高齢者の猫背(円背)は運動で改善できる? 最新メタアナリシスが示すエビデンス
年齢を重ねると「背中が丸くなる」人が増えていきます。医学的には胸椎の後弯(こうわん)が強くなった状態を「ハイパーキフォーシス」と呼びますが、角度が40度を超えると臨床的に問題とされるレベルに入ります。特徴は、首が前に突き出し、肩が内側に入り、腰のカーブが失われている姿勢です。
この姿勢の崩れは「見た目の老け感」だけでなく、健康そのものに影響します。身体機能が落ちて転倒しやすくなったり、骨折のリスクが高まり、呼吸機能まで低下することがわかっています。研究によれば、高齢者の2割から4割がこの状態にあり、骨密度や骨折とは独立して死亡率を高めることも報告されています。
では、この「猫背状態」は運動で改善できるのでしょうか?その疑問に答えるべく行われたのが、今回紹介するウォータールー大学のPonzanoらの最新メタアナリシスです。
◆ なぜ猫背改善に“運動”が注目されるのか?
研究の目的は、45歳以上で猫背を抱える人に対して「運動がどんな効果を持つのか」を明らかにすることでした。対象としたのは次のような幅広い項目です。
背中の丸まり(後弯角度)
背筋力や持久力
身体機能(日常生活動作や移動能力)
生活の質(QOL)
痛み
転倒の発生率
副作用や有害事象
調査チームは2020年5月までに発表された世界中の文献を検索し、無作為化比較試験(RCT)や非RCT、前後比較研究など合計24本を抽出しました。対象は胸椎の後弯角度が平均40度以上の人々。介入は、筋トレや理学療法など「自分で体を動かす能動的な運動プログラム」に限定され、受け身のストレッチやマッサージなどは含まれていませんでした。
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