白米10kg。
(笑)。
しかも、自分で食べるためではない。
日本で米が高くなっているので、両親に送ったという。
これは急に身近になる。
世界を飛び回っていても、
「米、高くなったなあ」
なのである。
僕らと同じだ(笑)。
ニュースでは米価が上がった、備蓄米がどうした、新米価格がどうだと聞いているけれど、それが藤井風さんの生活にも普通につながっている。
そして10kg。
結構な量である。
「お父さん、お母さん、米送っといたよ」
そんな会話まで勝手に想像してしまう。
「天国は?」という質問
そして、このインタビューで僕がいちばん印象に残ったのが、次の答えだった。
「あなたにとって天国とは?」
藤井風さんの答えは、とても簡単だった。
両親が幸せそうにしているのを見ること。
本人はそこで、自分を「good boy」と表現している。
大げさなことを言わない。
世界平和でもない。
成功でもない。
大観衆でもない。
両親が幸せでいること。
これには、ちょっと共感する。
年齢はずいぶん違うけれど、親のことを思う気持ちは同じだと思う。
若い頃には親がいることが当たり前だった。
でも、歳を重ねていくと、親と一緒に過ごせる時間そのものが、とても大切なものだと分かってくる。
藤井風さんはまだ若い。
それでも、彼の中ではすでにそこが大事な場所になっているらしい。
白米10kgという話も、ここでつながる。
単なる買い物ではなかったのだ。
地味な「地獄」はSNS
一方で、
「地味な地獄は?」と聞かれると、
SNSで時間を無駄にしてしまうこと。
これが最悪だという。
これも面白い。
世界的なポップスター。
当然SNSも仕事の一部だろう。
でも、本人にとっては、そのSNSに時間を吸い取られることが「地味な地獄」。
スマホを開く。
ちょっと見る。
また見る。
気づけば30分。
これはもう、世界的アーティストも僕らも同じ場所で捕まっている(笑)。
そして朝は瞑想する
同じインタビューでは、日々の過ごし方にも少し触れている。
藤井風さんは、朝起きたあとに瞑想をし、自分自身へポジティブな言葉をかけるという。
これを「特別な習慣」と見ることもできる。
でも僕には、むしろ世界を飛び回る人だからこそ、自分を元の位置に戻すための時間なのかなと思える。
ステージに立てば、何万人もの視線が自分に向く。
SNSを開けば、さらに何百万人もの反応がある。
そんな生活をしていたら、自分の中心を見失わないための時間が必要なのだろう。
瞑想して、
音楽を聴いて、
両親を気にかけ、
ときどき米を送る。
意外と生活は静かだ。
藤井風を作っているのは「オン」だけではない
僕らはアーティストを見るとき、ついステージの上ばかりを見る。
歌。
演奏。
衣装。
照明。
観客。
でも、その人の音楽を作っているのは、ステージの外にいる時間なのかもしれない。
ジュリー・ロンドンを聴いている時間。
チェット・ベイカーを聴いている時間。
朝、静かに瞑想している時間。
両親のことを考えている時間。
スーパーの米価を気にしている時間(笑)。
そういう何でもない時間が積み重なって、ステージの上の藤井風になる。
世界へ行っても、生活は地面にある
前回、僕はストリーミングの数字から藤井風さんを見てみた。
世界中で曲が聴かれている。
古い曲にも新しいリスナーが生まれている。
音楽だけを見ると、ものすごい速度で世界へ広がっている。
ところが本人の生活を少し覗いてみると、
好きなジャズを聴き、
SNSに時間を取られるのを嫌がり、
両親へ米を送り、
両親が幸せなのを見ることを「天国」と言う。
妙に地面に近い。
もしかすると、この距離感こそが藤井風さんの面白さなのかもしれない。
どれだけ遠くへ行っても、足元がなくならない。
世界へ飛んでいく風だけれど、
ちゃんと岡山へ吹き戻る風でもある。
そんなことを、白米10kgの話から考えてしまった。
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