やせたいところを筋トレしてもムダ? 科学が教える『部分やせのウソ』と“本当に脂肪を減らす方法”
「お腹を引き締めたいなら腹筋トレーニング!」
「二の腕を細くしたいならこの腕のトレーニングを!」
「太ももを細くしたいなら脚の筋トレをしよう!」
雑誌や動画でよく見るこんなキャッチコピー。多くの人が、気になる部分だけを集中的に鍛える「部分やせ」を目指してトレーニングしています。
しかし、スポーツ医学の世界では40年以上前から明確な答えが出ています。
「やせたいところを筋トレしても、部分やせはしない」
この理論は「スポットリダクション(Spot Reduction)」と呼ばれ、1960年代から研究が行われてきました。
当初は「局所の筋トレでその部分の脂肪が減る」と考えられていましたが、1980年代以降、より正確な測定技術(DXAやMRI)が導入されると、その常識は覆されました。
そして2000年代に入ると、腹部・腕・脚など、どの部位を鍛えても脂肪の減少は全身で起こることが次々に報告されています。
今回は、科学的に明らかになった「部分やせが起こらない理由」を、代表的な研究とともに紹介していきます。
◆ 腹筋をしても「お腹の脂肪」は減らない
1983年、Katchらの研究では、被験者を「腹筋トレーニング群」と「何もしない群」に分け、27日間にわたり腹筋運動を実施しました。腹筋群は初日7回×10セットから始め、徐々に回数を増やしていきました。
結果は驚くべきものでした。
体重・ウエスト・脂肪細胞の大きさ──どれも変化がなかったのです。
つまり、腹筋を続けてもお腹の脂肪は減らなかったのです。
その後、2011年にVisputeらが行った研究でも同様の結果が得られました。18〜40歳の男女を対象に6週間の腹筋トレーニングを行い、DXAで体脂肪を正確に測定。
その結果、トレーニング前後の体脂肪率、腹部脂肪率、皮下脂肪量、ウエストサイズ──いずれにも有意な変化は見られませんでした。

つまり、「腹筋をすればお腹がへこむ」というのは、科学的には根拠がないということです。
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